【インタビュー】『ミスSPA!』初代グランプリ・山田愛穂(うたた寝シエスタ)──常に「素の自分」を晒け出すことの所以

【インタビュー】『ミスSPA!』初代グランプリ・山田愛穂(うたた寝シエスタ)──常に「素の自分」を晒け出すことの所以

アイドルグループ・うたた寝シエスタでリーダーを務める、「山ちゃん」こと山田愛穂(やまだまほ)。彼女はアイドルでありながら、活躍の場はステージの上のみに留まらず、グループのプレイング・プロデューサーを兼任、また雑誌・週刊SPA!が主催する新人発掘オーディション『ミスSPA!』にて、初代グランプリの栄冠を手にした。

今回は、「飲兵衛アイドル」としても知られる彼女へインタビューを実施。総勢82名の美女が集う1次選考を勝ち抜き、2次、そしてファイナルへの階段を駆け上るまでの軌跡をなぞらえていく。実直に生きる彼女のアイドル人生と、アイドルへの強い想いを語ってもらった。

取材/文=すなくじら
編集/写真=翳目

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食品メーカーで働きながらアイドルやってたんです

──愛穂さん、はじめまして。今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介からお願いします。

山田:お酒大好き! 歌って踊れる飲兵衛アイドル、山ちゃんこと山田愛穂です。今日はよろしくお願いします。

──ありがとうございます! まずは愛穂さんのご自身のことをお聞きしたいのですが、そもそもどうしてアイドルになろうと思ったんですか?

山田:運営さんにSNSを通じてスカウトしてもらったことがきっかけでした。でも当初はずっと断ってて。というのも、元々ハロー!プロジェクト(通称:ハロプロ)がすごく好きだったんですけど、だからこそ地下アイドルに対して少し抵抗があったんです。これは今もですが、やるからには武道館まで行きたいなっていう気持ちも人1倍最初から強かったんですよね。でも「1度でいいから会いたいです」って運営さんが言ってくれて、そこも含めて話をしてみたら「逆にこういう強い意志でチームを引っ張ってくれる子に会いたかった!」って言ってもらえて。人生1度きりだし、飛び込んでから考えてみるのもアリだなと思って、今に至ります。

──今って「アイドルになりたい」っていう気持ちが先行してSNSに注力する子も多いと思うんですけど、元々SNSを通じてアイドルを目指そうっていう願望はあったんですか? 

山田:ないですね。 当時見つけてもらったアカウントも、一時期学生団体が主催するファッションショーに出てて、その時に頑張ってたアカウントで。正直、大学卒業後はそのまま就職するつもりだったので、 こういうご縁でアイドルになるとは全く思ってなかったんです。

──そうだったんですね。ちなみにご出身はどこですか?

山田:栃木です。元々色んなことに挑戦してみたいタイプで、やっぱりそうなると東京に出たいなっていう気持ちが大前提にあって。 ダンスが好きだったので、競合のダンスサークルに入りたいな〜とも思っていたんですけど…やっぱりそれだと(自分の中で)選択肢が狭まってしまうので、大学に入るタイミングで上京しました。

今回取材を行ったのは、吉祥寺にある居酒屋『日本酒庵 吟の杜』

──愛穂さんはダンスがお好きなんですね。 ダンサーになりたいとは思わなかったんですか?

山田:特に思わなかったです。当時は映像クリエイターになりたかったので…。実はインターンとかもちゃんと行ってたんですよ。内々定も映像系の会社でもらってて。しかも大学2年生のうちに。笑 ただ、その会社が潰れてしまい…。OLとか営業職で探し直してる最中にスカウトしていただいて、今に至ります。

──とてもしっかりしてますよね…。最初から専業アイドルとして活躍したいとも思わなかったんですね。

山田:ずっとアイドルをやるにしても、就活はしなきゃって思ってました。両親が正直最初はアイドルをやることに対して肯定的ってわけでもなくて、結局一般の食品メーカーに就職したんです。

──アイドルと仕事の両立って、正直なところ大変じゃないですか?

山田:世間の流れでリモートワークが主流になったのはある意味ラッキーだったかなって思います。ただ営業職なので成績評価が厳しかったりして、その点で言えば両立するのが辛かった時期もありましたね。

ハロー!プロジェクトの背中を追いかけて

──先ほどご家族の話が出ましたが、愛穂さんの家族構成と幼少期について教えてもらえますか?

