【機材紹介】Suhr Classic
新年あけましておめでとうございます。
(そろそろ、そういう時期でもなくなってしまいましたが、、、)
年明け一発目に何を書こうか迷っているうちに、時間だけが過ぎ、そして時間の経過とともに精神的ハードルも上昇し、余計に書きにくくなる、という悪循環に陥っていた安田です。
ここ最近は記事のネタ探しのために、使っていないエフェクターを引っ張り出し、あれやこれやと試しておりましたが、ここ最近、他のライターさんたちがこぞってギター本体の記事をアップされていたようですので、私も流れに乗る形でギターについて書いてみようと思います。
ご紹介するのはこちら、Suhr Classic。
3シングルPUのスタンダードなストラトシェイプのギターです。
メインギター、というほどここ最近はバンド活動が出来ていないのですが、家で弾くときには、最近比較的手にする機会の多いやつです。
Suhrといえば、元FenderのマスタービルダーのJohn Suhr氏が独立して立ち上げたメーカーで、ギター本体だけでなくアンプやエフェクターなど幅広く手掛けています。
Riotというディストーションペダルは、もはや定番化してますね。
ギタリストの方は身に染みて感じている方が多いと思いますが、エフェクターとは違い、ギター本体はなかなかポンと買いにくいわけです。
金額もさることながら、どうしても場所を取ってしまうので、その部分が特に家族から顰蹙を買ってしまう要因となっているようです。
数年前、三十路の大台に乗った際、せっかくなので記念に何かギター一本欲しい、と交渉し、かなり久しぶりに購入の権利を獲得するに至ったのですが、上記の通りなかなかない機会なので、数か月かけて選びに選びました。
この次買えるのは何年後になるか、ということで半ば命がけですね。。。
その時期の好みもあり、条件は以下で探すことにしました。
・3シングルPUの所謂普通のストラトタイプ
・カラーは2トーンバースト
・アルダーボディ
・メイプル指板
・6点止めシンクロブリッジ
・22フレット
22フレットという部分を除けば、57年あたりのストラトっぽいスペックになるのでしょうか。
今考えると、ストラトは21フレット!と割り切って、通常の仕様でも良かったのですが、それまで22や24フレットのギターをよく使っていたので、21フレットはどうも思いきれなかったといいますか(笑)
この部分でかなり選択肢としては限られてきました。
本家Fenderだと、エリック・クラプトンやジェフ・ベックモデル、アメプロなどモダンな仕様のものに22フレットがあるのですが、ビンテージ仕様+22フレットというものが見つからず、断念。
その他複数メーカー色々探してみましたが、どこも通常ラインだとちょうどいいものが見つからず。。。
安いギターだと結構あるんですけどね。
ちゃんとした製品だと、やはりビンテージをしっかりと踏襲しているものが多いためか、頑なに21フレットのものばかりなんですよね。
そんなこんなでコンポーネント系メーカーに行きついたわけです。
コンポーネント系メーカーのほとんどが、カスタムオーダー製を採用しているため、ある程度仕様に沿った枠の中から好きな構成でオーダーできるんですよね。
もともとModernというシリーズの機種が別で気になっていたので、せっかくだからSuhrでオーダーしてみようと思い立ち、挑戦してみました。
少し前からSuhrもProシリーズという、ある程度仕様を固定した製品群を打ち出し、それであれば少しリーズナブルに購入できるようになりましたが、やはり希望のちょうど良い仕様のものが無かったため、Customラインでいくことに。
ここで気になって、何となく最近の価格を調べてみましたが、
国内価格でProシリーズ30~40万、Customは50~60万といったところでしょうか。
高ぇ(笑)
三十路記念ギターで気合入れて買うとはいえ、さすがにこのくらいになると懐がきつい。。。
そこで、海外のディーラーから直輸入です。
SuhrのAuthorized Dealerの中から割と実績のありそうな、Rocket Musicというところを選択。
Suhr用のオーダーフォームも提供していて、ちょっとした見積もりも気軽にできます。
http://rocketmusic.net/configurator/Suhr.php
ただ、細かい仕様や、ディスカウントを盛り込んだ実際の販売価格に関してはどうしても直接メールでのやり取りが必要になります。
私も不慣れな英語で頑張りました!
