【インタビュー】新進気鋭の5人組ユニット・アンチテーゼが迎えた革命の始まり

【インタビュー】新進気鋭の5人組ユニット・アンチテーゼが迎えた革命の始まり

2022年7月17日、渋谷WOMBにて開催された『アンチテーゼ Debut Live -Rebellion-』で華々しいデビューを飾った5人組ダンス&ヴォーカルグループ・アンチテーゼ。アニソン歌手としても名を馳せる新菜まこが、新進気鋭のメンバーを率いて自らプレイングプロデューサーとして指揮を取るスタイルが話題となり、デビュー・ライブ以前から注目を浴びている。

グループ名が表す通り「反逆者」をテーマに掲げ、アグレッシヴなパフォーマンスでオーディエンスを魅了する彼女たちは一体このグループで何を仕掛けようと目論むのか。結成後初となる今回のインタビューでは、既存のパフォーマーの固定概念を覆すアンチテーゼの各メンバーの想いや個々のパーソナリティに迫る。

取材/文=すなくじら
写真=井上恵美梨
編集=星野

* * *

メンバーの決め手は「直感と覚悟の強さ」

──まずはそれぞれの自己紹介からお願いします。
プロデューサーのまこさんからいきましょうか。

新菜:プロデューサー兼紫色担当の新菜まこです。絵を描くこと、アニメ鑑賞が好きです。

──ちなみに人生で一番影響を受けたアニメをお伺いしてもいいですか?

新菜:一番と言われると迷いますね。笑 でもやっぱり『聲の形』かな? 自分が学生の頃にいじめられてたので、ストーリーから考えさせられるものが多くて…何回も繰り返し観てます。

──ありがとうございます。ご自身のご経験と繋がる部分があった、ということですね。では、続いてリタさん、あおさんお願いします。

七々瀬:緑色担当、七々瀬リタです。好きなものは煙草。普段はハイライトレギュラーを吸ってます。

柊:青色担当、柊あおです。好きなものは『歯のマンガ』(著:カトちゃんの花嫁)と……下ネタですかね。笑

──いきなりキャラが濃い! これ(インタビューに掲載して)大丈夫ですか?笑 一応まだ自己紹介ですけど…。

柊:大丈夫ですよ〜!

新菜:あおちゃんはいつもこんな感じで、マイペースなんです。

──確かに、今日の取材場所に来る時もあおさんはアイス片手に持ってきてましたもんね。笑 コノヨさん、もかさん、続いて自己紹介をお願いします。

八神:赤色担当、八神コノヨです。好きなものはゲームです。

茉宵:白色担当、茉宵もかです。好きなことは食べることかな……。

八神:えっ、そこはダンスじゃないの?

──もかさん、ダンスがお好きなんですか?

茉宵:そうですね。実は学生時代はバトン部に所属していて、5年間やってました。

──そうだったんですね! 5人揃うと改めてキャラクターの違いを感じます。今回はアンチテーゼ初のインタビューということなので、「他己紹介」という形で隣に座っているメンバーがどんな人なのか紹介する、っていうのをお願いしたいなと。

新菜:ということは…私はリタの紹介ですね。リタは私が人生であった人間の中で一番感受性が強い人です。

七々瀬:一番!?

新菜:うん、ほんとに。普通は他人に対して50%で考えることも、リタは100%自分ごととして考えちゃう。良い意味でも悪い意味でも、考えなくていいことまで抱える節があると思ってます。

七々瀬:その分感情のコントロールが利かなくなることもあるけどね。

新菜:それはそう。でも、そこも含めて不器用で魅力的だと思う。あとは毎日SNSもしっかり投稿するとか、当たり前のように見えて結構難しいこともリタは一度決めたらちゃんとやる。そういう子です。

──リタさんはすごく人想いな方なんだなと今のお話から伝わってきました。ファンの方もリタさんのそういう相手を思える所に気付いていそうな気がします。続いて、あおさんはどんな人でしょうか、リタさん?

七々瀬:あおすけは見ての通り、めちゃくちゃ癖が強いんですけど…。

柊:ちゃんと褒めて!?

七々瀬:これから言うって。笑 でも、地頭が良くて賢い人です。頭が良いからこそ、絶対に傷付けてこない。例えば僕がミスっちゃったときも、一回僕のことを受け入れてから、こういう問題があるよねって客観的に指摘してくれる。核心を突くようなことが言えるのって、人のことよく見ているからだと思うんです。

柊:ありがとう。これ恥ずかしい…。笑

──明るくてムードメーカーなあおさんのギャップですね! 次はあおさんからコノヨさんの紹介をお願いします!