山田:父と母と、5歳年の離れた妹がいます。妹とは仲悪くはないんですけど、私からの連絡に対して基本塩(対応)です。笑 「ダイエットってどうしたらいいの?」とか「おすすめのコスメ教えてほしい」みたいな相談は結構来るのに、全然構ってくれない。笑 家がカラオケ屋と中華料理屋をやってた背景もあって、幼少期から歌うのは本当に好きでした! 一時期声優を目指したこともあるくらいです。でも高校の時に所属していた放送部で挫折して、声優はちょっと向いてないかな…って思いました。

(引用:本人Twitter

──歌はご家族の影響もあったんですね。ちなみにダンスは何がきっかけだったんですか?

山田:私が学生の頃、ニコニコ(動画)の『踊ってみた』が流行ってたんですよ。それがきっかけでダンスを始めましたね。スクールにも通ってました。

──『踊ってみた』も含めて、愛穂さんはネットカルチャーがお好きなんですね。

山田:そうです! アニメとか配信を含めて、ネットカルチャーだったり二次元がすごく好きです。ツイキャスも高校生の時よくやってたんですけど、学校の子にバレてやめました。笑 アニメは「とらドラ!」が特に好きです。

──カルチャーの部分に繋がるところではあるんですけど、今回音楽メディアでの取材ということで、普段どんな音楽を聴くのか教えてください。

山田:バラードからシティポップまで何でも聴きますね。アニソンもバンドも聴きます。お父さんは長渕(剛)ばっかり聴いてたので、特に誰の影響ってわけでもないんですけど…。笑 ダンスで踊りたい曲を探してるうちに出会う機会も多くて。音楽って感情に寄り添うものじゃないですか。だから、夜とかしっとり聴きたい時はshowmoreさんとか…。あとはその日の気分に合わせて、新しいものも古いものも聴きます。

──アイドルだと、やっぱりハロプロ?

山田:ハロプロですね! 歌が好きなんです。だからこそ、アイドルを始めた頃はMIX文化になかなか馴染めなくて。 ハロプロの現場って歌を聴いてるイメージが強いんですけど、それに対して地下の現場って、MIXがあることが前提だから「オタクが盛り上がってて歌聴いてないじゃん!」って最初思っちゃって。笑 曲もMIX文化ありきの、キャッチーさを含めて作られてる曲が多いじゃないですか? 現場って色んな形があるから楽しめるのに、当時はハロプロの楽曲への愛が強かったので、そこにとらわれてた部分はありますね。

(引用:本人Twitter

──その印象って、今具体的にどう変わりました?

山田:今はMIXがないと寂しいな、って思います。ファンの人が目の前にいて、楽しそうにしているのが好きなんですよね。最初はとにかく「もっと自分が質の高いパフォーマンスをしなきゃ!」ってずっと思ってたんですけど、ある時を境にそれって結局自分本位なんじゃないかって感じるようになって。MIXへの考え方も含めて、観てくれる人が増えれば増えるほど、ファンの皆に本当に楽しんでもらえるにはどうしたらいいかなってより突き詰めるようになりました。

ファンがアイドルで病んで、アイドルがファンで病むのは健全じゃない

──愛穂さんは本当にファン想いなんですね。ファンの方の優しさだったり、ライブハウスで生まれる暖かさみたいなものも自然と伝わってきます。

山田:いわゆる「厄介オタク(アイドルの現場でマナーを守らないファン)」がいないんですよね。笑 私自身も素の自分で接してますし、ファンの人に怒ることもあるんですよ。 

──えっ、怒るんですか? それはなんで?

山田:人が集まる現場っていうコミュニティでほかのファンの方に迷惑をかけてしまったり、メンバーに対して好きが有り余って試すような言動をしてしまう人ってたまにいるじゃないですか。そういう人に対して笑って流すんじゃなくて、割と真っ向から注意することもあります。だからこそ、今応援してくれてるファンの方って私だけじゃなくて現場のことも本当に大切にしてくれるんですよね。今私を観ていてくれるファンの人との信頼関係は家族並みに厚いんです。

ファンがアイドルで病んで、アイドルがファンで病むのは健全じゃないし、なくしたいなって思います。実際そういうちゃんとした現場の空気感が好きで来てるよって言ってくれるファンの方もいるので。特にリーダーになったタイミングで、私がそういうグループを積極的に作っていかなきゃなっていう自覚が生まれましたね。

──そういう愛穂さんだからこそ好きだっていうファンの方も大勢いそうですね。愛穂さんがうたた寝シエスタに加入してから活動開始までの経緯ってどんな感じだったんですか?

