北は北海道、南は沖縄まで日本全国にメンバーを擁するジューク／フットワーク・クルー、vibes only crew。2024年に結成10周年を迎え、コンピレーション・アルバム『v.o.c EP4』のリリースを記念したパーティー『v.o.p vol.20』が、9月28日（土）に渋谷club asiaで開催される。
<blockquote>Vibes Only Crew(v.o.c)はJukeが好き！という人や、うまく踊れないけどFootworkしたい！という人々が集うクルーです。加入方法は簡単。なんと名乗るだけ！
── <a href="https://x.com/voc_fwk/status/637788555872342016" target="_blank" rel="noopener">https://x.com/voc_fwk/status/637788555872342016</a> より</blockquote>
2010年台前半に新たなアンダーグラウンド・ダンス・ミュージックとして脚光を浴びたジューク／フットワーク。難易度の高いダンス・ムーヴに複雑なリズムのビートと、その情報の少なさから閉鎖的で敷居が高いと思われがちだった同ジャンルが、ここ日本では本場シカゴに次いで盛り上がりを見せる土地であると世界中から思われているのは彼らのおかげかもしれない。今回はv.o.c主宰であるbonoに、クルーの始まりから10周年パーティー開催に向けた思いを聞いた。
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──自分はジューク／フットワークでDJしている身なので、bonoさんをはじめv.o.cのメンバーとは長い知り合いですけど、いつ結成されたのかあまり分かっていないので教えてもらえますか？
bono　初めはジューク／フットワークが好きないち音楽ファンとしてパーティーに通ってました。そこで遊んでいるうちに、ダンサーのTakuyaさんとかWeezyさんが「踊ってみなよ」ってフットワークのステップを教えてくれることがあったので見よう見まねで踊ってたんですけど、『Battle Train Tokyo』っていう日本初のフットワーク・トーナメントが開催されることになったので（2013年）、自分と同じような初心者と賑やかしで参加しようとなって。その時のトーナメントでMCをしていたKent Alexanderさんに自分たちの踊りについて「バイブスオンリーなダンスでした！」って評されて。笑　それが名前の由来になってます。
──結成もその日に？
bono　後日違うパーティーでみんなに会った時ですね。「バイブスオンリーなクルーがいても良いんじゃないか？」って話になり結成しました。略称の「v.o.c」は、シカゴで有名なダンス・クルーで「H.a.V.o.C」っているじゃないですか。そこを真似して。偽物感あって良いなと。笑
──そうだったんですね、初めて知りました。笑　その時はまだv.o.cとしてDJはしてなかったんですよね？
bono　してないですね。パーティーに行って、できないなりにフットワークする活動をしてたくらいで……ってこれ、活動なのか？笑
──そもそもクラブには通ってたんですか？
bono　全然行ってなかったです。昔は神奈川の郊外に住んでいて渋谷とか新宿まで遊びに行くことも少なかったし、邦ロックとかは聴いてましたけど、クラブ・ミュージックは触れてこなかったですね。
──何か出会いが？
bono　通っていた大学に、D.J.Kuroki Kouichiさんが講師としていたんですよ。すごく仲良くしてくれていて「今度DJやるから遊びに来なよ」って誘われて遊びに行った先で鳴っていたのがジューク／フットワークでした。そこで面白いなと思ったのがきっかけで色々聴いたり遊びに行って広がっていった感じですね。
──当初のv.o.cは客として楽しむことに特化したクルーでしたが、今ではDJやパーティー開催と、楽しませる側にも回るようになりました。これは何かきっかけがあったんですか？
bono　「自分たちが好きにブッキングしたパーティーをやりたい」っていうのがきっかけでしたね。それで、パーティーやるんだったら主催側からの出演者もいた方が良いだろうってことで、既に音楽やってるメンバーたちを中心にDJ活動も始めました。パーティー自体も1回だけのつもりだったんですけど、その後も何だかんだやることに……。
──気がつけば10年経っていて、月末にはasiaでパーティーをやると。笑
bono　主催パーティーはずーっと不定期でやって来たんですけど、9年目の2023年は少し気合い入れて季節ごとに定期開催してみて、その時から10周年は規模の大きいところでちゃんとやろうって意識してました。10年も経つとお客さんも演者も顔ぶれが変わっちゃうことが多いと思うんですけど、新旧の顔ぶれが一同に会するようなパーティーにしたいなと。
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──では、その10周年パーティーに出演するラインナップの紹介を簡単にお願いします。
