「全力少年」だけじゃない!奇跡の2人組・スキマスイッチの魅力とは?
突然ですがあなたは、スキマスイッチの楽曲をどこまで知っていますか?
きっと多くの方は、「昔は『奏』をよく聴いていた」「『全力少年』がヒットしたのは知っている」と答えるのではないでしょうか。
しかしスキマスイッチは「奏」や「全力少年」のほかにも、魅力的な楽曲を多数リリースしています。
そこで今回は、日本が誇る唯一無二の音楽ユニット・スキマスイッチの魅力を詳しく解説していきます。
スキマスイッチとはどんな音楽ユニット?
スキマスイッチは、1999年に結成された音楽ユニット。
メンバーは、
- 大橋卓弥:ヴォーカル/ギター
- 常田真太郎:ピアノ/トータルサウンド・トリートメントの2人。
スキマスイッチという独特なユニット名は、「かっこいいと思う名前にすると後々ダサくなるのではないか」と感じたメンバーが、最初からあえてダサくしようと思って名付けたものだそう。
また、スキマスイッチは作詞と作曲をどちらかが担当するのではなく、作詞/作曲/編曲の全てを共同作業で手掛けています。そのため彼らの作詞作曲欄のクレジットには、どちらか一方の名前ではなく、スキマスイッチ、もしくは2人の名前が並んでいます。
では、実際にスキマスイッチの魅力とはどういう点にあるのでしょうか? 1つずつ紐解いていきたいと思います。
スキマスイッチの魅力①:こだわり抜かれたカラフルなサウンド
スキマスイッチの最大の魅力は、なんといっても歌声と様々な楽器が入り交じるカラフルなサウンドでしょう。
スキマスイッチの楽曲では、メンバーが演奏するピアノとアコギを中心としたバンド・サウンドにストリングスや管楽器、エレキギターなど、色とりどりの楽器が使用されています。
しかし複数の楽器を使用してはいるものの、全て適切なタイミングと音量に調節されているため、決して乱雑には聴こえません。
特に多くの楽曲で使用されているストリングスは、楽曲を壮大にさせるだけでなく、時に明るく輝かせます。
これはスキマスイッチの印象的なサウンドを構成する上で非常に大きな役割を果たしている、と言っても過言ではないでしょう。
スキマスイッチのカラフルなサウンドが堪能できる楽曲
- 「アイスクリーム シンドローム」
「アイスクリーム シンドローム」は、2010年7月7日に発売された13枚目のシングル。
僕がスキマスイッチの中で最も好きな楽曲です。
この曲は、イントロもなくアコギの弾き語りで始まり、その後ドラムやピアノ、エレキ、ベースなどの楽器が順番に参加していくという構成。サビではストリングスも加わり「これぞスキマスイッチ!」とも感じられる非常に雄大なサウンドを響かせます。
そして2番のサビが終わると、唐突に転調して楽曲の雄大さはさらに増幅。
まるで、好きな人のことを何気なく考え始めたら気付けば心と頭の中で膨れ上がっている…という状況を如実に表現しているよう。
また、歌詞の切なさもこの楽曲の魅力の1つ。
‘‘そっとファインダーを覗いたら 想像よりずっとずっと遠くに君がいる気がした’’
‘‘いつかは誰かと消えていってしまう’’
キャッチーなサウンドの中にセンチメンタルなフレーズが織り込まれていることで、世界観とサウンドの両方に多彩な色味を感じる楽曲に仕上がっています。
- 「リチェルカ」
「リチェルカ」は2017年9月13日に発売された25枚目の楽曲。「ミスターカイト」との両A面シングルです。
この曲はヴォーカルの大橋卓弥曰く「スキマスイッチ史上最も難しい曲」なんだとか。
ポップな管楽器の音色で始まったかと思いきや、徐々にピアノ、アコギ、ストリングス、ドラム、ベースが加わります。そしてリズミカルにマイナーコードを鳴らし始めるため、一気に楽曲の世界観に引きずり込まれてしまうこと間違いなし…!
サビでは一転して明るい王道のコード進行となり、リスナーに安堵感を与えます。
また打ち込みによるバスドラムはまるで心臓の鼓動のよう。リスナーを体の奥底から揺さぶってくれる楽曲です。
- 「ゴールデンタイムラバー」
「ゴールデンタイムラバー」は、2009年10月14日に発売された12枚目のシングル。
スキマスイッチにしては珍しく打ち込みが使用されているだけでなく、ほかの楽器の音色も意図的に加工されており、どこか幻想的な雰囲気が感じられます。
また、この曲はスキマスイッチ屈指のノリが良い楽曲。シャウト気味に歌唱するヴォーカルも合わさって、リスナーのテンションを一気にマックスまで引き上げてくれます。
ちなみに楽曲の裏テーマは<麻雀>なのだとか。
よく聴くと、所々に麻雀を連想させる歌詞が含まれていることが分かります。
‘‘太陽も勝負運(ツキ)もなんも完全にこっち向いていないが’’
‘‘手放したくないもんはどれ?”