山田:まず私がオーディションで入ったのが2019年の10月初旬くらいで、グループのデビューが11月17日だったんですね。だからデビューまで1ヶ月しかない状況で曲やフリを覚えてステージに立つ、みたいな。当時まだ全くファンもいなくて、 対バンとかお客さん1人の時とかもあって「本当にこんなことあるの?」って思ったりして。笑

そこからメンバーチェンジを筆頭に結構バタバタしてて、体制が整うまで半月ぐらい私だけのソロでライブに出てた時期があったんです。それを経て、チームをまとめる役割としてリーダーと「こういうことはもうないように」ということでプレイング・プロデューサーを兼任することになりました。

──なかなか壮絶なデビューですね…。うたた寝シエスタって、愛穂さんから見てどんなグループですか?

山田:うたた寝シエスタのコンセプトは「夢の世界のエンターテイナー」です。遊園地とかって、入場料は高いけどその分対価として心から笑顔になれる空間を提供してくれるじゃないですか。だから、うたた寝シエスタもそういう場所を作れるグループでありたいと強く思います。

(引用:本人Twitter

──「エンターテイナー」として常に楽しませる側でいることって、綺麗な部分だけじゃなくて、辛いこともたくさんあると思うんですけど、その辺りはどうでしたか。

山田:辛いことですか……。(考え込む) たくさんあったはずなんですけど、アイドルっていう職業自体がそもそも自分にすごくハマっていて。辛いことすらも割と楽しんできた節があるので、本当にないんですよね。お金だけを求めたら世の中色んな仕事があると思うんですけど、「こんなに頑張ってるのには割に合ってない!」って思うことも全くないです。逆に、チェキ代やチケット代で(お客さんが)1回のライブに使う額が1万円だったとしたら、特典会も含めて私たちの作り上げるライブがその1万円の価値に見合ってるか? っていうのは深く考えちゃいますね。

──なるほど、さすがです。そのアイドルとしてのプロ意識の高さやバイタリティって、誰かから刺激を受けて触発されたものなんですかね。

山田:刺激自体はメンバーも含めて、お仕事で会う人からは常に受けてます。でもやっぱり自分が一番奮い立たされる瞬間は大好きなハロプロのライブを観ている時ですかね…。 ハロプロのライブを観てから自分のライブを観ると「悔しい」っていう気持ちも大きくて、自分はまだまだだなって思います。

ファンとの二人三脚で勝ち取った『ミスSPA!』グランプリ

──ここからは、愛穂さんが『ミスSPA!』初代グランプリの栄冠を掴んだ時のことについてお話を聞きたいと思います。まず、『ミスSPA!』にエントリーすることになった経緯を教えてください。

山田:事務所にオファーが来たんです。ただ正直週刊誌ってグラビア色が強いイメージがあったので、 最初はアイドルとしてどうなのかな…って悩みました。グラビアの経験もなかったですし。でも、1次審査を突破すると誌面に載るって聞いたんです。 ちょうどその頃、グループを卒業する子もいて新体制になるタイミングだったんですね。 しかもコロナの影響でアイドル業界全体が沈んでいる背景もあって、「自分がタイトルを獲ってグループの認知度を上げたい」っていう一心でエントリーしました。でもSPA!は全国誌なのでライバルの人数も多いですし、グラビアアイドルの方のファン層(と自分のファン層)は違うと感じてたので、いけても2次までだろうな、と思ってました。

『ミスSPA!』撮影会にて

──そうだったんですね。2次までしか通らないと思ってた中で、今回タイトルを獲れた理由って何だったと思いますか?

山田:ファンの方と築いた団結力の強さですね! ファンの方が私の想いをすごく大事に汲んでくれて。「山ちゃん! それだったら1次は1位で通過しないと意味ないよね」みたいな。笑 母数としては、正直ほかの子に比べると多い方ではなかったと思うんですけど、一人ひとりが私と一緒にオーディションに向き合ってくれて…もうこれは一概にファンの方のお陰だと思います。あとこれは笑い話なんですけど、後日皆(選考時の課金のために)クレジットカードが止まってましたね。笑 でも、そのぐらい真剣に『ミスSPA!』のオーディションを一緒に背負ってくれた証だと思ってます。

──『ミスSPA!』での撮影って緊張しました?

山田:そもそも、勝ち負けの評価がある撮影って初めてだったんですよね。特にファイナルは本当に緊張しました…。ライバルも自分も、ポイントの重みを把握していて、しかもプロ意識も当然持ってるので。でもその分刺激を受ける場面もありましたね。「楽しい撮影会」っていうよりはファンと一体になって、「ここで勝たなきゃな」っていう、良い意味で緊張感のある撮影会でした。

──グランプリを獲った時の心境ってどうでしたか?

