【レコメンド】Perfume「さよならプラスティックワールド」(2022)──テクノポップのディーヴァたちが放つ、不動の音楽とメッセージ

【レコメンド】Perfume「さよならプラスティックワールド」(2022)──テクノポップのディーヴァたちが放つ、不動の音楽とメッセージ

2005年、「リニアモーターガール」でメジャーデビューしてから今に至るまで一貫した音楽性を保ち続け、ハイクオリティなダンス・パフォーマンスと共に人気を博してきたPerfume。

テクノポップというジャンルにおいては日本のディーヴァ的な存在になっている彼女たちだが、4月29日に配信シングル「さよならプラスティックワールド」を発表した。

2006年にリリースされた初のコンプリートアルバム『Perfume〜Complete Best〜』に収録されている「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」や、近未来を思わせる奥深い歌詞が印象的な「コンピューターシティ」など、活動初期を思い起こさせるサウンドがファンにとっては嬉しい1曲となっている。しかし、本作の魅力はそれだけではない。

〈こわいほど最適化された中毒性
たぶんいつか考えることすら忘れちゃう
違うもっと別のことに気がつかなきゃと
ほらそう 想像して本来のハーモニー〉

情報過多のネット社会において、自分自身の感性で取捨選択をしていく/実体験やリアルな記憶がいかにプライスレスかを伝える歌詞に注目したい。資材循環の必要性を恋模様になぞらえて歌った「ポリリズム」同様、本作には「今」考えるべき重要なメッセージが歌われているのだ。

エレクトロなサウンドを売りにしているPerfumeが、配信のみで本作をリリースする。情報に埋もれがちな社会にあえて新たな情報を放つこと、それが電子音楽であることは、楽曲に内包されたメッセージに反すると思うかもしれない。
しかし彼女たちが培ってきたアーティストとしての位置から大勢に向けてメッセージを伝えれば、逆説的にアナログな原体験を望む現代人への訴求も可能になってくる。

テクノポップで歌うことによって、アナログの価値を浮き上がらせる。これは、彼女たちが常に自分たちのスタイルを崩さずにステージに立ち、歌い続けてきたことによって生まれる説得力ありきでのアクションなのではないだろうか。

Perfumeというアーティストが放った、情報社会を生きる現代人への切なる願い。それはテクノポップを軽やかに、しかし誰よりも真摯に歌い続ける彼女たちから発せられる何よりも力強い「言葉」なのだ。

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Perfume「さよならプラスティックワールド」

レーベル:UNIVERSAL J
リリース:2022年4月29日

配信リンク:https://perfume.lnk.to/sayonarapw

安藤エヌ