【ギター/ベース初心者必見】初めてのエフェクターは何を選べばいいの?
ギターやベースを始めたばかりの人にとっては、すぐにエフェクターを導入してカッコいい音を鳴らしたい! という人も多いはず。ですが、初めてのエフェクター選びはなかなかの悩みどころ…。
そこで今回は楽器屋店員の視点から、初心者におすすめのエフェクターについてお話していきます。
そもそも「エフェクター」って何?
‘‘エフェクターは、日本では何らかの効果(エフェクト)を与えるもの、ここでは特に音響効果を与える目的で使用される機器のことを指す。EFXとも略される。英語では俗称ではストンプボックス(stomp box)などと呼ばれている’’--Wikipediaより引用
簡単にご説明しますと、ギター、ベース、マイクなどの楽器をアンプに繋ぐ前に入れて、その音を歪ませる、揺らす、反響させるなどのを「効果」をかけるものがエフェクターなわけです。
楽器とアンプ単体がすっぴんの状態だとすると、エフェクターはそれに施すお化粧のようなもの、と言えば分かりやすいでしょうか?
また、特に初心者ギタリストの場合は、アンプを使って音を出していても「あれ、あの人の演奏みたいな伸び方にならないぞ」「あの豊かなクリーントーンはどうやって作ってるんだろう?」と悩んでしまいがち。
そのような時は、エフェクターを導入することで解消される場合が多いのです。
最近では自宅練習用のアンプなどにも、充分な機能を搭載したエフェクターが入ってるものが多く販売されています。しかし、個人練習だけでなく、スタジオに入ってバンドで練習することも見込んでいる人は、アンプと別にエフェクターを用意しておいた方が良いでしょう。
最初のエフェクターはマルチorコンパクト?
初心者ギタリストの方には、断然マルチエフェクターをおすすめします。
20年ぐらい前のものだとデジタル感が強く、正直あまり音が良くないのにも関わらず値段が高かったのですが、最近のマルチエフェクターはお手頃な価格帯でも十分な音質のものが増えています。
ギターはほかの楽器と比べ、特にエフェクターを多用するので、最初にコンパクトエフェクターで揃えようとすると初期投資が高くなってしまいます。さらに、コンパクトエフェクターは1台で1つの音しか出せないのに対して、マルチエフェクターはその名の通り、色々な音色を楽しめるのが特徴的です。
まずはマルチエフェクターで自分の音色の好みを把握してから、コンパクトで音にこだわる、というのが自分のオリジナルの音色を作る近道です。
(先輩や憧れのミュージシャンがコンパクトエフェクターを使用していて、それが自分にとっても気に入った音であれば、最初からコンパクトエフェクターを買うのも1つの手でしょう。マルチエフェクターのデジタルシミュレーションでは完全に真似できない、個性的な音を出せる点がコンパクトの良さです。)
ギタリストのためのおすすめエフェクター「BOSS GT-1」「ZOOM G3nシリーズ」
エレキギターであれば、最初は「BOSS GT-1」か「ZOOM G3nシリーズ」を選んでおけば間違いないでしょう。
では、それぞれの特徴について解説していきます。
BOSS GT-1

初めて電源を入れた状態で鳴る、最初のプリセット「P01 HI GAIN STACK」はこれぞロックサウンド! という印象の音。
CTL1スイッチを踏めばソロ用の音色、ディレイ(山びこ効果)オンに切り替わり、気持ち良く演奏できます。
クリーントーンなら「P03 NATURAL CLEAN」のプリセットが使いやすくオススメです。
そして初心者の強い味方「EASY EDIT」という機能も付いており、初めて音作りするという方でもエフェクターのセッテイングがスムーズにできて、誰でも簡単にプリセットが作れます。
さらにエフェクターの並び替えも可能。フットスイッチもカスタマイズできるので、初心者の方から上級者の方まで幅広くおすすめしたいマルチエフェクターです。何よりもノイズが非常に少なく、全体的にキレイな音が特徴的ですね!
オーディオインターフェイスの機能も搭載しており、GT-1で作った音をパソコンに入力して録音することも可能なんですよ。
ZOOM G3nシリーズ