先方と、仕様と価格を詰めて、300ドルの前払い金を払えば、正式オーダーとなるのですが、やはりそこはアメリカン。結構おおざっぱな感じなので、向こうから来たオーダーシートはちゃんと確認したほうがいいです。
私の時も3回くらい不備があり突き返しました(笑)
それでもメールのやり取りはあくまで軽いノリで、変に殺伐としない感じがいいですね。アメリカ万歳!
それで無事構成をフィックスできたら、本オーダーです。
ディスカウントで価格は2,500ドルほどになりました。
もちろん安くはない金額です。
当時のレートで26万円くらいでしょうか。
それでも国内の価格と比べると半額くらいですね。
ここまでいけば、あとは首を長~くして待つのみです。
カスタム系メーカーの中では、Suhrは比較的システマティックな生産体制を敷いているようで、オーダー後3か月ほどで完成のメールが届きました。
※メーカーによっては1年くらい待たされることも。。。
そしてRocket Musicさんより『出来上がったぜ!』というメールが入った後、約半月ほどで手元に到着しました。

う~ん、いいですね。
神々しさを感じます。
実際のスペック表はこんな感じになりました。


ある程度ビンテージ感を残しながら、Suhrならではのモダンな要素を取り入れるといった構成にしております。
多少部分部分を紐解いていきますと、以下のような感じです。
[22フレット]
前述の通り気にしていた部分。Suhrの場合は基本が22になります。(Modernは24、また限定物のレリック品とかで一部21あり)
[10-14inchコンパウンドラディアス]
これもSuhrの標準の仕様。
ヘッド側の10inchからハイポジション側の14inchへ、少しづつ平坦になっていく作りですね。
どちらにせよビンテージストラトの7.25inchと比べるとフラット寄りの指板になります。引き心地という意味では格段に良いです。
あくまでビンテージのトーンを求めて、7.25にこだわるギタリストも少なくないですが、私はこっちがいいなぁ。
蛇足ですが、ここ最近、本家フェンダーもビンテージ仕様のモデルも含めて、9.5inchくらいにしているようです。使い勝手の良さでそうなってきたのでしょうが、昔ながらの仕様が消えてしまうのも、それはそれで寂しい気もします。
[Jumboステンレスフレット]
これも既存のストラトタイプではなかなかない仕様でしょう。
テクニカル系だと定番のジャンボフレット。
軽いタッチでも音が出しやすいです。
これまでのギターが割とそっち系で慣れているので、同じ様な弾き心地を求めて採用。
この段階でもう『ビンテージ風』からは結構外れてしまってます(笑)
ステンレスフレット自体は、コンポ系メーカーの場合は比較的定番ですね。
昔使っていた安ギターがすぐにフレットが潰れていたので、減りにくいって安心!
