【本レビュー】BOSS GT-1の教科書
マルチエフェクター特有の多機能さが、かえって面倒で、思ったほど使い込まずに2つ3つの適当に作ったパッチを使っているだけ、というギタリストは多いだろう。
私もその例に漏れず、せっかく購入したGT-1も、使用してはいるものの、設定変更のつまみを触ったのはいつのことだったか、という有様である。
折角このようなライティングの場所をいただけたので、GT-1も掘り下げて記事に出来たらな、と考えていた矢先に見つけてのがこの本だ。
感想
https://www.shinko-music.co.jp/item/pid1645944/
目次等の詳細は上記リンクをご参照いただくとして、この本は文字通りBOSS GT-1を使いこなすための解説本だ。
ただ読んでみて思うのだが、単純な製品マニュアルの延長というより、内蔵のエフェクターに関して色々と掘り下げてるのが面白い。
基本の再確認のような部分から、独特の使い方、モデリングの対象となっている機材についての蘊蓄など非常に面白い。
例えばプリアンプのプリEQ、ポストEQの違いがどのようなサウンドの違いを生むのか。また、EQ自体を動かしたときの音の変化の仕方。オリジナルのアンプに搭載されている真空管の違い等、なかなか読みごたえがある。
その他のエフェクトについても色々な角度から述べられている。
GT-1使いである前に、単純にエフェクターを使うギタリストとして、とても勉強になることも多かった。
GT-1自体は割と簡単な操作で直感的に使えてしまうけれど、機材の特性などを理解した上で使えば、もっと楽に目指す音にたどり着けるのかもしれないですね。
エレキギター界ではアンプやエフェクターなどのモデリングという技術が出て久しく、技術の進歩とともに過去の名機をリアルに再現できるようになってきていますが、私を含めてオリジナル機材をほとんど使ったことが無い方も多いのではないでしょうか。
実機を触ったことがない状態で、こういったモデリングを使ってもなかなかいい音にするのが難しい。
つまみの動きや音響特性などがリアルに再現されていればいるほど、各々クセがあって難しいんですよね。
『いい音を出す』ってのはギタリストの永遠の命題で、多分いつまでも答えが見つかることはないのでしょうが、こういった本を通して、改めて機材について学ぶというのは、また一つのステップになる気がしています。
いい本です。
おすすめ。
しばらくはGT-1を使い倒してみるか。。。