ニッチな鯖カレー缶の世界 〜玉置浩二からカレーに合うお酒まで〜

ニッチな鯖カレー缶の世界 〜玉置浩二からカレーに合うお酒まで〜

こんにちは、缶詰好き酒屋の仲川ドイツです。
某ウェブメディアに取り上げていただいた影響で私の勤務する店も缶詰を買いに来られるお客様が毎日いらっしゃいます。ありがてぇ。

改めて缶詰好きな方って意外と沢山いるんだな〜と実感しておりますが、その中でも一番盛り上がっているのはやはり鯖缶。健康に気を使ってなのか水煮は特に人気です。
しかしそんな鯖缶の中でもイマイチ盛り上がっていないジャンルがある。

それは”鯖カレー缶”!!

今回はニッチだけど実は少し歴史ある鯖カレー缶についてのお話です。

コチラもどうぞ↓ 前回記事:所有欲の森 〜缶詰×カセットテープ〜
https://musit.net/music/item/3318/

きっかけは高木商店

そもそもきっかけはこんな感じ。
職業柄、仕事の帰り道に市場調査も兼ねて他の食料品店に寄る事が多いのですが、その日は上野エキュート内にあるKINOKUNIYAに立ち寄りました。缶詰の棚を眺めると見慣れない鯖カレー缶を発見。

パッケージには”KINOKUNIYA”の表記がありPB商品であることがわかるけどこのサイズ、この佇まい!製造元はもしや?


高木商店!

いやー、ワタシ高木商店大好きなんですよ。高木商店の工場は茨城県神栖市にありまして、利根川を挟んで銚子港のすぐ向かいにある。銚子港で揚がった魚をすぐ工場に持ち込んで缶詰に詰めて調理ができる。
意外な話かもしれませんが美味しい缶詰の第一条件は魚の鮮度だと私は思っています。
高木商店の缶詰は良い素材を使ってどれも臭みなく、味付けも絶妙。特に酒呑みの気持ちに応えるおつまみ缶詰が素晴らしいメーカーです。

今回はそんな高木商店の鯖カレーと、せっかくなんで他メーカーから出ている鯖カレーの食べ比べレビューしてみようと相成ったわけでございます。

KINOKUNIYA さばカレー煮

まずは今回の本命のコチラ。

早速開缶してみるとゴロゴロっとした大きな鯖の身が2つ、ルーに浸って缶いっぱいに入ってます。他の具は無し。
味わいはトマトと玉ねぎの風味の溶け込んだ円やかなベースに白胡椒などのスパイスが効いている。レトルトカレーで言うなら中辛程度の辛さかな。これは白米が欲しくなる!

美味しい、とても美味しいのだけど高木商店にしては鯖の脂のりがちょっと少ないかなと思ってしまいました。(高木商店好きすぎてどうしてもハードルが上がってしまう…)
しかし臭みがなくふっくらとした仕上がりはやはり高木商店!流石です。

(と書いていてそういえば高木商店ブランドでも鯖カレー缶出していたなと思い出しました。多分中身は一緒なのだと思います)

缶詰の音楽

musitは音楽情報サイトなので缶詰食べながら聴きたい音楽も紹介しときましょう。一応ね。

クラウドロックバンド、ドイツのCANが1972年にリリースしたアルバム”EGE BAMYASI”。
見ての通りジャケットがオクラの缶詰です。

この次のアルバム”FUTURE DAYS”に繋がるしなやかさな演奏と前作TAGO MAGOからのダウナーな雰囲気と実験性が結びついた良盤。ヤキ・リーベツァイトの空気のように軽やかなドラムプレイは食事を邪魔せず良いのではないかと。
CANの代表曲とも言えるB面1曲目の”Vitamin C”では「アンタ、ビタミンC無くしちゃってるよ!」とダモ鈴木が歌ってますよ。とりあえずレモンサワー飲みながら続けましょう。