64controll 
zéneくんとU-kohくんによるDJユニットで、ジューク／ゲットー・テックを中心にプレイする超新星です。界隈では若手ですけどバリバリ活動してます。v.o.pの準レギュラー的存在でもあるので、今回ももれなく参加してもらうことにしました！　何が飛び出してくるかわからない2人のB2Bを楽しんでほしいです！
Ace-up 
僕がジューク／フットワークのパーティーで遊び出した頃から活動していて、SHINKARONというレーベルのオーナーでもあります。自分の中ではシーンのキーマンでもある外せない1人です。いつもレーベル秘蔵の音源をプレイしてくれるので今回もそこを期待してます……！
CRZKNY 
v.o.c結成時からクルーのテーマ曲だったり、コンピレーションだったりガンガン曲を提供してくれていて、CRZKNYさんがいなければここまでv.o.cは続いてなかったかもしれないという重要なアーティストさんです。今回のブッキングでは一番最初に声をかけました。デカい会場のデカいスピーカーでのライブがめちゃくちゃ楽しみです。とにかく低音を出して物理的にブルブル震わせてほしいです！笑
D.J.Fulltono 
日本ジューク／フットワークの始祖ですよね。ズブズブの沼テクノ・プレイから、独特なグルーヴで上げてくれる超アッパーでハッピーなセットまでなんでもできちゃうので、当日はどう来るのかとても楽しみにしてます。
D.J.Kuroki Kouichi 
自分をこの世界に引き込んだ張本人にして、シカゴ・ハウスの伝説的レーベル、Dance Maniaのカタログをコンプリートするという偉業を成し遂げた人物です。DJも間違いなくて、過去に名古屋のGOOD WEATHERでv.o.pを開催した時のプレイでは、クラップ音1つ鳴らしただけでフロアにいた女の子たちの悲鳴に近い歓声が上がる神懸かったプレイが本当にすごかったです。笑　是非みんなにも現場で体感してほしいです！
Fetus 
TREKKIE TRAXからリリースもしているBASS系の若手DJです。自分とは違う世代の人を呼ぶためにピックアップしました。クリエイターとしてもすごいのですが、DJとしても素晴らしいので当日は是非チェックしてください！
Glocal Pussys 
自分が客として足繁く通ったDJチームです！　メンバーが全員女性でシャンパン・ガールもいるっていう珍しい構成なのですが、パーティー特化型スタイルで超盛り上げてくれます。いつもDJ中にシャンパン開くのが恒例ですが、今回は何本開くのかも見どころです。笑
NATURE DANGER GANG 
自分がとても影響を受けている『SHIN-JUKE』と『SCUM PARK』によく出ていて、夢中で追いかけていたバンドです！　今は活動休止中なのですが、どうしても出てほしくてお願いしました……！　メンバーが大勢いますがそれぞれのパフォーマンスが最高ですので、遊びに来る方は頑張って全員見逃さないようにしてください。笑
Oyubi 
v.o.cのメンバーとして何年も一緒にやってくれているんですけど、プロデューサーとしてもDJとしても間違いないです。今の関東ジューク・シーンの顔だと思ってます。いつかのクロージングDJのプレイが素晴らしかったので、今回はメインのトリをお願いしました。是非みんなにも最後まで残って聴いて行ってほしいです。
Portal 
『Soundgram』というUKレイヴ・サウンドを主体としたパーティーを主催されていて、自分の周りはジュークといえば本場シカゴのものをプレイする人が多かったんですが、PortalさんはUK経由のジュークを教えてくれた人です。なのでレイヴ感のあるジュークを当日聴けるのを楽しみにしてます。
Seimei 
言わずもがなTREKKIE TRAXの主要メンバーで、ジューク／フットワークに造詣が深く作品もリリースもしてます。v.o.cのことも昔から応援してくれてた縁もありますし、最近のテクノに寄ったスタイルも今の自分が聴きたい感じですごくマッチしているのでブッキングさせていただきました。
SEKIS&DIKE 
レーベル、ONEDAYRECの顔でもある2人です。自作曲のセットがめちゃくちゃいいのですが、DIKEさんは世界的に見ても類をみないレゲエ・ジューク、SEKISさんはベッドルーム向けなチルいジュークを作ってたり、とてもユニークなスタイルの2人なので是非チェックしてほしいです。
TYO GQOM 
ジャンル的にはちょっと違う路線になリますが、KΣITOさんやMOROさんとか、この10年自分が遊びに行っていたパーティーではお馴染みの人がいるクルーなので、この日も一緒に迎えたくてブッキングしました。自分は最近ジューク以外だとGqomやAmapianoがプレイされるパーティーによく遊びに行くので、一緒に遊ぶのもプレイが聴けるのも楽しみです！
yumip 
