【インタビュー】映画『シャーマンの娘』──監督/脚本・井坂優介 × 劇伴・死んだ僕の彼女のタッグで描く、心霊映画の新たな地平

【インタビュー】映画『シャーマンの娘』──監督/脚本・井坂優介 × 劇伴・死んだ僕の彼女のタッグで描く、心霊映画の新たな地平

“人と幽霊、善と悪の境界を貫く、新たなダークヒロイン”というキャッチコピーと、何やら穏やかじゃないヴィジュアル・イメージが妙に興味をそそる、新感覚心霊映画『シャーマンの娘』。池袋シネマ・ロサでの上映は2022年12月2日で終わってしまったが、2023年1月7日(土)〜13日(金)までは大阪のシアターセブン、続いて名古屋のシネマスコーレ(スケジュール未定)でも上映が決定している。

それにしてもこの映画、ちょっとマジでヤバい。まずは多くを知らずに鑑賞した方が楽しめると思うので、あえて言葉足らずな感想で申し訳ないのだけど。

「シャーマン(shaman)」とは

神や精霊との直接接触からその力能を得、神や精霊との直接交流によって託宣、予言、治病、祭儀などを行う呪術(じゅじゅつ)・宗教的職能者。
──佐々木宏幹著『シャーマニズム──エクスタシーと憑霊の文化』(1980・中央公論社)より抜粋

現代の日本では東北地方のイタコ、沖縄県のユタなどの民間霊媒師がシャーマンの一種とされている。ただ、この映画におけるシャーマンは霊媒師というよりは、金銭と引き換えに霊を見させる存在として登場するというのも面白い(あらすじでは“祈祷師”と呼称されている)。そして、その祈祷師の娘であるヒロインの赤星海花は、悪霊だろうが心優しき霊だろうが何でも除霊してしまう悪趣味の持ち主。

『シャーマンの娘』の監督/脚本の井坂優介氏は、元アニメ制作会社勤務という経歴を持つ。例えば庵野秀明氏のように、アニメと実写映画を行き来するクリエイターもいるが、どちらかと言えば珍しい存在だろう。そのアニメ制作会社に勤務しながら制作した初監督の実写短編作品『幽霊アイドルこはる』は『ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2015』に入選。その後も短編作品を立て続けに制作し、今回の『シャーマンの娘』が初の長編実写映画とのこと。

今回は、そんな稀有な存在である井坂監督にインタビューを実施。また、本作の主題歌や劇伴を担当した、死んだ僕の彼女のishikawa氏からも楽曲や映画についてのコメントを寄せてもらった。

インタビュー/文=仲川ドイツ
編集=對馬拓

* * *

何より「ホッとした」という安堵感

──まずは、池袋シネマ・ロサでの2週間の劇場公開お疲れ様でした。『シャーマンの娘』は、2014年にテレビアニメを想定して書かれたシナリオからスタートして、クラウドファンディングなども行って制作されました。また、撮影期間中にコロナ禍に突入して撮影中断も余儀なくされ、やっと一般公開まで辿り着き、感慨もひとしおかと思います。東京での上映を終え、続いて大阪、名古屋での上映も発表された今の率直な気持ちを教えてください。

井坂優介監督

嬉しい気持ちもあるんですけど、何より「ホッとした」という安堵感が一番ですね。これまで短編映画ばかり作ってきて、今回が初の長編映画だったんですけど、映画監督としては短編と長編って全然違うもので、「やっぱり長編映画を撮ってこそ」っていうところがどうしてもあると思うんですよね。長編映画じゃないと劇場で公開されづらいですし。

──確かに監督としての力量も試されますから、そういった部分もありますよね。

今回は特に長い時間をかけて作ったというのもありますが、インディペンデントな映画だったのでお金の工面とか色々なところでも苦労して。関わる人へのやりとりも自分がほぼ全部、直接連絡したんです。(関係者の規模が)広がっていくにつれて「ちゃんと劇場公開まで持ってかないといけない」という責任感みたいなものが段々膨らんできて。しかもクラウドファンディングを実施して、138人の方が支援してくださっていたので、その方たちに対しても「ちゃんと劇場公開しましたよ」ってところまで持っていかないと顔向けできない。なので、各地で劇場公開が決まって「ホッとした」っていう気持ちが大きいですね。

──クラウドファンディングで集まった138人、総額で約250万円はすごいプレッシャーですよね。

これでお蔵入りなんて言ったら、もう一生映画撮れないですよね。笑

──でも、観に行った日はお客さんもたくさん入ってましたし、上映後の舞台挨拶でもお客さんの熱量がすごかったですよね。この勢いのまま大阪、名古屋と続いてほしいですし、SNSでは高崎だとか、まだ決まってない土地での上映を希望する声もあります。

