アコギの中の万能器!「J-45」の魅力を紹介します!
「アーティストが使用しているアコギを買いたいけど、どれを選べば良いか分からない…」
「あまり予算はないけれど、アーティストが使用しているギターを買いたい…」
そんな悩みを抱えている方のために、今回はアコースティック・ギターの代表であるGibsonの「J-45」について解説します。
J-45は国内外問わず、数多くのアーティストが使用してきた名ギター。
なぜ、J-45が時代を超えて多くの人に親しまれていたのか、詳しく解説していきます。
困った時は「J-45」を選ぼう!
J-45が発売されたのは1942年。 アコースティックの代表的な機種であるmartinの「D-28」に対抗すべく開発されました。
D-28を意識してることもあって J-45のボディはとても大柄。そしてJ-45の「J」はその大柄なボディを表すジャンボ(jumbo)の頭文字です。本体は茶色がかった色味をしており、ビンテージ・サンバーストという名前が付いています。
見た目がとてもロックで男臭さが前面に出たギターのためか、ロック・バンドのボーカリストがよく使用していますね。

また、J-45の軽快なサウンドは様々な音楽のジャンルにフィットします。どんな場面でも利用できるギターであることから、別名「ワークホース(働き馬)」とも呼ばれています。
メーカーはギターの老舗、Gibson
J-45を製造しているのは、老舗のギターブランドであるGibson(ギブソン)です。
ギブソンは、アコースティック・ギターだけでなくエレキギターにも力を入れており、「レスポール」や「ES-335」など有名なギターを製造しています。元々ギブソンは、オービル・ヘンリー・ギブソンがマンドリン製作を始めたことをきっかけにできた会社です。 誕生から100年以上にもわたって多くのメーターを販売してきましたが、2018年には事実上の経営破綻。
しかし、2019年8月現在でもギブソンは新製品を販売し続けており、今後どのような展開をしていくのか注目されているブランドです。また、 ギブソンの新品アコースティック・ギターには、ほぼ全てに標準でピックアップが搭載されており、購入してすぐにエレアコとしてライブで使用できます。
なお、ギブソンの傘下にはEpiphone(エピフォン)というブランドがあり、リーズナブルな値段でギブソンと同じような作りのギターを販売しています。
多数のアーティストが利用している
J-45を利用しているアーティストは、数えればキリがありません。国内外のミュージシャンのほとんどが、1度は所有したことがあると言っても過言ではないでしょう。
J-45を所有している著名な国内アーティストは以下の通りです。
- 吉田拓郎
- 斉藤和義
- 小渕健太郎(コブクロ)
- 桜井和寿(Mr.Children)
- 福山雅治
- 藤原基央(BUMP OF CHICKEN)
- 山崎まさよし
以上のアーティストは、国内でも有数のギター好きとして知られる人ばかり。
多くのアーティストから選ばれているJ-45は、間違いなく名器と言えるギターなのです。
「J-45」の特徴とは
では、なぜJ-45はこれほどまでに人気があるのでしょうか。
その人気の秘密を紐解いていきたいと思います。
思わず掻き鳴らしたくなるようなサウンド
J-45のサウンドの特徴は「低音の利いた甘く歯切れが良いサウンド」 です。真価を発揮するのは、カポタストをつけずにEやGなどのローコードをストロークした時。思わず力が入って、ガシガシ弾き倒したくなります。
低音が響く理由は大柄なボディにあります。
なで肩のような形をした独特なボディは「ラウンドショルダー」と言われ、J-45の特徴の1つとなっています。また、ストロークの歯切れが良い理由は、以下のようにJ-45に利用されている木材にもあります。
- トップ:シトカ・スプルース
- サイド・バック:マホガニー
- ネック:マホガニー(14フレットのネックジョイント)
- 指板:ローズウッド
J-45に使われているマホガニーという木材は、甘くて太い中音域の音を発します。
ピックで掻き鳴らせば力強いサウンドを、指で優しく弾けば甘いサウンドを奏でてくれるのです。
価格帯
J-45の価格帯は、新品で23万円〜24万円程度です。マーティンのD-28よりも10万円ほど安い値段で購入することができます。また、中古であれば10万円台後半で入手することも可能。
プロのミュージシャンが使用しているギターの中では、比較的安価であると言えるでしょう。
J-45の黄金期:1950〜1960年代
実はアーティストが所有しているJ-45の多くは、ヴィンテージもの。
その理由は、ヴィンテージの方が抜群に良い音を発するからです。
一般的に、アコースティック・ギターは長年弾きこむことによって、木材の水分が蒸発し枯れた良い音になります。そして、新品のJ-45は音があまり鳴らない場合が多いことから、多くのアーティストがヴィンテージ物を使用しているのです。
中でも1950年代から60年代のJ-45は、音がしっかり鳴って状態の良い個体が、比較的求めやすい値段で入手できるため、とても人気があります。新品の2倍〜3倍の値段になることもありますが、弾いてみればあまりの鳴り具合に驚くこともあるでしょう。
予算に余裕があるのなら、ヴィンテージのJ-45も検討してみてはいかがでしょうか。
J-45の兄弟、バリエーションたち
最後に、J-45の兄弟器やバリエーションについて解説していきます。
J-50
J-50とは、J-45のナチュラル・フィニッシュ・カラーバージョン。
使用されている木材の種類やボディの形は同じですが、トップの木材(スプルース)がサンバーストに塗装されていない点が最大の特徴です。
塗装せずとも良い色みを発する木材を使用する必要があるため、J-45よりも良いグレードのスプルースが使用されています。
サザンジャンボ
サザンジャンボとは、J-45の上位機種です。
指板のクラウンインレイなど、所々に豪華な装飾が施されている点が最大の特徴。
しかし、サザンジャンボは1962年からハミングバードと同じスクエアショルダーに変更されたため、J-45の上位機種というイメージはあまりないかもしれません。
現在では、J-45と同じ形状のサザンジャンボが新品で売られているため、より豪華なルックスのJ-45が欲しいという場合は、サザンジャンボがおすすめです。
迷ったら「J-45」!
J-45は様々な音楽のジャンルにフィットするギターのため、迷ったらJ-45を選べば良いと言っても過言ではありません。
少し背伸びして、アーティストと同じアコースティックギターを入手したい場合は、まず J-45から試奏してみませんか?
小林だいさく