磨かなくても、くすみもほとんど出ないです。
ニッケルフレットとのトーンの違いは、そのうち時間を作って検証してみたいですね。
[SSCⅡ]
まずSSCⅡとは何ぞやということですが、Silent Single Coilバージョン2ということみたいです。(バージョン1に関してはよくわかりません、、、)
シングルコイルPUはハムノイズが乗りやすいのが一つ気になる部分ですが、SSCⅡはノイズ打消し用のコイルを別に埋め込むんですね。
以前より、シングルPUをスタック構造にして、下半分にハムキャンセル用のコイルを埋め込んでいる製品はありましたが、SuhrのSSCの場合は独立した回路となっています。
そうすると、通常のフルサイズシングルPUと組み合わせられるため、通常のシングルPUらしい質感を残すことができ、さらに既存の他メーカーのPUと組み合わせて使用することも可能です。
※スタック構造のものだと、やはりPUの構造自体が違うのでそれはそれで特徴的な音になってしまいます。
前に、BPSSCという製品が単品発売されていたことがありました。
こちらは、バックプレート(トレモロカバー)にこのダミーコイルが取り付けられており、プレートごと換装することによって、SSC搭載用のザグりがない通常のギターにも搭載可能なものでした。
画期的なアイディアですね。
最近見ない&とても値が張っていた気がするのですが、気になる方は調べてみてください。
さてそんなSSCⅡですが、やはり少し高域がスポイルされる感じはあります。
前述の通り、スタック構造のPUを使うよりはいいですが、完全なるシングルコイルPUそのままのサウンドと比べてしまうと、う~ん、といったところでしょうか。
ノイズがない分モダンな響きに聞こえますね。
シングルPUの魅力は、いくらかノイズの交じったジリジリとした高域にあるのかもしれない、と再確認しましたね。
ここで一つミスが。。。
前に、とある楽器店でSSC付きのSuhrストラトを試奏した時、Tone1のポットがpush-pullになっていて、SSCのON-OFFが簡単に出来たんですよね。
それだと、SSCを通したノイズレスなトーンとSSCをオフにしたナチュラルなトーンの両方が使えて非常に良かった。
オーダー表でSSCを追加したらそうなるとばかり思ってたのですが、別途コントロールのところでON-OFF回路を指定しないと、デフォで結線されている感じになっちゃってるんですよね。。。
絶対ON-OFF出来たほうが便利っす。
これからオーダーする方は注意してください!
私もいつかpush-pullポットに換装してやる!!!!
とは言いつつ、SSCのトーンも当然悪いというわけではないです。
ノイズは少なくなるので、使いやすさは抜群です。
目下ONのままでもそれほど困ってないので、まだこのままでいいや~、でまだ手付かずの状態です(笑)
構造上スタック型のPUほどノイズに強くはありませんが、シングルPUらしさがちゃんと残るという点で有用ですね。
なんだかんだOFFに出来たとしても、ライブハウスやスタジオではONで使うことが多いんじゃないですかね。

[Gotoh510 6点止めブリッジ]
我らがGotoh製のフラッグシップブリッジです。細かい部分でFenderのビンテージタイプとは作りが違ってます。
Suhrはロック式トレモロも含めてGotoh製を採用しているようです。
Suhrは以前よりトレモロのセッティングがうまい、と言われており、基本的には2点のものを標準としているようですが、今回はビンテージな雰囲気を残したく6点タイプを選択。
ただブリッジについては未だに私の中で、何がいいかという結論は出ていないんですよね。
6点止めをベタ付けにすると、やっぱりボディが鳴る感じはするんですけど、アームをしっかり使うとなるとフローティングさせたい。
ただどうせフローティングさせるような使い方なら、2点のものの方がタッチがスムーズで良くね?
と堂々巡りです。
色々試してみたいですね。
[Suhr V54ピックアップ]
Suhrのシングルコイルといえば、V60やMLが有名ですが、ビンテージ風のサウンドが欲しくV54を選択。
ビンテージを意識した出力が弱めのシングルコイルです。
枯れ感はあまり感じませんが、これは前述のSSCによるものなのか、そもそもそういうサウンドなのかはわかりません。
良くも悪くも普通な感じなのですが、まぁ狙った通りなので良し。
しかし気づけば、Suhrのラインナップから消えている。。。
Forumを辿ってみると公式のコメントで、ML Classicという製品とほとんど変わらないのでディスコン!とのこと。
一時はML辺りに替えてみようかとも思っておりましたが、ディスコンで今後手に入らないのか、となると妙な愛着が湧き、続投決定。
補足ですが、Suhrの基本的な仕様でTone1はフロント+ミドル、Tone2はブリッジに配線されており、ブリッジ側にもトーンが効くようになってます。
ブリッジPUも少しトーンを絞ると使いやすくなりますね。
長くなってしまったので、一旦この辺で。
当初はビンテージ風のストラトを買おうとしていたはずですが、カスタムメーカーのカスタマイズの自由さというどツボにハマってしまい、あれやこれやと希望を盛り込んでいるうちに、やたらとハイブリッドなストラトが出来上がってしまいました。
とはいえ希望通りの製品に仕上がり大満足です。
早くこれをバンドで使いたいので、誰かお誘いよろしく!
さあて次買うギターは何にしようかなぁ。