【レコメンド】THEティバ『On This Planet』(2022)──カナダのインディー・シーンやSF映画への愛を感じる自由奔放な音楽

【レコメンド】THEティバ『On This Planet』(2022)──カナダのインディー・シーンやSF映画への愛を感じる自由奔放な音楽

ガレージ・ロックを基盤にグランジ、フォーク、UKロックなどのテイストを散りばめた2ピース・フィメール・バンド、THEティバの記念すべき1stフル・アルバム。聴く世代によって懐かしさもあれば新鮮ともとれる彼女たちの音楽は、次世代のバンド・シーンの新しい指標だ。

THEティバは明智マヤ(Gt. Vo.)とサチ(Dr. Cho.)により結成。AlvvaysやPeach Pit、Common Hollyなどカナダのインディー・シーンに影響を受け、自身らもカナダ出身を自称し、ほぼ全ての歌詞は英語。海外での活動も視野に入れ、StarcrawlerやCamp Copeといった海外アーティストの来日公演のサポートも精力的に行う。

明智マヤは独特の粘り気のあるヴォーカルが特徴的で、英詩の歌い方は「Today」を「トゥダイ」と発音したりなどイギリスの地方訛りやオーストラリアの影響を感じるが、実際はどこにも当てはまらない。とはいえ「日本語英語」のようには感じられず、粘りのあるメロディにピッタリとはまり、聴く者の耳にいつまでも残る。この「ティバ英語」ともいえる発音こそが人気の1つだろう。

今作のタイトル『On This Planet』は、前作のEP『THE PLANET TIVA part.1&2』に続く、THEティバの原点を知るための3部作の完結編とも言える。

EP同様、今作もプロデュースに岩本岳士(QUATTRO)が参加し、マスタリングは後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が行った。それにより、ベースレスの編成でありながらも、それを全く感じさせない轟音のギターと芯のあるドラムが混ざりあう重厚なサウンドとなった。

バンド名の「ティバ」は世界中でカルト的人気を誇るSFアニメーション『ファンタスティック・プラネット』に登場する少女の名前が由来で、SFはTHEティバを構成する重要なキーワードだ。アルバムのリリース後に公開されたMV「Alien loves you!」にはそんな彼女たちのSF愛が散りばめられている。最新のCGを使ったSFではなく、『2001年 宇宙の旅』や『未知との遭遇』『STAR WARS』など、70〜90年代の宇宙への憧れや妄想を知恵と工夫で描いた本当の意味での空想科学(サイエンス・フィクション)を感じられた。

知れば知るほど彼女たちのルーツが音楽だけではないということが分かる。それは映画、ファッション、異国のカルチャーなど様々だが、その全てがTHEティバの音楽を構成しているのだ。ジャンルやルールに囚われない自由奔放な彼女たちのこれからの国内、そして海外での活躍に注目している。

THEティバ『On This Planet』

レーベル:Self Released
リリース:2022年5月25日

トラックリスト:
1. Through the dark
2. Dig a little deeper
3. Hard
4. fade
5. Mother bear
6. Alien loves you!
7. I’m sure
8. Save Me
9. Flowing
10. Circulation
11. Ideals
12. After the midnight

配信リンク:https://orcd.co/onthisplanet

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