そうですね、どんどん先に繋がっていってほしいなと思いますね。

目指したのは明確に「美少女ゲーム」

──主人公の赤星海花は「幽霊殺し」が趣味という、めちゃくちゃ悪趣味なヒロインになってます。「女子高生×武器」というテーマは『セーラー服と機関銃』など前例はありますが、海花の武器である金属バットは殴られた痛さが想像できる点で、機関銃なんかよりもっと現実的な暴力性があります。ただし、殺す対象が幽霊という非現実な存在。どうやってこんなブッ飛んだキャラ設定を思い付いたんですか?(注:金属バットはスポーツ用品です。)

確か、ある時パッとひらめいたんです。笑 例えば、美少女ゲームには「実はヒロインが幽霊だった」というエピソードがよくあって私は好きなんですが、そういえば映画でも『ゴースト/ニューヨークの幻』や『黄泉がえり』みたいな、泣ける幽霊モノはジャンル化しているなと。私は捻くれ者なんで、その定説を裏切りたくて色々考えているうちに、「幽霊殺し」という心優しき幽霊を暴力的に成仏させる展開を思い付きました。泣ける幽霊ものでも悪霊祓いでもない、観たことのない展開が描けるんじゃないかと。そこからシナリオにしていくうち、「そもそも幽霊を殺すことは悪いことか?」という海花の考え方に通じる疑問が生まれて、テーマとして深まったという経緯ですね。ちなみにシナリオを書いていた2014年当初、海花は「女装した美少年」という設定でしたが、実写化する上で女子高生に変えました。

──女装した美少年!? その設定もめちゃくちゃ面白そうですね。そして、この作品はホラー、ナンセンスコメディ、ラブロマンス、ヴァイオレンス、フェティッシュなど、挙げればキリがないくらい色々なエッセンスが詰め込まれているのが大きな魅力の1つだと思います。井坂監督自身は、11月26日の舞台挨拶で「観る人を選ぶ作品」と仰っていましたが、わずかながら暴力的な描写を除けば、様々な要素が観る人それぞれにフィットする、色々な人に刺さる作品だと思いました。

仰る通り、この映画って色々な要素がある映画で、一括りに「ホラー」や「コメディー」って言えないのが特徴だと思うんですね。そういうスタイルにしたいのはシナリオの段階から決まっていたので、その完成図を目指して作っていきました。

──様々な要素をバランスを取りながら1つの映画にまとめる上で、特に大変だった点はありましたか?

色々な要素をごちゃ混ぜに楽しめて、それでいて映画として成立するっていうのは、そもそも短編映画を作っていた頃からの自分の作風です。今回もそのスタイルでやりたかったので、難しいところですが迷いはなかったですね。例えば、シリアスなシーンだけど間にちょっとギャグを挟むとか。観る人によって「ギャグはいらない」という意見もあると思うんですけど、自分的には「このバランスが最適」って感覚は常にあって。それを信じて「もうちょっと気を抜いてやってほしい」とか「ここはシリアスにやってほしい」とか、演者とも共有しながら撮影していきました。「シャーマンの娘感」を作っていくのが1番楽しいところだったので、(バランスを取るのは)特に苦労はしなかったですね。

──上映時間は139分で、映画としてはかなり長い方だと思いますが、実際に観ると長いとは感じず、カット割りやセリフのテンポの良さが冴えていました。あえて言うなら役者さんに演技をさせすぎないところは、アニメ業界出身の監督ならではの判断なのかなと私は思いましたが、ご自身ではどう思いますか?

やっぱり、普通の実写の邦画とはトーンがちょっと違うんです。『シャーマンの娘』っていう作品のトーンがあって、それがアニメっぽかったりするんだと思います。実写の役者さんの生々しくてリアリティー溢れるお芝居を描き切る作品とは正反対の映画だと思うんです。

2022年11月26日 池袋シネマ・ロサでの上映後舞台挨拶
撮影:仲川ドイツ

「演技をさせすぎない」っていうのは、見方としてはそういった印象を持つ方もいると思います。分かりづらいかもしれませんが、目指したのは明確に「美少女ゲーム」なんですよね。自分は中学から大学まで、アニメやゲームなんかのオタク文化にずっと触れてきてたんです。特にゼロ年代のゲームやオタク的なコンテンツをたくさん吸収してきて、その中でも一部の作品群からの影響を強烈に受けていて。そこへのリスペクトが常にあって、アニメを作る時でも、シナリオを書く時でも、映画を作る時でも、その雰囲気みたいなものをずっと引きずってるんですね。実写映画を撮る時ですら、その空気感みたいなものを纏わせたいと思ってます。美少女ゲームに出てくる女の子のキャラって、例えば話し方とかもリアルな女の子とは違うんです。アニメのキャラもそうですよね。

