【金曜日の編集部】2022年6月24日/平安時代のロック・スター
musit編集部による1週間の振り返りと、所属ライターが週代わりでお送りするウィークリー・コラム。
・ミュージカルアニメ映画『犬王』で薔薇園アヴが示したロック・スターの真骨頂
・ささくれた心に優しい光を照らしてくれる2022年の代表作──Horsegirl『Versions of Modern Performance』
・【衣食住 plus 音 Vol.6】「ラブレターを渡す気持ちで」Alice novi -Ray-に聞く、タトゥー文化の変化の兆し
編集部・對馬より
湿度の高い、肌にまとわりつくような暑さに思わず – ウゲエ – と顔をしかめる日々で、東京ってマジで年中通して良いところないな…と思うわけです。冬は雪も降らずただ寒いだけで風情がない(仮に降っても交通網が終了する)。一方で夏もひたすらに暑く、涼しい室内との落差が殊更エグい。春と秋は刹那に過ぎ去る。中庸というものを知らないんですか、東京は。
少し音楽の話もすると、最近はdowntばかり聴いてます。先日リリースされた『SAKANA e.p.』がとにかく良くて、詳しくは記事に書こうと思うのですが、bandcampではカセットを注文、海外のレーベルから出るLP(これまでの音源を集めたアンソロジー)も軽率に予約しました。音楽に関しては本当に良い、本当に欲しいと思ったものはあまり深く考えずにとりあえず買うスタンスを(破産しない程度に)貫きたいですね。
WEEKLY COLUMN
平安時代のロック・スター
◯文=すなくじら
ライターのすなくじらです。
今週は『犬王』の映画コラムと、私のタトゥーを掘ってくださった彫り師さんでもあるAlice novi -Ray-さんへのインタビュー記事を公開させていただきました。
Rayさんへのインタビューに関して言えば、実は彼とは彼の前職の美容師時代にお客さんとして出会ったことが始まりで(しかもその時は担当は別の方を指名していて、Rayさんはアシスタントだった)、そこからご縁あってタトゥーをお仕事とするまでの変遷の一部を記事にさせていただいた形に。人の縁って不思議ですよね。
何はともあれタトゥーの話はもちろんなのですが、珍しいレコードや映画などカルチャーに関しての言及も盛り沢山のインタビューとなっていますので是非。
『犬王』については語り出すとこのスペースでは収まりきらないのですが、その熱量はすべてコラムに詰めました。どの時代でも音楽スターに求められているものは実は変わらないのかもしれない。そう思わせるような人と音楽の心の繋がりを説いた作品です。良い意味で、各所の評価が良いことを踏まえて、観る側が勝手に期待をかけすぎたとしても安心して観られるようなハイクオリティな映画でした。そもそも、湯浅監督×アヴちゃん×松本大洋先生という愛の大洪水が起こる組み合わせ、面白くないわけがないんですよね……。
アイドル記事を書かせていただく機会が多いこともあって、アイドル・シーン以外の音楽をあまり聴かないイメージを持たれることが多いのですが、女王蜂はかなり筋金入りのファンで、ファンクラブもかなり長いこと入っています。
女王蜂の曲って言葉の組み方が複雑だったり、抽象的なわけでは全くないのに、なぜか考察をしてしまうような暗さがあるんですよね。私の一番好きな曲「火の鳥」の中に〈今夜は二人でどうしよう? ああ やっと手に入れた色仕掛け〉っていう歌詞があって、手に入れなきゃいけなかった背景とか、じゃあこの人は色仕掛けを手にする前はどうだったんだろうとか、想像が膨らみます。アヴちゃんのこの語彙の源泉はシンプルにライターとして気になるところです。
徐々に気温も上がり夏を感じる瞬間も増えてきましたが、皆さん体調にはお気を付けて、楽しい休日をお過ごしください!
musit編集部