ZOOM G3nシリーズは、ストンプモード、メモリーモードと2種類の切り替えができる点が特徴的です。
マルチエフェクターはエフェクターのセッティングを保存してから(メモリーモード)切り替えるのが従来のやり方ですが、G3nシリーズは、コンパクトエフェクターのようにそれぞれをオン/オフ(ストンプモード)にすることが可能。
これによって、玄人好みで1番こだわりたい歪みはコンパクトエフェクター、ほかのディレイやコーラスなどの空間系はG3nにお任せ、といった使い方もできるのです。
なお、音はちょっとノイジーですが、そこがまたギターらしいアナログ感。こだわり強いギタリストにとっては魅力的なエフェクターといえるでしょう。
ちなみにG3nとG3Xnの違いは、ワウペダルやボリュームペダルなどに使えるエクスプレッションペダルが付いてるかどうかです。
ベーシストのためのおすすめエフェクター「ZOOM B3n」「ZOOM MS-60B」
ベースの場合は予算によって2種類の選択肢があります。
ある程度初期投資を多くかけてもいい、という人の場合は、まずはコンプレッサー(弦のアタック音の暴れを圧縮し、タイトな音にするエフェクター)
↓
ベースプリアンプ(アンプの音をシミュレートするエフェクター。スタジオやライブハウスによってアンプが違っても、プリアンプからミキサーに繋げばどこでも自分の音を出す事が可能)
という順にこだわりたいところ。(コンプレッサーやベースプリアンプについては、詳しく説明しようとするとそれだけで記事が1本書けてしまうので、また次の機会で…!)
ですが、なるべく低コストでエフェクターを導入したい! という場合は、やはりマルチエフェクターを頼りましょう。
ベース用マルチエフェクターなら、上記の2つのエフェクターも入っているので安心。
マルチエフェクターは「ZOOM B3n」か「ZOOM MS-60B」をおすすめします。こちらもそれぞれ特徴を見ていきましょう。
ZOOM B3n

ギター用のエフェクター「G3n」のベース版で、こちらもコンパクトエフェクターのようにそれぞれをオン/オフ(ストンプモード)ができる機能が搭載されています。
そのため、「ここはファンクの音だからタッチワウオン/オフ」「ここはソロで厚みをつけたいからコーラスをオン/オフ」と言った具合にエフェクターを踏み分けられる点が魅力的。
さらに、コンプレッサーやベースプリアンプは常にオンで構わないという場合は、バックペダルをフットスイッチの欄外の前や後ろに置くことも可能。3つのフットスイッチに好きなエフェクターを設置できますよ。
ZOOM MS-60B

「B3n」のフットスイッチを1つにしたようなモデルです。
コンプレッサーやベースプリアンプのように常にオンで構わないエフェクターは、バックペダルのフットスイッチの欄外の前や後ろに置いておくことが可能。そのため、オーバードライブやコーラスのようにオン/オフが必要なエフェクターをフットスイッチに割り当てられます。
どちらかというと、エフェクターボードを組んでいる人で、ピッチシフターやフランジャーのように「10秒ぐらいしか使わないけど、曲のエッセンスには絶対必要なんだよな〜!」といったものを割り当てて置くと便利な印象です。
エフェクターを使いこなして好みの音作りを楽しもう!
初めてエフェクターを導入する人は、最初のうちはマルチエフェクターを使って音作りに慣れる練習をすると良いでしょう。
次第に自分の中である程度の基準が生まれてくれば、コンパクトエフェクターや上位のマルチエフェクターを試したときに音の好き嫌いの判断ができるようになるはず。
それが自分好みのサウンドを作る近道だと思います。
それでは皆さま、良い音楽ライフを。
P.S. エフェクターの機材沼も結構深いのでほどほどに…。