──確かにそうですね。

アニメに限らず、舞台っぽい芝居をしてリアリティーから外れるとか、パターンは色々あると思うんですけど。自分の場合はゲーム的なキャラクター表現をするために、リアルから少し外れる芝居を要求する、ということです。例えば、海花っていうキャラクターは感情をあまり表に出さないので、最初は感情豊かでイントネーションもはっきり発声してたんですけど、「もっと淡々としてくれ」ということを伝えました。もちろん必要なポイントでは演技も必要なんですけど、基本的には「ヒロインは無表情でお願いします」とか、よく言ってましたね。そういう演技の方向に持っていったので、普通のリアルなお芝居、感情豊かなお芝居を見せる映画とは異なった印象に繋がるのかなと思います。

──とはいえ、手塚眞さんや荒川ヒロ子さんなどベテラン俳優さんたちの演技には引き込まれますし、特に東条健悟役の長野こうへいさんは、表情での表現やスクリーンを通しても伝わる殺気には感動しました。

演技はキャラクターによって使い分けています。例えば、山吹可奈っていう後半に出てくる女子高生の子がいるんですけど、彼女は幽霊でもなければ幽霊殺しでもない。思春期で若干拗らせてるところはあるけど、ヒロインの中では一番「普通の女の子」。でも実は難しい役どころで、残虐な幽霊殺しを依頼する設定なんです。でも、最終的にはやっぱり普通の女の子で、とあるシーンでは感情が噴き出すリアリティーのある泣きのお芝居を要求したり。

──ちなみに美少女ゲームという話が出ましたけど、可奈のお兄さん(山吹祐樹)は井坂監督ご自身が演じてましたよね。「彼がゼロ年代美少女ゲームを論評した同人誌はコミケで50部売れた」っていう設定がパンフレットにありますが、売れた数としては多いんですか? 少ないんですか?

どっちとも言えないです。笑 めっちゃ売れたわけでもないけど50部売れたっていう。コミケに出店して50部ってなかなか売れてないんじゃないかな。それなりに読んでる奴がいるっていう。

死んだ僕の彼女の曲をリピートで聴きながらシナリオを書いていた

──本作は劇伴/主題歌/挿入歌をシューゲイザー・バンド、死んだ僕の彼女が担当しています。健悟と幽霊になって現れたさゆりが生活するシーンをはじめ、全編を通して彼らの楽曲がストーリーをブーストしていきます。「死んだ僕の彼女」というバンド名だけでなく、彼らの歌詞にも「死」や「少女」がモチーフとして頻繁に使われており、『シャーマンの娘』とも繋がりが感じられます。彼らに音楽を依頼した経緯を教えてください。

この映画の元のシナリオを書いていた2014年頃、タワレコの試聴機で死んだ僕の彼女と出会いました。まず「死んだ僕の彼女」っていうバンド名からして引っかかる。それで聴いてみたら、歌詞とか音楽の世界観が刺さって、その時に書いていた(本作の元となる)シナリオにも刺さって。自分が元々好きだった色々な要素にも合致していて、非常に衝撃を受けてアルバムを買いました。

死んだ僕の彼女

映画の中で、ミュージシャンを目指している健悟という青年に、海花が言い放つとある台詞があるんですけど、それは死んだ僕の彼女の曲をリピートで聴きながらシナリオを書いていたのもあって、面白半分で入れました。それから何年か経って、本当に長編映画を作る段階になって当時のシナリオを読み返したら(その台詞が)そのまま入ってて。

──あのシーンはグッとくる反面、なかなかエグかったですね……。

それと、彼らの「watashino aishita manatsu no shinigami」って曲がすごくエンディングのイメージに合っていて。それでタイアップの相談をしようと思いメールフォームから連絡しました。返信が来て「一度お会いしましょう」という話になり、メンバーのishikawa(Vo. Gt.)さんとkinoshita(Gt.)さんと新宿の喫茶店でお会いして、「こんな話なんですよ」と熱く語っているうちに「是非!」となりました。その後、2回くらい会った時に「タイアップじゃなくて映画のために曲作りませんか?」「劇伴も挑戦してみようかな」みたいな話になって「いいんですか!?」と。笑