信田缶詰 サバカレー

鯖カレー缶といえば一番有名なのはこの缶詰。

開缶してみると少し黄色味がかったひたひたのルー。そしてジャガイモと人参が見えます。鯖の身は一口大にカットしてあり、衣を付けてフライしてあります。ルーは家庭のカレーのようなアレ。甘口~中辛の辛さ。

鯖の身を食べてみると少し硬めながら噛み締めることによってジュワジュワと溢れる脂が口中でルーと絡んでまろやかで美味しい。ふやけた衣の食感も良い。カレー味の鯖缶ではなく、これはサバカレーという食べ物。素晴らしい。

 

ところで。
この信田缶詰のサバカレー。一番有名と書きましたが本当に有名になった時期が過去にありました。

皆さんは1996年にフジテレビ系で放送されていた「コーチ」というドラマはご存知ですか?

千葉県銚子市または旭市付近の九十九里浜の缶詰工場が舞台。東京の大企業・伍代物産から派遣された久保田渚が工場の従業員と共に工場の建て直しに奮闘する、群像劇を主体とした連続ドラマである。<wikipediaより>

 

このドラマは若手スター俳優・女優が出ているわけでもなく、非常に素朴なストーリーながら最終話21.5%と大ヒット。

そしてこの物語の中で缶詰工場の立て直しのキーアイテムとなったのがなんとサバカレー缶。
鯖+カレーという一見ミスマッチに思える組み合わせ。
この架空の缶詰を見事に商品化したのが信田缶詰のサバカレーでした。発売当時は生産が追いつかない程の物凄い人気の大ヒット商品だったそうです。新潟の片田舎でこのドラマを見ていた少年の私も「サバカレー缶食いてえ!」と思ったものでした。

ということでここからはCANではなく、このドラマの主題歌である玉置浩二の「田園」を聴きながら読んで頂ければ幸いです。

マルヌシ 八戸サバ缶バー グリーンカレー味

38CAN BARと書いて鯖缶バー。
青森県内、もしくはアンテナショップなど青森県関連のショップのみでの限定発売の商品だそうです。
これはシリーズ全6商品ある中のグリーンカレー味。

開缶してみるとルーに浸ってゴロゴロっと幾つも鯖の身が所狭しと入っている。部位は腹身、尻尾の方と色々。他の具は無し。
グリーンカレーのルーは本格的。ナンプラーも入ってるけど鯖からも良いダシが出ていて深みがある。ご飯にかけてもいいけれど単品でも楽しめるギリギリの塩加減と辛さに仕上がってます。肝心の鯖も皮下脂肪たっぷりで良いクオリティ。
オシャレなカフェとかで出てきても全然OKなクオリティですね。これが五百円弱で買えちゃうんだから凄いわ。

カレーに合うお酒は?

カレーにはどんなお酒を合わせたらいいですか?という質問を結構頂きます。

例えば一番最初の高木商店のようにトマトを使ったカレーなら私は芋焼酎の濃いめの水割りをお勧めしています。日本酒ならば少し酸の効いた純米酒。雄町(という酒米)で造ったふくよかな味わいのものなど良く合いますよ。

他に香味野菜の優しい旨みが活きたスパイスカレーにはスパイス繋がりでコリアンダーの効いたベルジャンホワイト(ベルギーの小麦ビール)ナンプラーの効いたグリーンカレーにはロゼワインがびっくりするくらいよく合います。
いわゆる家庭のカレーならギネスなどのドライなスタウト(黒ビール)がgood。

最後に

鯖カレー缶レビューどうでした?食べたくなったでしょ?
今回レビューした他にも大手のマルハニチロからも発売されてますし、日本全国はまだ見ぬ鯖カレー缶があるはず。
是非探して食べてみてください。

なお、私の勤務する店には鯨カレー缶はありますが鯖カレー缶は置いてないということにこの記事を書いていて気づきました。精進します。

仲川ドイツ