【インタビュー】「何が起こるか分からない」──Black Country, New Roadと動き出す緩やかな未来

【インタビュー】「何が起こるか分からない」──Black Country, New Roadと動き出す緩やかな未来

3年ぶりに海外アーティストを招いての開催となった『FUJI ROCK FESTIVAL ’22』(以下フジロック)。最終日、SNS上では「彼らがベストアクトだ」という感想をよく目にした。そのアーティストとは、待望の初来日となったBlack Country, New Road(以下BC,NR)だ。時には力強く、時には繊細に紡ぎ出す音楽とエモーショナルなステージに心が揺れ動いた人も多いだろう。中でもライブ終了後に涙を流したメンバーと抱擁するシーンは、今年のフジロックを通しても特に印象的な瞬間だったと思う。

今回はそんなBC,NRから、タイラー・ハイド(Vo. Ba.)とルイス・エヴァンス(Vo. Sax. Fl.)がmusitのインタビューに応じてくれた。当日は彼らの拠点でもあるサウスロンドン在住のライター・Kaede HayashiとZoomを繋げ、通訳を介さず互いにストレートな胸の内を投げ合いながら実施。時に冗談を交えながら話してくれる彼らの姿は、アーティストというよりも親しい友人のようにさえ感じた。フジロック初出演の感想からこれまでメイン・ヴォーカルを務めてきたアイザック・ウッドの脱退、そして次回作の構想に至るまで真摯に言葉を紡いでくれた2人の貴重なインタビュー。是非最後まで目を通してほしい。<musit編集部>

インタビュー/文=Kaede Hayashi
編集=翳目
写真=井上恵美梨

* * *

「本当に優しくて柔らかな瞬間」が作り上げられた、特別なステージ

──今日はありがとうございます。一ファンとしてBC,NRが本当に好きなので、緊張し過ぎて昨夜は眠ることができませんでした。笑

ルイス:同じだよ! でもこっちは多分、時差ボケかな。笑

── 笑。 早速ですが昨日出演したフジロックのステージについて教えてください。待望の初来日でした。日本でのライブはいかがでしたか?

タイラー:とても素晴らしかった。私たちの演奏だけがどうこうというわけじゃなくて、全て含めてとても良いライブだったんだ。それは自然に囲まれたロケーションだったり、フジロックというフェスでライブをする、ということだったりね。私たちが住んでいるイギリスから日本って、まさに地球の反対側でライブをしているのに沢山の人が観に来てくれたことが、本当に信じられなくて衝撃的だったな。ライブの終わりには涙が出てしまうくらい感動してしまったし、本当に最高だった。

──あの瞬間はとても印象的でした。僕もYouTubeの生配信を観ていたのですが、思わずつられて泣いてしまったぐらいです。セットリストが全て新曲ということもあり、かなり緊張したことだと思います。

ルイス:ああ、確かに。6月…、5月だっけ?

タイラー:5月で合ってる。

ルイス:そう、5月から僕らは新曲だけでライブをしてきた。この数ヶ月は新曲をタイトで良い音に仕上げるために調整してきた期間でもあったんだ。多分、まだそこに到達していないけどね。でも今の所、ライブでは上手く演奏できていると思う。だから新曲だけでライブをすることについて、あまりプレッシャーはなかったかな。ただあんなにも沢山の人が僕らのライブに来てくれているのを見た時は緊張したね。あれはかなりヤバかった。日本に行くことが滅多にないってこともあるけど、ちょっと頭が真っ白になったよ。でも本当に最高の経験だった。それに僕らがこうしてライブができたのは本当に素晴らしいことだと思う。音楽を愛してくれている人たちの前で演奏することができるんだ。まだ新曲をリリースしてもいないのにね。それでも僕らの音楽を聴きに来てくれる人たちがいるということはとても光栄なことなんだよ。

──僕自身、イギリスに来てからライブでのお客さんの雰囲気の違いに驚くことが多いです。もちろんどちらも好きでどちらが良い悪いという話ではないのですが、演者側からもそういう違いを感じたりしますか?

