私を構成する9枚【寄稿/Tee (synker)編】

私を構成する9枚【寄稿/Tee (synker)編】

#私を構成する9枚──その文言通り自身の音楽遍歴を語る上では決して切り離せない音楽作品を9枚選ぶハッシュタグ。musitでは書き手自身を掘り下げるべく個人の音楽的嗜好に迫る企画としてお送りしている。

アーティストからリスナーに音楽が手渡される。その過程で物語が生まれ、同じ作品でも受け手の数だけドラマがある。そういった「音楽は個人史である」という側面を、より読者の皆様に広く共有し楽しんでいただきたいという思いから、本企画の寄稿を募集。今回はその公募分から掲載する。選出した9枚の中から、特に思い入れの強い3枚について語っていただいた。

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The Beatles『The Beatles』(1968)

記念すべき、私のビートルズ・デビューとなった1枚です。真っ白でシンプルなジャケットにセルフ・タイトルだから、てっきりベストアルバムかと勘違いして地元のTSUTAYAで借りました(「Please Please Me」とか「Let It Be」とかお宝鑑定団の曲とか入ってないやんけ!」とがっかりしました)。しかし1枚のアルバムにこれだけバラエティ豊かな楽曲が収められていることに感動し、夢中で聴き込みました。当時からのお気に入りは「Sexy Sadie」で、セツナ系ロック・バラードの原型であると信じています。同じクラスのビートルズ好きの友達と、「Revolution 9」を聴くと頭がおかしくなる!と歓喜した思い出もあります。これは多分、私的サイケデリアの原体験だと思います。

The Smiths『Meat Is Murder』(1985)

スミス(というかモリッシー)は、少年時代の私にロック・ミュージックの「過激なかっこよさ」を教えてくれました。まずこの衝撃的なタイトルとジャケット。再生するや否や、1曲目「The Headmaster Ritual」の鮮烈なクリーン・ギターによるコードと単音リフレイン。そして極東の高校生にも分かる“I wanna go home”という歌詞。当時の私にとって完璧すぎる組み合わせでした。ギタリストであるジョニー・マーのプレイは、私が普段バンドでギターを弾くに当たって非常に影響を受けています。あえて1曲挙げるとすれば、「What She Said」のフェードインしてくる集中豪雨のように攻撃的なサウンドは、不穏な詞世界と相まってもう最高です。

Radiohead『In Rainbows』(2007)

私が彼らに出会った当時の最新盤で、一番よく聴いたアルバムだと思います。それまで前世代的なバンドを中心に掘っていたので、多種多様な音が入り混じり、なお且つ洗練されたサウンドは新鮮に感じました。バンド・アンサンブルの奥深さに加え、ノイズをも美しい演出になることを気付かせてくれた1枚です。私の考えるレディオヘッドの魅力は、作品がメンバーの身体性と強く結び付いているという点です。その意味でYouTubeなど、映像メディアの存在は重要でした。不思議な動きと共に独特な声を操るトム・ヨークや、音色とリンクするようにギターを掻き鳴らすジョニー・グリーンウッドのパフォーマンスは、1度目にしてしまうと音源を聴いた時に彼らの姿が脳裏に浮かんで離れないのです。

◯執筆=Tee (synker)

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musit編集部