数年前、下北沢CREAMで開催されたゴルジェのイベントで最もゴルかったDJです。2014年あたりはなぜかジュークとゴルジェってよく共演していたジャンルだったので、その雰囲気も欲しいなぁと思ってゴルジェでのプレイをお願いしてます！
シカゴすきすきボーイズ 
D.J.Aprilさんとunaさんによるゲットーなハウス・テクノを中心にかけるDJユニットです。ゲットーなサウンドがキーワードでもあるこのパーティーにピッタリな2人なので、間違いなく盛り上がると思います！
プロハンバーガー 
プロハンバーガーさんは近年の魔改造シリーズも最高ですが、今回ファンコットでお願いしました。ファンコットはゴルジェと同じくあの頃ジュークと関わりのあったジャンルなのでお呼びできて嬉しいです。今回は1F Barでプレイしてもらいますが、「ラウンジでも休ませないぞ！」という意気込みでのブッキングです。笑
増田優作 
今回のラインナップの中では割と最近知り合ったDJなんですけど、レコードオンリーでのプレイも多くてすごくこだわりを感じます。しっぽりしたプレイもガシガシに攻めるプレイもできちゃうので当日はどっちで来るのか楽しみです。あと彼の独特な人柄、バイブスも大好きです。笑
多様な価値観 
Oyubiくん推薦枠。最近Oyubiくんが若い子たち中心のジューク・パーティーに出演した時に一番良かったと言っていたDJですね。自分もこの日が初見になるのでめちゃくちゃ楽しみです。
半畳JUKE 
v.o.c tokyoのライバルですね。過去に金沢のパーティーにブッキングいただいたこともあって、そのお返しって訳ではないですけど今回も絶対参加してもらおうと思っていたのでブッキングしました。
v.o.c tokyo 
我々ですが、当日のオープニングを務めます。毎回打ち合わせなしでB2Bするので毎回びっくり玉手箱方式で大変なんですが頑張ります！
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──では最後にパーティに向けたメッセージをいただけますか？
bono　家庭でも職場でもない居場所、という意味で近頃使われる「サード・プレイス」って言葉がありますけど、自分にとってクラブはサード・プレイスなんです。通ってるうちに顔馴染みができて、友人になったり、はたまた自分含めて結婚する相手と巡り合う人もいたりとか。音楽を楽しむだけでなく、自分の生活圏では接点のないような人たちと交流できる場所がパーティーなんだ、と考えてます。今回は10周年のイベントなので同窓会感も強いんですけど、今まで関わったことのない人も、普段クラブには出向かないような人も気軽に遊びに来てくれると嬉しいですね。知り合いがいなくて行きづらいよ、って方はSNSでv.o.cを名乗ってください。笑　そしたら自分含めたv.o.cのメンバーも話しかけやすいですし、もう仲間ですから。
<h2>INFORMATION</h2>
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v.o.p vol.20 
Vibes Only Crew 10th anniversary & v.o.c EP4 release party
2024/09/28（sat） 
23:00〜 at club asia
Door ¥3,500 +1drink 
Adv ¥3,000 +1drink
Adv ticket： 
<a href="https://cultureofasia.zaiko.io/item/366418" target="_blank" rel="noopener">https://cultureofasia.zaiko.io/item/366418</a>
✸LINE_UP 
64controll 
Ace-up 
CRZKNY 
D.J.Fulltono 
D.J.Kuroki Kouichi 
Fetus 
Glocal Pussys 
NATURE DANGER GANG 
Oyubi 
PortaL 
Seimei 
SEKIS & DIKE 
TYO GQOM 
yumip 
シカゴすきすきボーイズ 
プロハンバーガー 
増田優作 
多様な価値観 
半畳JUKE 
v.o.c tokyo

1992年、札幌生まれ。シューゲイズに特化したメディア&プラットフォーム『Sleep like a pillow』主宰。

對馬拓

クラブはサード・プレイス──10周年のvibes only crewが仕掛ける日本ジューク／フットワークの一大夜市『v.o.p vol.20』堂々開催！

Ace-up

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クラブはサード・プレイス──10周年のvibes only crewが仕掛ける日本ジューク／フットワークの一大夜市『v.o.p vol.20』堂々開催！

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