タイラー:日本のオーディエンスのような人たちがいてくれることはとてもありがたいよ。というのも、私たちのパフォーマンスには「本当に優しくて柔らかな瞬間」があって、それは終始ガヤガヤと喋っているお客さんがいる時にはなかなか感じ取れないものだと思うから。1週間ぐらい前にロンドンで演奏した時もそうで、曲を始めるためにフロアを黙らせなければならなかったんだ。そういうこともあったから尚更感じたのだろうけど、日本のお客さんは私たちをとてもリスペクトしてくれていた…! もちろんオーディエンスの雰囲気については事前に聞かされていたから、演奏する前はある意味大変だったかな。ライブを静かに観てくれることを怖がる人もいるからね。でも私たちにとってはその静かさがとてもありがたいよ。私たちにとってはね。

ルイス:僕は本当にあのオーディエンスを好きになったよ。今、僕たちはバンドのキャリアの中でも、かなり良いステージで演奏している段階にいるんだ。巨大なステージに大物アーティストの前の枠でって感じ。でもこういったフェスでは早い時間の出番が多いから空もまだ明るくて、演奏している時にオーディエンス全員の顔を見ることができるし、イギリスではお客さんが絶えず出入りしているのが分かるんだ。そしてその人たちの顔も見ることができる。(飽きている人の顔真似)

タイラー:笑。手に持っているのもこんな感じにね。(ペットボトルで手遊びしてる素振り)

ルイス:これはイギリスだけじゃなくて、ヨーロッパでも同じことがあったんだよ! 数週間前にリトアニアで演奏していた時、僕は高音パートで本当に歌いづらい所を歌っていたんだ。緊張して空を見ていたら、たまたまその顔が目に入ってしまった。そしたらもう本当に気になっちゃって!  僕のひどい歌声を聴いて、にやにやしている人も見たことがあるんだよ!笑

──そんなこともあるんですか!笑

ルイス:日本のお客さんはマスクを着けていたから表情が明らかではなくて良かったよ。笑 もちろん、良いと思った理由はほかにあるんだけどね。昨日のライブにいた人たちもそうだけど、BC,NRを好きで観に来てくれた人も、ただただ通りがかっただけの人もいると思う。でも皆がライブの間はずっとそこにいてくれたんだ。全員が僕らの音楽を気に入るわけじゃないってことはよく分かる。それでも最後まで残って聴いてくれたんだ。例え気に入らなかったとしてもね。イギリスではそんな我慢強い人はいないから。

タイラーがいつも「フジロックは世界一のフェス」だと話してたから、観て回らないなんてもったいない!と 

──フジロックのロケーションや雰囲気も含めて、あの場所で観られることがとても羨ましかったです。僕はフジロック前にハックニー教会でBC,NRを観たのですが、確かに少し困り気味でしたね。笑

ルイス:ずっとパタパタしていたよ。笑 今やっている曲の中にメイ(Key.)だけで始まる曲があるんだ。本当に彼女の歌とそのピアノだけだから僕たちは皆座っていたんだけど、お客さんがずっとガヤガヤしている気がして、フロアに静かにしてくれって求めたんだよね。

タイラー:それで上手くいかなかった。笑

ルイス:上手くいかなかった!笑 彼らはまだまだガヤガヤしていた。もし喋りたいなら教会みたいな静かな部屋にいたらいけないよ。笑

タイラー:あの日の教会って本当に暑かったよね。汗もすごかったし。でも私たちよりフロアにいる人の方が大変なはずだと思う。だからなんでそんな大変な状態を選んでまで聴かないことを選ぶのか分からない! それならむしろ私は外にいるよ。笑

──ライブはもちろんですが、フジロックの雰囲気はどうでしたか? ステージではほぼ全員がフジロックの公式フェスTシャツを着ていたり、TwitterではBC,NRのメンバーと遭遇したというツイートも沢山見かけたりと、とても楽しんでいるように見えました。笑

ルイス:タイラーはフジロックに何度か来ていたこともあって、僕らにいつも世界一のフェスだと話していたんだ。だから今年のラインナップをチェックしただけでもう彼女の言うフジロックを信じようと思ったんだよ。笑

──アーティストの皆さんはバックヤードにいることが多いと思っていたので、少し新鮮でした。

ルイス:このフェスは控え室やバックヤードのテントで座っているだけなんて、本当にもったいないと思うくらい素晴らしい環境だったからね。だから僕らもちょこちょこと歩き回ったよ。貰ったTシャツも本当にクールだったし、このフェスとその雰囲気が大好きなんだ。もちろんアーティストも良かったね。Jack Whiteはステージで大暴れしていたし、Dinosaur Jr.も。笑

タイラー:Superorganismもそう! 良かった!

