「新世代のエレクトロニック・ミュージック」を体現するSSW／トラックメイカーのUztama。1stアルバム『風が凪ぐ』のリリースに際して公開されたプレイリストには、ポーター・ロビンソン、THE 1975、さらに国内からは神聖かまってちゃんやGalileo Galileiなど2010年代のロック・シーンを象徴するアーティストが並び、多くの同世代ならばスクロールするだけで親近感を覚え、彼の作り出す音楽を再生せずにはいられなくなるはずだ。
さて、そこからあなたの目に見えてくるのは、『サイダーのように言葉が湧き上がる』もしくは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』で描写されるクリアな夏の風景。時には激しい雨に打たれながら作り上げた美しい青春を指でなぞり、年を重ねるにつれて風化してしまった当時の淡い感情と「自分」という人間を取り囲んだ全ての事物が確かにそこにあったことを思い起こすような感性を持った音楽──「親愛なるきみへ」なんて、最早確信犯じゃないか。
Sad Discoから『風が凪ぐ』をリリースして以降も新曲やカヴァーをドロップしたりと、インターネットとリアルの境目を立てずアクティヴに活動を展開するUztama。そんな彼は7/1に行われる『Branch Vol.2』でトリを飾る。今回は、エレクトロニック、インディー・ロック、ドリームポップ、シューゲイザーと様々な角度からアプローチを施し、リスナー個々人の心の琴線に優しく触れるUztamaへ実施したメールインタビューの内容をお届けする。
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──Uztamaさんの楽曲は非常に多彩な音楽性を持って展開されていて、一つ挙げるにしても紐解けば何層にも重なっているように思います。それは意図して行なっているものなのか、ご自身の視聴遍歴が自然とそうさせているのか、いかがでしょうか。
あんまりそこに関しては意図はしておらず、どちらかと言うと自分の過去に聴いてきた音楽や、制作時によく聴いている音楽が自分の楽曲に反映されていると思います。
──『風が凪ぐ』は「夏」を作品のコンセプトにしたと拝見しましたが、多くの人々が心に抱く「夏」を表現するというところで、Uztamaさんが資料として参照した作品やアーティスト、また思い浮かべたエピソード等があれば教えてください。
音楽で言うと牛尾憲輔さんの劇伴のお仕事の曲やGalileo Galileiはかなり参考にしました。アニメ『ピンポン』『ARIA』等も大きくアルバムに影響しているかと思います。
あとは僕自身「夏」という季節がなんとなく好きなのでどうにか表現したいなと思って取り組んでいました。
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──周辺にはuku kasaiやTelematic Visions、quoree等様々なトラックメイカー（アーティスト）の方々がいるかと思いますが、特に仲の良いミュージシャンと、その人からどんな刺激を与えられているのかを教えてください。
アルバムでも曲を一緒に作ったlilbesh ramkoさんは本当に去年出会って曲を聴いた時衝撃で…ここまで自由にやっていいんだ…という感覚に久々になりました。ライブもものすごくかっこいいですし…。
トラックメイカー的なところでいうとPAS TASTAの皆さんにはかなり勇気をもらっています。
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──元々バンド活動をされていたUztamaさんにとって、楽曲を作る上で「電子音楽」以外の要素（ギター、ピアノ、コーラスetc.）はそれぞれどのような役割を担っていると感じていますか？
自分の電子音楽的な要素に更に生きている感じというか、血を通わせるような役割を担ってくれているんじゃないかなと思います。
──最近では<a href="https://soundcloud.com/user-15601605/asian-kung-fu-generation-uztama-cover?utm_source=clipboard&utm_medium=text&utm_campaign=social_sharing" target="_blank" rel="noopener">ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」のカヴァー</a>をSoundCloudで公開されていましたが、楽曲のカヴァーをする際に選曲面・歌唱面・アレンジ面それぞれで意識していることがあれば教えてください。
あまり深いことは考えず、好きにその時カバーしたいなと思ったものを選んでいます…！　なるべく原曲のテンポ感や雰囲気を崩さず自分の色も出るように楽しんで作っております。またどこかのタイミングでカバーも出せたらな〜と思ってます。
──リスナーから受けるご自身のジャンル区分についてどのように感じていますか？
アルバム出した時は意外とハイパーポップとして僕の曲を聴いてる人も少なからずいるなーと思ったんですが、僕はあまりその辺に関しては意識して作ってないし、ジャンル・楽曲が持つ意味・メッセージ性などは最終的にリスナーの方にどう受け取ってもらっても構わないですし、僕自身そちらの方が嬉しいなと思います。
──これまで特に印象深く忘れられないライブ、影響／衝撃を受けたパフォーマンスなどがあれば、その際のエピソードを含めて教えてください（観客としてでも、あるいはプレイヤーとしてでも構いません）。