柊:コノヨちゃんは、一言で表すなら「猫」ですね。ポーカーフェイスだし冷めた感じに見えがちなんですけど、実は本当に優しい人で面倒見が良い。ちゃんと熱いものも内側に秘めてる。それが見えないから猫みたいだなって思うんですけど…。

新菜:コノヨが笑うとテンション上がるよね。「クララが立った!」の感じで「コノヨが笑った!」って。笑

七々瀬:それ分かる。

八神:はぁ?(冷ややかな視線)

柊:この感じです。笑 伝わりますかね?

──今のやりとりでなんとなく分かりました。確かに、猫は的確な表現かもしれないですね。笑 今度はコノヨさんからもかさんへお願いします。

八神:もかは、良い面も悪い面も含めて等身大だと思ってます。人前に立つ職業でありながら、普通の女の子としての一面もちゃんと出していける子。でも、もか自身がアイドルが好きだからこそ「私はプロとして生きていくんだ」っていう意識も人一倍強い、よね

茉宵:うん。アイドルは職業としてもそうだし、ファンとしても本当に好き。

八神:等身大の女の子らしさと仕事へのプロ意識を両方持ち合わせている、それが彼女です。

──なるほど。確かにプロ意識と親近感って対立するように見えて、どちらもアーティストにとって必要な要素だなと改めて思いました。2つの武器を持つもかさんはその点で本当に魅力溢れる方なんですね。では最後に、もかさんからまこさんへお願いします。

茉宵:これプロデューサーに向けて紹介するってハードル高いですね…。プロデューサーはもちろんカッコよくて、仕事もできて…でも、それは初対面の時に(第一印象として)抱くイメージで、実際はその300倍ぐらい抜けてます。じゃんけんできないし。笑

新菜:じゃんけんはできるから! できないのはあっち向いてホイ、ね。笑

一同:爆笑

──まこさん、あっち向いてホイができないんですか…!?

新菜:普通のじゃんけんならできるんですけど、あっち向いてホイはほかのことも考えなきゃいけないから苦手で。じゃんけんして、次は指差しして…ってパニックになる。笑

柊:同時進行で何かを進めるのが苦手だよね。

新菜:お仕事関係の人と話してる時も、最初は大体「若いのにしっかりされてますね」って言ってもらえるんですけど、段々こういう所がバレてきます。

八神:いや、結構早く化けの皮剥がれてたって。笑 でもその分嘘がつけなくて、正直な人。

──「正直さ」って人をまとめる側であるプロデューサーという立場のうえで、信頼の証として一番大事な要素かもしれませんね。

七々瀬:まこさんの仕事を見てると、今までこの業界で築き上げてきた横の繋がりを感じる瞬間があって。人当たりとか、人脈とか…この業界で生き残るために大事な目に見えないものを知る瞬間があるからこそ、まこさんが周囲の人から信頼されてるんだなと感じるんですよね。

──ありがとうございます。他己紹介から皆さんそれぞれのキャラクター性を垣間見ることができたように思います。次はグループ結成までの流れを教えてください。

新菜:これは私が代表して話しますね。前提として、私自身この業界に10年近くいるんですよ。読者モデル・声優・アニソンシンガー・バンドとか、本当に色々な形で活動してて。ただ、どれも志半ばだったり、何か問題が起きたりして自分が続けたくても続けられないっていうのを何度も経験したんです。毎回その度にファンの人に罪悪感を抱えながら活動をするのに限界を感じていて…。

今後も別のグループに所属する形で活動を続けてまた休止したら怖いな…という気持ちと、ファンの方への申し訳なさから悩んでいた時に周りから「まこが自分で(グループを)作っちゃえばいいんじゃない」って言われて。でもやっぱり踏み出すには勇気がいるし、何よりプロデューサーとして知識もない。そんな時に友人が紹介してくれたのがあおちゃんだったんです。

柊:えへへ。実はアンチテーゼ第1号です。笑

新菜:それで、ちょうど半年くらい前かな? 初めてあおちゃんと会う機会があって。当時あおちゃんは大阪に住んでたので新幹線に乗ってきたんですけど、もう私に会った瞬間から大泣きで「私にはここしかないから死ぬ気で頑張る!」って言ってきたんです。

──え? でもまだこの時点ではグループはできていませんよね?

新菜:そうなんですよ!