ルイス:最高の週末だったね。

タイラー:フェスでアーティストを見に行く時間がちゃんと取れるなんて滅多にないんだよね。だからそれは活かさないとなって。

Black Country, New Roadのままでいる、以外の選択肢はなかった

──次はアイザックがバンドを離れてからのことをお聞きしたいです。バンドはとても難しい状況にあったと思います。活動を続ける決断は早かったのですか?

タイラー:うん、そうだね。最初は休んでいたんだけど、今考えるとそうではなかったのかな。きっとちょっと立ち止まって、皆の気持ちを確認する時間だったんだと思う。私にはその時間はとても早く感じたかな。

ルイス:1ヶ月ぐらいだったよね。クリスマスを挟んで。

タイラー:多分、1ヶ月もないくらいだよ。でもそんな少しの休みの間でさえ、私たち全員がこれからも一緒に演奏を続けていくということは分かっていたと思うんだ。だけど「Black Country, New Road」という名前のままで活動するか、それとも別の名前にするかは判断が分かれる所だった。でも結局こうなったのは、やっぱり私たちが親友で一緒に演奏したり、作曲したりするように活動してきたからなんだ。だから考えるまでもなかったね。笑

ルイス:選択肢はなかった。笑

タイラー:笑。これが理由かな、皆知ってると思うけど。

ルイス:それとバンドが「Black Country, New Road」として活動することを決めた時のメモにも書いてあったと思う。僕らのほとんどはこの名前を残したいと思っていたけど、その中でもアイザックが断固として残してほしいと言っていたんだ。名前を変えてしまうことは、僕ら6人のバンドへのエネルギーが弱まってしまう気がするっていうのが彼の言い分かな。つまり、バンドを継続させることが重要であるように感じたんだ。

──僕が先週観に行ったBC,NRのライブでもアイザックを見かけて少しびっくりしました。彼は元気ですか?

タイラー:というよりは今でも仲良しだよ。笑

ルイス:僕らにとても協力的だし、アイザックもアイザックで日々の生活を上手くこなしてると思う。自分の家から数分の所に住んでいるしね。会う度に元気そうで何よりだよ。

──彼がバンドを離れてから作曲のプロセスは変わったりしましたか?

ルイス:そうでもないかな。元々曲の骨格になる部分はアイザックやルーク(Gt.)から来ていたんだ。2人とも一緒に住んでいたからね。今まではそれが曲の基本形になって、スタジオに持ち込んで、それからエンジニアと仕上げる…、今はただその骨格が違う所から来ているだけなんだ。でも今のセットリストの中でタイラーがメインの4曲は、元々がタイラーとギター、タイラーとピアノみたいに、一緒にやって生まれたものをバンド全体に持ってきているよ。僕自身も僕とピアノから始まって、メイも同じようなプロセスでバンドに持ってきた。そのプロセスが僕らにとって本当に上手くいっていると思う。とてもオープンでちゃんとコミュニケーションを取りながらっていうプロセスだね。誰も傷つけない良い音楽だ。良い音楽…だと思うよ!笑

タイラー:笑。重要なのは「エゴを捨てなければならない」ということかな。例えば曲の骨格を持ち込む人は、その曲に対して何の執着も持っちゃいけないと思うんだ。もし変えた方がいいと思う人がいれば、部分的に手放したり、移動させたりすることも厭わない。やっぱりとてもオープンだね。

ルイス:唯一、作詞は今まで誰もいじったことがない部分だと思う。でも、もし誰かが僕の歌詞に手を加えても気にしない。なぜならそれは僕の最も苦手な音楽の分野だと思うから。自分はまだ成熟していないなって感じる。だけど皆は本当にそう思っていないんだ。歌詞は一番鼻につく部分ではあるけど、とても分かりやすい個人的な表現だし、自分の内面を発しているようなものだからかな?

タイラー:例えば私が書いた歌詞に、元彼と別れたとか暗い過去の経験を歌っている部分があるとして、ルイスがその部分に対して「変えてほしい」と言ってきたら私のことが嫌いだと言っているようなものだよね。笑

ルイス:確かに。笑 強いて言えば「歌詞を変えたけど、ほかには何も起きてない?」って確認するような感じかな? でもこれは話し合いではないし…。前のインタビューでも、しっくりくる言葉を忘れてしまったんだけどなんだろう。

タイラー:ディベート?

