【バンティーオンチューブ★】ひっそり開催される謎の祭「ロックTフェス」に行ってきた@おかず横丁

【バンティーオンチューブ★】ひっそり開催される謎の祭「ロックTフェス」に行ってきた@おかず横丁

それはある日のことだった。

すれ違う人の顔も薄暗く陰る逢魔が時。赤提灯が列を成す浅草鳥越のおかず横丁は怪しい雰囲気に彩られ、商店街のシャッターもまたひそひそ話でもしているかのようにザワめく。

頬を叩く風がそのザワめきの正体であることに気づいたのは、あるシャッターに貼られたポスターを見た時だ。今にも風に剥がされそうなそのポスター。そこにはこう書かれていた。「ロックTフェスVol.7 おかず横丁にバンティーオンチューブ★がやって来る!」と。

--え!?あのバンティーオンチューブ★がおかず横丁に!?

バンティーオンチューブ★とは

雰囲気的に一旦驚いてみたが、私(中澤)も「バンティーオンチューブ★」が何なのか分からない。そこで帰ってググッてみたところ、どうやらバンT(バンドTシャツ)の通販サイトのようである。新品から古着ビンテージまで、海外から買い付けたロックバンドTシャツの通販をしているのだとか。

バンTの通販サイトは種類が豊富な反面、実際の色味などが分かりずらいのが玉にきず。特に海外だとサイズ感が日本と全然違ったりするので、似合うかどうかは結構イチかバチかになりがちだ。そのため、手に取って確認できるこのイベントは結構良いかもしれない。

ロックTフェスに行ってみた

また、7月23日から26日の4日間開催であるところも、なんだか規模が大きそうなオーラが出ている。ひょっとして、おかず横丁一帯がバンTで埋め尽くされたりするのだろうか?

フェスと名乗るからにはそれくらいやるに違いない。オラ、ワクワクすっぞ。

というわけで、フェス開催日におかず横丁に行ってみたところ……。

文字通り、水を打ったように静まるおかず横丁。あれ? ロックTフェスは? 溢れ返るバンTは? 雨天中止だろうか? いや、ひょっとして……。

コレか?

おかず横丁の中腹くらいにテントが設置されていた。中に入ってみると、確かにバンTが飾られている。思っていたよりだいぶ手作り感が溢れていた。

1点ものもアリ

とはいえ、置いてある品はなかなかどうして侮れない。ローリング・ストーンズのバンTはよく見るけど、1978年USツアーのものでメンバーがプリントされたTシャツとか、個人的には初めて見た気がする。復刻かどうかは定かではないが、ちゃんと着れるような状態の良さも嬉しい。

さらに、バンドTをアレンジして作られた靴や帽子なども。意外と可愛いじゃないか。

結局、KISSのバンTをアレンジした帽子と、レッド・ツェッペリンのバンTを購入。バンドTは2,000円くらいで、帽子は一点ものなので少し高く7,800円だった。

主催者に話を聞いてみた

主催者に話を伺ってみたところ、バンTはバンティーオンチューブ★の販売品であり、アレンジ品は自分たちで作っているとのこと。元はバンティーオンチューブ★のファンであり、それが高じてロックTフェスを1年に1回開催するようになったのだとか。ちなみに、おかず横丁でやっている理由は、主催者の1人のアトリエがあった名残だという。

「でも、大体は売れ残って自分たちで買って帰るから毎年赤字なんだけどね」と笑う主催者たち。その笑顔は子供のようだ。

仲間内の祭りになっているというロックTフェス。毎年フジロック前、海の日近辺で開催して2020年で第7回目を迎えた。もちろん、来年も開催予定とのこと。ひっそりとはしているが、ロック好きたちの愛を感じる笑顔に、確かなフェスを見た。

ロック・イズ・アライブ。

中澤 星児