エフェクター界の新星『VOX VALVENERGYシリーズ』登場!
こんにちは、Ot3です。
先月、VOXから新たなエフェクターシリーズ 『VOX VALVENERGY』が発表されました。
そこで今回は、『VOX VALVENERGY』とはどのようなエフェクターなのか、楽器店員の視点から紐解いていきたいと思います。
『VOX VALVENERGY』シリーズの特徴
『VOX VALVENERGY』シリーズは、従来のエフェクターでは見られなかった新機能を多数搭載。
中でも2015年に発表された、コルグとノリタケ伊勢電子の共同開発による小型真空管アンプ『Nutube』との整合性が非常に高く、もうわざわざ重い真空管アンプを持ち運ぶ必要がないという点は特筆すべき魅力でしょう。
【『Nutube』とは】
従来の真空管アンプと同様の豊かな倍音はそのままに、従来の真空管のおよそ2%しか消費しない『低消費電力型』であること、また軽量のため持ち運びがしやすく、さらに長寿命というまさに革新的な小型真空管アンプ。
※余談ではありますが、王道のプリアンプ管『12AX7』の安定供給が難しくなってきたことを察知したKORGの開発陣が、ノリタケ伊勢電子(株)の蛍光表示管の技術を応用して自分たちで真空管を作ろう、と思い至ったことから『Nutube』が生まれた点は「さすがモノ作りの日本だなあ」と感じます。
今回のエフェクターは、例えばRolandのJC-120に『VOX VALVENERGY』シリーズのCOPPERHEAD DRIVEを繋ぐだけで、あのマーシャルのようなサウンドを出すことが可能。
もうわざわざ重い真空管アンプを、スタジオやライブハウスに持って行かなくても大丈夫なんです。
(出典:VOX公式HP)
3つの接続モード搭載でマルチな才能を発揮
さらにこのエフェクターの凄いところは、用途に応じて3つの接続モードを切り替えながら使用できる点。
どんなモードが搭載されているのでしょうか?こちらも詳しくご紹介します。
①通常の歪み系エフェクターとして使う”STANDARDモード”
STANDARDモードは、エフェクターとアンプの音をどちらも活かす使い方。安定した音を出し続けることができます。
②アンプのリターン端子やパワー・アンプの入力に接続する”PREAMPモード”
アンプのリターンに入力すると、アンプ側のプリアンプがキャンセルされるため、エフェクター側で音作りができます。場所を問わず自分の音を出したい方におすすめです。
(出典:VOX公式HP)
③キャビネット・シミュレーターを通した音を再現して、ミキサーやDAWに接続する”CAB-SIMモード”
CAB-SIMモードではキャビネット・シミュレーターがオンになるので、そのままミキサーやオーディオインターフェイスなどに繋げることが可能です。
4種類の多彩なサウンドも魅力的
次に、それぞれのサウンドの特徴をご紹介します。
SILK DRIVE
伝説的なブティック・アンプのサウンド。ピッキングによる繊細なニュアンスもパーフェクトに表現。
そこまで歪みは強くないですが、音に艶があって気持ちよく弾けるので、常にオンにしておくプリアンプ的な使い方をするか、他の歪み系エフェクターと繋いでブースターに使うと非常に良いのではないかと思います。
COPPERHEAD DRIVE
COPPERHEAD DRIVEは、80年代以降のハード・ロックのジャンルで多用された、パワフルなスタック・アンプのサウンドが得られるペダル。
まさに王道マーシャルサウンド。GAINの位置によって、ジャリジャリな音からハードなロックサウンドまで使えます。また、SILK DRIVEと合わせて使えば、どんな用途でも活躍できそうです。
MYSTIC EDGE
チャイミーでエッジの効いたトーン。そしてスムーズな歪みもあわせ持った、VOX AC30のアイコニック・サウンド。
VOX AC30の特徴である箱鳴りサウンドなので、ビートルズサウンドやピッキングのニュアンスをつけて弾くならこちらを選びましょう。
CUTTING EDGE
現代の音楽シーンに欠かせないハイゲイン・サウンド。エッジのあるサウンドから厚みのあるサウンドまで、幅広く奏でてくれます。このシリーズの中でも一番歪むエフェクター、またはハードロック系のサウンドが欲しいという方はこちらを選びましょう。
大きなスタックアンプを鳴らしたかのようなサスティーン(音の伸び)と低音の両方を味わうことができます。
その他、上記の4機種全てに
- 真空管サウンドとレスポンスが得られるNutubeを搭載
- ポテンシャルを最大限に引き出す回路設計
- 音を視覚的に確認できるOLEDディスプレイ
を搭載。
特に、新真空管アンプ『Nutube』を使ったサウンドは圧巻です!ぜひお店で感じてみてください。きっとビックリしますよ(笑)。
まとめ
筆者的には”COPPERHEAD DRIVE”と”SILK DRIVE”をJC-120に繋いで、基本の歪みを”COPPERHEAD DRIVE”、クランチ(軽い歪み)を”SILK DRIVE”で作り、ソロのときは両方オンにして強い歪みを作る…といった使い方がおすすめ。(いや、”MYSTIC EDGE”のサウンドも捨て難い…)
ハードロックをやるのであれば”CUTTING EDGE”もいいなあと。まとまりませんね(笑)。
やはりエフェクターは奥が深いです。
それでは皆さま、良い音楽ライフを。