ルイス:ディベートでもないし…。とにかく、まあそんな感じかな。笑

オリジナルの意味よりも、リスナーが自分なりに解釈できる形に持っていく方が重要かな

──今でこそBC,NRはイギリスのみならず、日本も含め世界中のフェスに招待されています。少し聞きづらいのですが、バンドが大きくなる度にプレッシャーを感じることはありますか?

タイラー:プレッシャーか…。プレッシャーというよりはシュールな感覚だよね。それこそ昨日はライブ前のセッティング中に、BC,NRのTシャツを着ている日本のお客さんを見かけたけど正直びっくりしたよ。信じられなくてあれはちょっと笑っちゃった。笑

ルイス:奇妙だった。笑

タイラー:でもライブが終わったあと、BC,NRの音楽が世界中の人たちに伝わるということに感動したんだ。以前から感じていたけど、私たちの音楽は普遍的で好感が持てて、親しみやすいということを再確認したんだよね。サウンド的にも私たちの音楽には「ノスタルジー」という言葉がぴったりだと思う。そしてそれは世界中のほとんどの人に通じるものだろうから。

ルイス:昨日はフロアの前方に印象的な青年がいたんだ。彼は僕たちの1stアルバムの時のプレス写真を使ったTシャツを自作していて、僕らのライブ中にずっと泣いていたんだ。もちろん僕は彼の名前すら知らない。でもそのことがとても心に残っているんだ。特に悲しくない場面でさえ、彼はただただ泣いていた。本当に素敵だと思った。だからライブが終わったあと、彼と彼の彼女に挨拶に行ったよ。印象的に思えたのは、僕らは母国語として英語を話していて、歌詞も全て英語で書かれているという事実があったからなんだ。もちろん日本では日本語が話されているように、日本にいる彼も英語が達者というわけではなかった。でも彼の中でBC,NRの音楽は感情と結びついていたんだよね。歌詞だけじゃなくて、音楽そのものとして繋がっているんだ。それは本当に素晴らしいことだと思ったよ。

タイラー:私たちの作曲のやり方が結構内側に向いているのもあるのかな。長い間、親友と過ごしているとその間柄でのジョークだったり、お互いの理解だったりが曖昧になって心配になってしまう時もあるし。だからこうやって公の場に出して、それを皆が受け入れて共感してくれるというのはとても嬉しいな。

──セットリストにある新曲は、そのどれもが「何かを失いながらも前に進んでいく意志」のようなものを感じます。歌詞など含めそういうコンセプトがあるのでしょうか?

ルイス:どれも偶然の産物みたいなものだね。多くの人が歌詞は全てバンドのことだと考えているけど、ほとんどの歌詞はそうではないんだ。それこそ僕の最初の曲は別れの歌だったけど、歌詞はバンドについて歌っていると解釈することもできると思う。

タイラー:(「Up Song」にある〈Look at what we did together, BC,NR friends forever〉という歌詞について)私の曲のこの歌詞も、実はほかのことなんだよ。「BC,NR」と「our friends forever」で韻を踏んでいるんだけど、純粋にこのパフォーマンスのために変更したんだ。だからここだけは私たちも想定しているような内容の歌詞になっているね。でもこの歌詞を含めてほかの曲の歌詞も全て、良い所はその気になればどんな意味でも付けられるということだと思うんだ。こういう形だからこそ、何か悪いことが起きても、そこから良いことが起きるということもあり得ると思うから。ポップ・ミュージックにもこういう要素が沢山あるよね。

──ポップ・ミュージックが根底に。

タイラー:そういうこと。私たちのインスピレーションの多くは、音楽的にも歌詞的にも、ポップ・ミュージックから得ていると思う。それが多くの人からBC,NRが好かれる理由の1つじゃないかな。曲を聴いた人ごとに違った形で解釈することができるからね。

──今のセットリストの最後に演奏されている「Dancers」は、その歌詞も相俟ってバンドのことを歌っている曲だとてっきり思っていました。

ルイス:そうも思えるよね。笑

タイラー:内容を話していいのかどうかさえ本当に分からないんだ。なぜなら私は分からない方が好きだから。正直な所、聴いてくれる人が自分なりの解釈をできるようにすることの方が、オリジナルの意味よりも重要かな。笑 だからこそ私たちは、この曲が何であるかとか内容について秘密にしておく必要があると思う。大切なのは私たちがどのように演奏して、それがどのように聞こえて、どのように感じてもらえるか、それだけ。でもはっきりさせておきたいのは、私が書いてきた歌詞はどれもバンドのことを歌っているのではない、ということかな。