バンドのライブになっちゃうんですけど、2016年に観に行ったKen Yokoyamaさんの武道館ライブは、中学生の頃からハイスタも含め健さんの大ファンだったのもあり、今でも鮮明に記憶に残っています。あとは最近Zepp DiverCityでみたGalileo Galileiの復活ライブは本当に素晴らしくて今後ものすごく影響を更に受けてしまうだろうな…というライブでした。
両バンド全くジャンルは違いますが僕の中でずっと大きな存在です。
出演したもので言うと『もっと！バビフェス』は本当に幸せな空間で最高でした…。またやって欲しい。
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──音楽以外で最も没頭しているカルチャー（または趣味など）について具体的に教えてください。
昨年くらいからアニメをよく観ています。最近は『ひろがるスカイ！プリキュア』と『らき☆すた』を交互に視聴しています。あと最近観た映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』が素晴らしかったです。
──最後に、次作に向けた展望についてお聞かせください。
2枚目のアルバムがもうすぐ出ると思いますので皆さんに楽しみにしておいていただきたいです！　頑張ります！
<h2>Branch Vol.2</h2>
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音楽メディア『musit』が主催するライブイベント『Branch』のVol.2が、7月1日（土）に西永福JAMで開催！
出演者はエレクトロ・ポップの新星Uztama、武藤カズナリによるベッドルーム・プロジェクトのBoys Age、京都を拠点に活動する幽体コミュニケーションズ、そしてアブストラクト・ポストパンクを掲げるPot-pourriの4組。各ライブの後にはMCとのトークを実施し、その模様はライブ演奏（一部）と共に『musitTV』として公開予定。
また、各種ショップも出店。自身もミュージシャンとしての顔をもつ『Renny Curry』のカレーやイワヲ・コーヒーによるコーヒー販売、さらにはブックユニオン新宿とセレクトショップ『ヨムキクノム』のCD/ZINE販売もラウンジ&フロアにて行われる。
音楽メディアがキュレーターとなって企画する、夏の縁日を彷彿とさせる特別な一夜を是非現地で体感してほしい。
2023/07/01 (sat) 
西永福JAM 
open/start 17:30/18:00 
adv/door ¥3,000+D
[Act] 
Uztama <a href="https://twitter.com/quail___egg" target="_blank" rel="noopener">@quail___egg</a> 
幽体コミュニケーションズ <a href="https://twitter.com/yu_komisan" target="_blank" rel="noopener">@yu_komisan</a> 
Pot-pourri <a href="https://twitter.com/potpourrijpn" target="_blank" rel="noopener">@potpourrijpn</a> 
Boys Age <a href="https://twitter.com/the_boys_age" target="_blank" rel="noopener">@the_boys_age</a>
[Shop] 
Renny Curry <a href="https://twitter.com/fiwp_gt" target="_blank" rel="noopener">@fiwp_gt</a> 
イワヲ・コーヒー <a href="https://twitter.com/Iwaocoffee" target="_blank" rel="noopener">@Iwaocoffee</a> 
ブックユニオン新宿  <a href="https://twitter.com/bookunionshinju" target="_blank" rel="noopener">@bookunionshinju</a> 
ヨムキクノム by musit <a href="https://twitter.com/yomukiku_musit" target="_blank" rel="noopener">@yomukiku_musit</a>
＊チケットの予約は下記フォーム or 各出演者取り置きにて受付中： 
<a href="https://forms.gle/sWak54KJ3fzAKBab8" target="_blank" rel="noopener">https://forms.gle/sWak54KJ3fzAKBab8</a>
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musit編集部

【インタビュー】血を通わせ、「生きている」という感覚──Uztamaが定義するエレクトロ・ポップとロックの特異点

ポストパンクを主に聴いています。毎年苗場で音楽と共に焼死。クラフトビール好きが興じてブルワリー取材を行うこともしばしば。なんでもご用命ください。

星野

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【インタビュー】血を通わせ、「生きている」という感覚──Uztamaが定義するエレクトロ・ポップとロックの特異点

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