劇伴とか書き下ろしの主題歌という形で実現してしまって、こんな夢のような話があるのかと。シナリオを書いていた当時の僕の構想がそのまま現実になっちゃう、っていう。本当に熱い出来事でした。実際ぴったりだと思うんですよね。

──死んだ僕の彼女は、これまで映画に楽曲を提供したことはありましたが(※)、劇伴は初挑戦で、どんなアプローチで来るのか観客としても未知数でした。実際に映画を観ると、死んだ僕の彼女の音楽性や世界観、例えば儚いヴォーカルだったり、「死」というワードがしょっちゅう出てくるナンセンスな歌詞、轟音というサウンドの暴力性、そういった部分が映画とぴったりハマってました。

※映画への楽曲提供は、長谷川億名監督『DUAL CITY』(2015)に続いて2作目。

ありがとうございます。彼らの音楽性が作品とマッチしていると思いますね。作品のテーマ的なところともすごく合うし。依頼して良かったなと思います。

むしろアニメ的な声質の方が面白みとして活かせる

──マッチしていると言えば、主演の木原渚さんですよね。影を纏った雰囲気や目力の強さなど、主人公「赤星海花」のキャラクターにどハマりですし、主役という以上にこの映画の象徴的存在だと思います。オーディションでの彼女の印象を教えてください。

まず応募がメールで来て。その時点で、実際に会うか会わないか決めるために「どんな人かな」って調べるんですけど。会ってみようと思った理由は色々ありますが、まず目つきなんかも含めた海花になりうるヴィジュアルですね。明るい写真もあればダークな雰囲気の写真もあって。ダークな方向性であれば海花のイメージに合う、っていう印象がありました。あと、彼女はかつて声優とかドラマCDなど声のお仕事をしていらっしゃったので、アニメ声のような声質をしていたんですね。

──少し鼻にかかったような声質ですよね。

そうですね、とてもキュートな声質で。通常のリアルな設定の作品だと避けられてしまうかもしれないんですけど、自分の作品にはむしろアニメ的な声質の方が面白みとして活かせるので。この声質でダークな雰囲気でいけば、棒読みっぽく読んでも棒読みにならないで、良いバランスになるかなと。そんなことを思って実際にお会いしたら、こんなこともできます、あんなこともできます、ってグイグイきて、すごく熱量のある子で。そんなこともあって海花役に決まりました。それまで海花役が全然見つからなかったんですよね。

撮影:仲川ドイツ

──ところで、私はmusitで「お酒×音楽」の記事を多く書いているのですが、『シャーマンの娘』には実在する日本酒の銘柄がいくつか日常のアイテムとして映っていたのが個人的に気になりました。日本酒は意識的に小物として取り入れたのでしょうか?

特に意識はしてないですね。飲んだくれてしまっている健悟のシーンがあるんですが、この映画は美術さんがいなかったので、撮影の前の晩にとにかく缶チューハイを飲みまくって空き缶をばらまいたり、一升瓶を持ってきてくれる方がいたり。あと、海花の自宅に半紙がいっぱい貼ってあるんですが、下ネタとかに混ざって「八海山」とか書いてあるのは制作の人のセンスというか。なので、日本酒に意味があるってことはないです。私自身はお酒は好きですけどね。

──さゆりの実家のお寿司屋さんにもすごく良い銘柄のメニューが貼ってありましたけど、あそこは実在するお寿司屋さんの店舗をそのまま使わせてもらったんですよね。

そうなんです。そのまま貼ってあるものを活かしたって感じです。

──あのお店は井坂さんがよく食べに行かれるお店なんですか?

いや、あの撮影の時だけです。その日は学校での撮影があって、どうしても抱き合わせで撮らなきゃいけないシーンだったんです。学校と離れた場所だったら同日には撮れないので、近くの寿司屋をGoogle Mapで探したんですね。それで個人の寿司屋に絞って、学校の近くにあったお店にまず連絡したんですよ。桜寿司さんっていうお店なんですけど、「映画の撮影、ご相談しても良いですか?」って伝えたら、「良いよ」って。すごく気の良い人でした。

海花のダーク・ヒロインとしての芽生え

──劇場で販売されているパンフレットには、なんと続編のシナリオが結構な部分まで掲載されていますよね。これが本当に面白くて早く続編が観たいんですよ!笑 井坂監督自身も撮る気満々だと思いますが、今後の展望や言える範囲で、次作に向けた計画などありましたら教えてください。

