これぞ名器!Martin「D-18」の魅力を徹底解説
今回紹介するアコースティック・ギターは、Martin(マーティン)「D-18」。
「あ、『D-28』と似たやつね」と思われることの多いギターですが、D-18には、同じシリーズのD-28やD-45にはない魅力が詰まっています。
数々の有名アーティストも所有するマーティンのD-18。これを読めば、きっとあなたもD-18が欲しくなるでしょう。
Martin「D-18」とは?

D-18は、アメリカの老舗アコギメーカー、マーティンが販売するアコースティックギター。D-28が製造された翌年の、1932年に製造が開始されました。
マーティンは、伝統を大切にしながらも積極的に先進的なテクノロジーを取り入れており、アコギを一筋に製造し続けている大手メーカーです。
そんなマーティンが販売するD-18は、以下のような名だたるアーティストがメインギターとして愛用しています。
- エルヴィス・プレスリー
- ポール・サイモン(サイモン&ガーファンクル)
- 石川鷹彦
- 福山雅治
- 岩沢厚治(ゆず)
- 吉井和哉(THE YELLOW MONKEY) など
またこのほかにもサブギターとして所有しているアーティストは多数。D-18はそれほどまでに信頼性が高く、優れたアコースティックギターなのです。
Martin「D-18」の特徴
ではなぜ、D-18が多くのアーティストから選ばれているのでしょうか?
次はD-18の特徴や魅力について、詳しく解説していきます。
D-18はMartinの定番、Dシリーズのギター
D-18の「D」とは、イギリスの大型戦艦であるドレッドノート(Dreadnought)の頭文字。
その名の通り、D-18はマーティンが販売しているアコギの中でも、最も大柄なボディサイズを誇っています。
大きなボディサイズさながら、ズドンと響く6弦の音がD-18の特徴。
また、現在販売されているアコギの多くはマーティンのDシリーズを元にしていると言われており、まさにアコギ界のスタンダード・モデルなのです。
サイドバックに「マホガニー」が使われている
D-18は、以下のような組み合わせで構成されています。
- トップ板:シトカスプルース単板(エイジング・トナー加工)
- サイドバック:マホガニー
- ネック:セレクトハードウッド(モディファイド・ロー・オーヴァル)
- ブレーシング:フォワード・シフテッド・Xブレーシング
- 指板:エボニー
- ペグ:オープン・タイプ
D-18とD-28は一様に「よく似ている」と言われますが、全く同じ構成で作られている訳ではありません。ボディのサイドとバックに使われている材料の違いによって、それぞれの奏でる音の響きが異なるのです。
例を挙げると、マーティンのD-28やD-45のサイドバックにはインディアン・ローズウッドが使われていますが、一方でD-18にはマホガニーが使われています。
この「マホガニー」は、J-45やHummingbirdなど、Gibson(ギブソン)製のアコギに採用されることの多い木材。中高音の甘い響く音に温かみがあり、抜けの良さもとても魅力的な木材です(反対に、ギブソンはローズウッドのアコギをあまり取り扱っていません)。
マホガニー製のアコギはローズウッド製のものとは一味違った魅力があり、SSWからバンドのボーカルまで、幅広く人気があります。
魅力的なヴィンテージモデル
D-18のヴィンテージモデルは音が枯れてよく鳴るだけでなく、6弦の低音がとにかく響く、まさに玄人好みの名器。
またD-18の場合、製造が開始された時から現在に至るまで、サイドバックにはマホガニーだけが使われています。
そのため、入手が困難なハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)を使用しているD-28やD-45と違い、1960年代より前のモデルでも、手が届きそうな価格で入手できる可能性があるのです(いや、それでも十分高いのですが…)。
Martinの「D-18」は今僕が最も欲しいアコギ
もし自由に遣えるお金が50万円ほどあるとしたら、僕は間違いなくマーティンのD-18の購入費に充てるでしょう。
今僕が所有しているアコギ、BEFFNICK(ベフニック)のNEOはサイドバックがローズウッドです。
NEOのサウンドは申し分なく最高。D-28やD-45といったローズウッド製のアコギを購入しても、満足できないのでは? と思ってしまうほど(そもそもD-45は50万円ではまず買えませんが…)。
そこで欲しくなってくるのが、D-18のようなマホガニー製のアコギです。
しかしギブソン製アコギのうち、J-45やJ-50はサウンドがあまり好みではありません。
Hummingbirdは過去2回所有したことがあるため、次にマホガニーのアコギを買う時は、D-18が最適であると考えています。
お金を貯めて生活に余裕が出たら購入したい、そしてD-18を掻き鳴らしたいと、日々妄想に耽っています。
D-18は、D-28と同じく全国の楽器屋で販売されています。気になる人はぜひ近くの楽器屋に足を運び、実際に試奏をして、D-18の魅力溢れる音に触れてみてはいかがでしょうか。
小林だいさく
