絶望系シンガー・ReoNa最新作「シャル・ウィ・ダンス?」──『シャドーハウス』第2期OPで確立した、人々の影に寄り添う音楽性

絶望系シンガー・ReoNa最新作「シャル・ウィ・ダンス?」──『シャドーハウス』第2期OPで確立した、人々の影に寄り添う音楽性

繊細な歌声で人々を魅了するアニソンシンガー、ReoNaの6thシングル「シャル・ウィ・ダンス?」が本日リリースとなった。「シャル・ウィ・ダンス?」 はTVアニメ『シャドーハウス-2nd Season-』として、同アニメ第1期のOP「ないない」に引き続き、『シャドーハウス』の世界を彩る楽曲となっている。

ReoNaは『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(略称:SAOAGGO)』の劇中アーティスト・神崎エルザの曲を担当したことで一躍注目を浴びた。その感情を絞り出すように特徴的な低音が印象的な歌声は「ReoNa」の名前が明かされる前からアニメのファンの間で話題を呼んでいたほど。

自ら「絶望系シンガー」を名乗り、アニソンシンガーに顕著なポップな楽曲性とは裏腹に、どこか影のある曲を歌い上げることが多いReoNa。彼女が歌うのは、物語の終焉に待ち構える壮大絶望感ではなく、私たちの日常生活に潜むそれぞれの小さな──しかし確かに暗く深い絶望なのだ。

近年のヒット作を見ると、2020年のリリースから瞬く間に社会現象となったAdo「うっせぇわ」や、SNSが主流となったプロモーションへの問題点を浮き彫りにするピノキオピーの「魔法少女とチョコレゐト」など、自分を取り巻く環境に対するマイナスな感情を表現した作品が目立つ。

今や音楽シーンのみならず、あらゆるフィクションや創作をはじめとする表現において、現代の人々が求めているのは「ネガティブな感情を含めたリアリティ」なのではないだろうか。

ReoNaの歌声は架空の希望ではなく現実の痛みに寄り添う音楽として、等身大の日常を支えてくれる「絶望系シンガー」だ。それ故ReoNaの音楽性は、現代を生きる人々と非常に相性が良い。

また、ReoNaは自身の代表曲の1つである『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』の主題歌になった「ANIMA」(2020)のサビ部分「また躓いて、転がって、それでも砕けない」について、次のように語っている。

〈『ANIMA』は、躓いても、転んでも、傷ついても、それでも進んでいくしかない命のことを歌っていて。この物語に出てくる一人ひとりが、べらぼうに強いかと言ったらそうではなくて、もがきながら進んでいる。そういった思いを込めた言葉です。〉──引用:アニメイトタイムズ『背中を押さない、手も引かない──代弁者としてひたすら絶望に向き合ってきたアニソンシンガーReoNaの “寄り添う”の根本に在る誠実さ|インタビュー前編

躓いても、転んでも、傷ついても、それでも進んでいくしかない命とは、紛れもなく我々の人生そのものを意味しているのだろう。 

弱さを肯定し、受け入れてくれるReoNaの歌声に救われたファンは多いのではないだろうか。『THE FIRST TAKE』に登場した際に披露された「ANIMA」では、彼女特有の吐息混じりのウィスパー・ヴォイスと繊細なビブラートが直に視聴者の心を目掛けて伝わってくる。

今作「シャル・ウィ・ダンス?」のコンセプトは「今だけは、全てを忘れて踊りましょう」。

〈泣きたいのに笑っちゃう 人生ってピエロ
本当の心隠して 笑うフリをするの
1(アン)・2(ドゥ)・2(ドゥ)
1(アン)・2(ドゥ)・2(ドゥ)
1(アン)・2(ドゥ)・2(ドゥ)・3(トロワ)
私うまく生きれないわ〉

「狂ったサーカス」を表現した今作は、『シャドーハウス』のモチーフの1つである「操られた人形」をイメージさせる歌詞や〈おやすみのキス〉〈余計なこと考えないでひとつになりましょう〉など、アニメの世界観に寄り添うワードが節々に散りばめられている。

加えて、第2話の放送終了後にYouTubeにて公開された、ストーリー仕立ての妖艶でアンティークなMVの世界観に惹きつけられた視聴者も多いのではないだろうか。

MVの中でも、ノンスタントでReoNa本人が華麗に踊る姿は大きな見所だ。『シャドーハウス』の登場人物、エミリコとケイトのトレードマークである紅のドレスを身に纏い、ジャズバンドに合わせてタップダンスを披露しながら舞う姿は、まさに『シャドーハウス』が描くアンティークな洋館の世界。

アニメ本編のストーリーがミステリー・タッチであることを踏まえて、回を追うごとに迫る真相にReoNaが「シャル・ウィ・ダンス?」を通じて表現をする絶望の形が浮き彫りになっていく。

来年3月6日には、自身初の日本武道館で行われるワンマンライブ『ReoNa ONE-MAN Concert 2023「ピルグリム」at日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~』も決定しているReoNa。次世代を代表するアニソンシンガーとして、更なる飛躍を遂げるための大きなステップとなる本作を我々はいち早く手にすべきだろう。

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ReoNa「シャル・ウィ・ダンス?」

レーベル:ソニー・ミュージック
リリース:2022/07/27

トラックリスト:
1. シャル・ウィ・ダンス?
2. 猫失格
3. JAMMER

配信リンク:https://reona.lnk.to/ShallWeDance_DG

すなくじら