山田:私、配信部門では3位だったんですよ。もちろん嬉しい気持ちはあったんですけど、配信でファンの方が頑張ってくれた分、全部門で1位っていう形で返せなかったことがすごく悔しかったんです。でも同時に、「ミス」っていうのは選ばれなかった人の分も背負って、きっちり自信を持ってその場に立たなきゃいけないなっていう、ある種の責任感みたいなものも感じました。「悔しい」って言ってるだけじゃなくて、この先は応援してくれたファンの方に感謝をするフェーズなんだなと。

ファイナリストの撮影は沖縄で実施された

──グランプリを獲る前と後で、変化したことってありますか?

山田:特典会の時の会話で、『ミスSPA!』について触れてもらう機会がすごく増えました。あとは…包み隠さず言えば、フォロワー数が圧倒的に増えました。笑 インスタは2000人ぐらいかな? 増えましたね。

──元々、配信やSNSに対して抵抗はなかったんですか?

山田:繰り返しになるんですけど、昔ツイキャスをやってたんですよ。ただ、トークテーマを縛るような配信はあんまり好きじゃないので、基本的にどんな配信も素の自分で話していますね。『ミスSPA!』の時は基本的にお酒を飲む配信が多かったかな。普段の配信は雑談がメインで、スナックの会話みたいなノリで配信してます。笑 ファンの人もその日あったことの愚痴を言ってきたりして、皆でワイワイしてますね。

飲めるようになればなるほど色んな味が楽しめるようになるので、奥が深いなって

──愛穂さんは自他共に認めるお酒好きなんだとか…。

山田:そうなんです。本当にお酒がすごく好きで。笑 アイドルになったばかりの頃「お酒が好きなんですけど、アイドルって公に飲んじゃいけないんですか?」って事務所に聞いてました。笑 しばらくして事務所から許可が下りて、SNSでお酒が好きだってことを発信し始めたら、お酒に関する仕事とかもちょくちょく来るようになったんですよ。 デビュー前はマックスむらい(実業家兼YouTuber)さんの番組に呼んでいただくっていう貴重な機会もあったりして。

──「お酒が飲めるアイドル」っていうセルフ・プロデュースは、愛穂さんの素の自分を見せるスタイルと深く繋がっているように思います。

山田:完全にそうですね。「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」っていうタイプだから、素の自分とアイドルとしての境界線があまりないんです。ファンの方が「山ちゃん、お疲れ!」って自分のドリンクチケットを渡してくれて、それで物販中にお酒飲んだりもしますよ。もちろんライブハウスが許してくれる場合に限りますけど。笑 『ミスSPA!』の配信でも「飲みキャラ」がウリだったので、最終日はクライナ一ファイグリングを箱で買って全部飲みました!笑 これもセルフ・プロデュースっていうよりかは、素の自分を出してる感覚ですね。 

アイドルとしてキャラ作りをして、(より良く見せるために)計算して…っていうのは、自分にはあまり向いてないのかなって感じます。前提として、何でも受け入れてくれるファンの方の存在がすごく大きいんですけどね。

──家で飲む機会も多いんですか?

山田:飲みますね。ファンの方が差し入れで缶ビールをくれることも多くて。イベントだと瓶の焼酎とか、日本酒をもらうこともあるので、美味しくいただいてます!

──愛穂さん、本当にお酒が好きなんですね。というわけで、今日は愛穂さんにこれからお酒のレビューをしてもらおうと思います。

山田:えっ! やったー!

──どれにします?

山田:日本酒が好きなので……あっ、これにします! 千葉の九十九里のお酒、「OCEAN99」です!

(「OCEAN99」がテーブルに届く)

──お味はどうですか?

山田:結構甘いですね! サトウキビみたいな甘さ。ツンとしすぎず、鼻から抜ける感覚がします。普段日本酒を飲まない方でも飲みやすい味だと思います。塩辛とか、癖のあるようなお料理でもしっかり合いそうです。美味しい!

──ところで、愛穂さんが日本酒を好きになったきっかけってなんですか?