ルイス:僕の書いた歌詞は解釈が楽だろうね。もっと比喩とか使うべきだって自分でも思うんだ。笑

タイラー:笑

10年先のことを考えるのは、今の時点では意味がない

──新曲が多く披露されていることも含めて、次回作についても教えていただきたいです。チャーリー(Dr.)のTwitterでルイスとメイとルークが3人並んでバーバショップ・ミュージックを歌うような動画を見かけたのですが…。笑

タイラー:チャーリーのTwitterは信じたらダメ! 今すぐフォローを外して!笑

ルイス:明らかに違うよ!笑 まだ新しいアルバムについてはそこまで考えていないんだ。今、ライブで演奏している曲は次のアルバムというより、ライブを想定してセットリストを組もうとした中でできあがった曲なんだよね。3ヶ月くらいかけてアルバム1枚分というより、フェスの45分から50分くらいのセットリストを埋め尽くすための曲を作ったんだ。だからこれからのことは誰にも分からない。ライブ・アルバムのようなスタイルにするか、それともちゃんと壮大なテーマのある3rdアルバムにするかも決まっていないんだ。リハーサル中に新しくできた曲はもっとあると思うんだけど、ほかのフェスの準備で忙しいからそれを仕上げる時間がないんだ。だから10月に行うblack midiとのUSツアーが終わったら、もっと曲を書いて、また皆で集まって、ちゃんとしたアルバムを仕上げることができると思う。今のライブセットのようなものじゃなくてね。

タイラー:今はまだ先のことは考えず、マネージャーやレーベルに相談するのが楽だと思うの。今の所はただ流れに身を任せている感じかな。

ルイス:「また日本でのライブはどう?」とかね。笑

──今後の目標などはありますか? とても抽象的な質問になるのですが、この先10年後にどうなっているとか…。笑

タイラー:ええ! そんなこと初めて聞かれた…。どうなっているんだろう。笑

ルイス:分からないな、どうだろう。

タイラー:ルイスはおじさんになってる?笑

ルイス:そりゃそうだよ。笑 10年後くらいには子供がいて…、あとはビールと音楽。犬も飼っているかな?

タイラー:意外と早く子供が欲しいんだ。

ルイス:まあ、未来は誰にも分からないよ。僕らは今までのキャリアの中で「もうバンドをすることはないだろう」ってなるような出来事が沢山あったと思うんだ。だから将来のことをあまり考えたことがないんだよね。だって何が起こるか分からないから。未来が保証されているような信頼できる仕事じゃないってこともあるし。もしかしたらほかの同世代の人たちはもっと安心して過ごしているのかもしれない。つまりはこの先もずっと続けていくのかって、今から考えているのは無意味だよ。だから…、10年後にはとりあえず犬と子供かな。

タイラー:私はイギリス以外の国に住みたいかな。ヨーロッパのどこかに3年後くらいには住んでいると思う。日本も選びたいけどパパとママからちょっと遠すぎちゃうな。それに大好きな姉妹からも。

ルイス:ギリシャがいいよ。

タイラー:賛成。笑

──以前から来日を待ち望んでいた人も、今回のフジロックでBC,NRを好きになった人もきっと多かったと思います。最後に、日本のファンへ一言ください。

ルイス:僕たちの新しい音楽を聴いたことがないのに、喜んで観に来てくれる人たちがいたことはとても光栄でした。日本のお客さんの見守るような雰囲気が本当に好きです。僕は騒がしいライブに行くのが大嫌いなんだ。もし日本に住んでいたらもっと沢山のライブに行きたいなと思うよ。本当に好きなんだ。それぐらい皆とても親切で、素敵な人たちでした。

タイラー:それは本当にね。私は未だに私たちのファンが日本に存在することが信じられないよ。笑 皆さんが私たちを信じて観に来てくれたことにとても感謝しています。本当にありがとう。

 

<2022年8月 原宿・BIG LOVE RECORDSにて>

* * *

RELEASE

Black Country, New Road『Ants From Up There』

 

レーベル:Ninja Tune
リリース:2022年2月4日

トラックリスト:
1. Intro
2. Chaos Space Marine
3. Concorde
4. Bread Song
5. Good Will Hunting
6. Haldern
7. Mark’s Theme
8. The Place Where He Inserted the Blade
9. Snow Globes
10. Basketball Shoes
11.[Bonus Track]

配信リンク:https://bcnr.lnk.to/afut

Kaede Hayashi