今の状況として、まずは『シャーマンの娘』を廻していくのが重要ですね。大阪と名古屋、それ以外もあれば順次上映していきたいと思ってます。劇場の次は配信など、みんなが観れるような形で廻していきたいです。それと並行して、もちろん次の作品も視野に入れて動いてます。またインディーズで撮ることもできなくはないんだけど、自分としてはもうちょっと規模をスケールアップしていきたい気持ちがあって。クラウドファンディングだけでは賄いきれない部分もあるので、まずは今回の『シャーマンの娘』を観てもらって、さらに出資者などを募るために営業していきたいですね。

『シャーマンの娘』フライヤー裏面

次に『シャーマンの娘2』(続編)を撮るのか、それとも全く別の作品になるのか。現状では分からないんですが、いくつかある候補の中で自分は『シャーマンの娘2』を1番撮りたいし、シナリオを読んでて1番面白いって思っちゃうんですよね。一部の人には(『シャーマンの娘2』のシナリオを)全編読んでもらって感想も聞いたんですけど、全員続編の方が面白いって言うんですよ。笑

──パンフレットに載っているシナリオを読むと『シャーマンの娘』はプロローグで、続編から本格的にストーリーが動き始める印象も受けました。続編はちょっとノリが違うし、探偵モノの要素まで加わってくる。

そうですね、裏切りの裏切りと言いますか。

──まさにそうですね。それぞれ観る人の好みはあると思うんですけど、私も続編を早く観たいって気持ちが強いですね。

『シャーマンの娘』を観て「これでプロローグかよ」って思うところはあると思うんですけど。笑 でも海花のダーク・ヒロインとしての芽生えみたいなものが感じられる終わり方で、そこからやっと続編でダーク・ヒロインとして魅せてくれる、大活躍するっていう感じ。今回の『シャーマンの娘』では「海花はどういう存在なのか分からない」っていうのが1つの魅力になってたと思うんですけど、続編を観たら全員海花のことが好きになっちゃう展開になってます。

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劇伴/主題歌/挿入歌担当 死んだ僕の彼女 ishikawa(Vo. Gt.)コメント

井坂監督からのファースト・コンタクトは2019年2月。バンドのメールに突然連絡をいただきました。メールにはその時点のシナリオも添付されており「死んだ僕の彼女の曲にイメージを喚起されたシナリオである」旨のメッセージが添えられていました。具体的な依頼内容は「watashi no aishita manatsu no shinigami」をテーマ曲として使用したいというものでした。

まずは会って話そうということで、新宿の喫茶店にて井坂監督とkinoshita君と僕で打ち合わせをすることになりました。その打ち合わせで井坂監督の本作にかける熱意を感じられたことから「テーマ曲は書き下ろし、劇伴も可能な限り死んだ僕の彼女にて制作」という運びになりました。

早速「rebirth and karma」を書き下ろし、2020年には映画に先行して5曲入りのイメージアルバム「shaman’s daughter」としてリリースしました。「shaman’s daughter」のジャケットには作家・河合真維さんによる海花をイメージしたイラストが描かれておりますので是非チェックしてみてください。

劇伴については井坂監督と場面ごとにやりとりをしながら進めましたが、当時僕が盛岡に住んでいたこともあり、イメージの擦り合わせに苦慮しました。劇伴のレコーディングは前述のイメージアルバム同様、Kensei Ogata氏にエンジニアリングをお願いしました。その場の思いつきで録音したトラックもありましたが、死んだ僕の彼女メンバーとKensei Ogata君のおかげでとてもスムーズに進んだレコーディングでした。

映画では劇伴や新曲だけでなく、死んだ僕の彼女の既存曲もたくさん使われていて、やっぱりすごく嬉しかったです。特にエンディングの映像と「rebirth and karma」のマッチングは最高だと思いますので是非劇場でたくさんの人にご覧いただきたいです。

映画自体の感想としてはとにかく海花を始めとした各キャラクターが立っているな、というものです。続編だとかスピンオフだとか期待しちゃいますね。本作について後悔していることがあるとすれば「俺もエキストラで出演したかったなー」というくらいです。街の酔っぱらいサラリーマンとか学校の用務員さんとかで。井坂監督、次回は是非お願いいたします。

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映画『シャーマンの娘』

『シャーマンの娘』公式HP:https://www.musume-shaman.com
Twitter:https://twitter.com/shaman_umika

*劇場での公開情報は公式HP、Twitterにてご確認ください。

死んだ僕の彼女『shaman’s daughter』

リリース:2020/11/11
レーベル:n_ingen RECORD

トラックリスト:
01. the secret of sunflowers
02. rebirth and karma
03. zaiakukan no nichiyoubi
04. iliad
05. winter reminds me of you

*アートワーク:https://twitter.com/kawai_mai
*配信リンク:https://linkco.re/M53PX1u0

仲川ドイツ