山田:元々、日本酒を豊富に取り揃えてる居酒屋でバイトしてたんです。それで、やっぱり色んなお客さんに日本酒の種類とか、味について聞かれるので「ちゃんと答えられるようにしよう!」って思って勉強し始めたのがきっかけです。でも「勉強」というよりは普通に日本酒が好きになっちゃいましたね。

それまでは正直、日本酒って「罰ゲーム」のイメージが強くて。 そのお店で初めてちゃんとした日本酒を飲み比べてみて、まず銘柄ごとに味が違うんだなって知って「日本酒って美味しいし、楽しい!」って感動しましたね。あとは、その時好きだった日本酒が年を重ねて飲んでみたら苦手になったりとか、年齢によっても結構感じ方が変わったりして、それもまた面白いですよね。私、最初「尾瀬の雪どけ」(群馬)がすごく好きだったんですけど、今飲んでみるとなんだか甘すぎちゃったりして。飲めるようになればなるほど色んな味が楽しめるようになるので奥が深いなって思います。

──日本酒の中でも、好きな銘柄ってありますか?

山田:迷うなあ。いくつか挙げてもいいですか?

──もちろんです!

山田:1つ目は、農口尚彦研究所(石川)の日本酒。さっきお話した元バイト先の居酒屋で、その日本酒が期間限定で入ってたんです。既に日本酒好きな人の間では話題になってたので飲ませてもらったんですけど、「これはヤバい!」ってなりました。笑 杜氏の農口尚彦さんは「酒造りの神様」って呼ばれてるんです。ちょっと値段は高いんですけど、価格が気にならないくらい本当に美味しいんですよね。ラベルもおしゃれだし(併設のテイスティングルームで提供される)ぺアリングのご飯も信じられないぐらいハイクオリティなんですよ! 美味しすぎて自分で一升瓶で買いました。笑 燻製チーズとか、生ハムとリンゴ、みたいな組み合わせが特によく合います。

──ほかには?

山田:私は基本食中酒が好きなんですけど、中でも「冩楽」(福島)がすごく好きです。「冩楽」って食中酒用に造られてるんですよ。だからドライなんですけど辛すぎない、フルーティーさもあるので飲みやすいですね。ほかの食中酒だと「大信州」(長野)も好きです。

──凄まじい知識量ですね…。

山田:いつかもっと日本酒関係のお仕事がしたいなと思っているので、そのためにも(日本酒に関わる)資格は取りたいですね!

──ありがとうございます! 最後に愛穂さんの今後の目標を、グループと個人、それぞれ教えてください。

山田:グループとしては、もう新体制になったっていうこともあって、まずは500人キャパのライブでしっかりとチケットを売り切ってライブしたいです。あとは、ほかのメンバーにも何かタイトルが付くようなものに挑戦してもらいたいなと思っています。皆キャラが濃いので(笑)、メンバー全員がそれぞれの武器で活躍していけるように、私も頑張りたいなと思います。

個人としては、今回『ミスSPA!』でグランプリを獲らせていただいて全国誌に載るっていう目標を達成したので、今度は「全国放映」が目標です。全力坂とか。笑 お酒の番組でも良いし。これからも全力で活躍の場を広げていきたいです!

「オタクは推しに似る」という言葉がある。アイドルグループ・うたた寝シエスタのリーダー、山田愛穂。彼女を取材してみて思ったことは徹底したアイドルとしての高いプロ意識と、どんな時でも笑顔を絶やさない、ありのままの自分いるからこその強さだ。かつてここまでファンのことを本気で考えて、共に歩もうと寄り添ってきたアイドルがいただろうか。『ミスSPA!』での苛烈な競争の場でさえ彼女のファンが真っすぐに彼女を応援し続けたくなるのは、配信やステージといった彼女と過ごす日々の中で、その裏表のない本物の愛に触れているからだろう。

自分のファンだけではなく、メンバーも含めた現場という環境づくりにも徹底的にこだわる彼女の話を聞いた時、今をときめくアイドルグループのリーダー、歴史ある週刊誌のミスコンの絶対王者、お酒が好きな1人の女の子という3つの側面は本当にどれもが「山田愛穂」であり、いわばそれらはあくまで要素として三面鏡のように違う角度から彼女のことを映し出しているだけであることを思い知った。グラスに継がれた黄金色のビールを片手に「私、アイドルって職業が好きなんです」と屈託のない笑顔を見せた彼女の表情が、インタビューから少し時間が経った今でも忘れられない。

YoutuberやTikTokerではなく、アイドルが提供できる価値の1つにリアルな環境での接触が挙げられるが、山田愛穂という人物はアイドルやグラビアモデルの枠組を超えて、我々の心に生の声で呼びかけてくる。インタビューではあまり弱さを見せることのなかった彼女だが、時には人知れず涙を流すこともあるのかも知れない。それでも、彼女はきっと前に進むのだろう。傷も涙も全部ひっくるめて生まれた温もりのある強さこそが、山田愛穂らしさなのだから。

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山田愛穂

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すなくじら