「この曲は何について書かれたものなんだろう?」と考えながら聴ける点も、スキマスイッチの魅力と言えるでしょう。
- 「奏」
「奏」は2004年3月10日に発売された、スキマスイッチの2枚目のシングル。
スキマスイッチを語る上で、やはり「奏」は外せません。
特に秀逸なのは、Cメロから大サビにかけてのアレンジ。
それまで歌を優しく支えていた楽器たちが、2番のサビ終わりからストリングスを中心に主張し始めます。そしてそれに呼応するようにして大サビで転調し、次第に楽曲の盛り上がりは最高潮に。
このアレンジは何度聴いても鳥肌が立ちます…。
スキマスイッチの魅力②:進化し続ける歌唱力
スキマスイッチの魅力といえば、ヴォーカル・大橋卓弥の歌唱力も見逃せません。
大橋の歌声は日本国内でも10本指に入る、まさに「屈指のヴォーカリスト」と言っても過言ではないでしょう。
1度聴いたら忘れない歌声・伸びやかな高音域・正確なピッチ・唯一無二なフェイク(メリスマ、こぶし)…。
どこにも欠点が見当たりません。
加えて、歌声はデビューから現在に至るまで進化を止めず「今が1番上手い」を常に更新し続けています。
当然、ライブでの歌声は常にCD以上のクオリティを発揮しています。
また大橋卓弥は、歌唱力だけでなくアコギの演奏も一流そのもの。
あまりに彼の演奏姿が格好良いので、僕は大橋が弾いているアコギと同じものをオーダーして購入してしまいました。

大橋卓弥の歌唱力が堪能できる楽曲
- 「未来花」
「未来花」は、2018年3月14日に発売された7枚目のアルバム『新空間アルゴリズム』の6曲目に収録されているバラード曲。
シンプルにピアノと歌のみで構成されているからこそ、より一層大橋卓弥の歌唱力を堪能できます。
また、楽曲の雰囲気に合わせて全体的に優しく歌唱されており、特にサビのファルセットは聴く人の耳を癒やすほど繊細です。
- 「ラストシーン」
「ラストシーン」は、2012年6月27日に発売された16枚目のシングルです。
幸せが溢れ出るような世界観の歌詞は、結婚式にもよく使われているのだとか…(ちなみに僕自身も結婚式で流しました)!
この曲、歌ってみると分かるのですが、最初から最後まで音階が複雑。非常に技術を要求されるスキマスイッチの中でも、特に高難度の楽曲です。
しかし大橋卓弥はライブでもピッチを決して外すことなく、CD音源以上の歌声を聴かせてくれます。これはもはや芸術と言っても過言ではないでしょう。
- 「全力少年」
「全力少年」は、2005年4月20日に発売された5枚目のシングル。この曲によって、スキマスイッチの名前が全国に知れ渡ることになりました。
ですが、カラオケなどで1度でも「全力少年」を歌ったことがある人はきっとこう感じたはず。
「サビが難しい………!!」と。
何を隠そう、全力少年のサビはご本人さえも最初は歌えなかったそう。しかし、「練習して歌えるようになる楽しさを味わってほしい」という思いから、このような音階にしたと本人たちは語ります。
キーも男性ヴォーカルにしてはかなり高めですが、それを何の苦もなく平然と歌ってしまう大橋卓弥の歌唱力は、やはり唯一無二のものと言えるでしょう。
スキマスイッチの魅力③:トップクラスの演奏技術
スキマスイッチの3つ目の魅力は、ライブだろうが歌番組だろうが、ヴォーカルとピアノ(orアコギ)があれば成立するという点。
2人の演奏の素晴らしさは、2012年8月22日に発売されたセルフカバーアルバム『DOUBLES BEST』を聴けば十分理解できるはず。このアルバムは楽曲のリアレンジから演奏まで、全て大橋と常田の2人だけで行っており、スキマスイッチの音楽家としての才能が窺えます。
特にピアノとアコギだけでリアレンジされた「奏」は今まで何度聴いたことか…。
『DOUBLES BEST』はスキマスイッチが好きな人も、反対に彼らの曲をあまり知らないという人も、多くの方に聴いてほしい珠玉の名盤です。
まとめ
スキマスイッチの魅力は、今回の記事だけではとても全てを紹介することができません。
しかし、スキマスイッチは一つひとつの楽曲に対して細部までこだわって制作しているユニットである、ということは伝わったのではないかと思います。
「『奏』や『全力少年』しか聴いたことがない」という方は、ぜひこの機会にほかの楽曲も聴いてみてはいかがでしょうか。
小林だいさく