柊:既にグループが完成していると思ってたんです。蓋を開けたら、誰もいなかった…。笑

新菜:でも、そんなあおちゃんの覚悟を見て「これはもうやるしかない!」って決心したんです。

柊:まこさん、初対面で本当に大泣きしててめちゃくちゃ面倒臭かった私に「ご飯食べてないでしょ」コンビニでご飯買ってくれたんですよ。大阪戻って泣きながら食べました。笑

──まこさんの優しさが胸に沁みますね…。ほかのメンバーについてはどういう加入の経緯があったんですか?

新菜:ほかの子たちはそれぞれの活動背景を見て、全員私から声を掛けています。

──多くのパフォーマーの方がいらっしゃる中で、今のメンバーを選んだ理由って何だったんですか?

新菜:強いていうなら直感かな。4人とも、話したその日に「もうメンバーとして一緒に活動しよう」っていう目線合わせがお互いにできていました。(アーティストとしての)覚悟が決まってたんだと思います。実は今回、グループを作るに当たってかなりたくさんの方にお会いしたんですけど、波長が合って、且つスパッと決まったのが今のメンバーでした。

それぞれの想いを乗せた、コロナ禍でのデビュー・ライブ

──ありがとうございます。まこさんの審美眼によって個性豊かなメンバーが集まったことがよく分かりました。その後メンバーの正式発表を経て、7月17日に『アンチテーゼDebut Live -Rebellion-』を開催しましたが、本公演は声出しOKにしていたことがとても印象的でした。

新菜:会場的にはOKではあったのですが、これは私たちも正直ギリギリまで悩みました。だけど個人的にもずいぶん長い間声出しライブをしてなかったんですよね。だし、皆の初舞台を飾る思い出としても結果として声出しOKにして良かったなと思っています。

──皆さんそれぞれの初ライブの感想もお伺いしたいです。

茉宵:私はコロナ禍のアイドル活動しかやったことがなかったので、実は声出しありのステージ自体が初めてでした。緊張はもちろんしてたんですけど、ステージに立った瞬間にファンの方が名前を呼んでくださって。そんな経験が今までなかったからこそ、緊張は全部なくなって嬉しい気持ちに変わりました。

──もかさんはアンチテーゼのメンバーの中で唯一生誕祭も経験してますよね(*インタビュー当時)。

茉宵:そうなんです。生誕祭って大体どこの現場も主役の子のファンを中心に来てくれるものだと思うんですけど、このご時世で「本当に集まってくれるのかな…」っていう不安は正直尽きなくて。でも当日は皆ちゃんと来てくれて、心から嬉しかったですね。

私は本当に歌とかダンスが大好きで、自分が活動するのも観るのも好きなんです! 「生まれながらにアイドル」とか「アイドルになるために生まれてきた」みたいな子に惹かれるからこそ、自分もそうなりたくて…。だから今回の生誕では、メンバー初の自分のソロ曲(「white note」)にその想いを込めました。「茉宵もか」としての私の想いをファンの方に伝えることができたかなって思います。

──生誕ライブの様子も合わせて、もかさんのアイドルとしてのステージへの向き合い方が伝わってきました。ほかの皆さんはどうでしょう?

七々瀬:僕はちゃんとしたステージに立つこと自体がほぼ初めてだったんです。前は一応芸能事務所に所属してたんですけど、その時は本当に十数人しか入らないような小さな箱で歌ってて…それだけだったんですよ。だから、デビュー・ライブを渋谷WOMBでやらせていただいてシンプルに楽しかったです。「絶対緊張するよな」って覚悟してたけど、全然緊張しなかった。笑 自分を支えてくれる人がこんなに目の前にいっぱいいると思ったら、楽しさが勝ったんですよね。SNSでは簡単に皆を近くに感じられるけど、やっぱり特典会とかで直接話せるリアルタイムでの接触の魅力って凄まじいな、と。

柊:リタくんは別ですけど、メンバー全員ほぼ経験者ばっかりなんで、皆引っ張ってくれるだろうなって思って安心してました。

新菜:えっ、でもあおちゃんが一番緊張してたよね?

柊:緊張はしてたかも。「失敗したらどうしよう」とかは確かにあったんですけど、ライブ前の記憶がほぼないので。でもずっと鏡で自分の顔見てたことは記憶にある。

──コノヨさんはいかがでしょうか?

八神:私も正直あんまり楽屋のことは覚えてなくて…。ただ、私にとって今回のデビュー・ライブは「再スタート」の意味合いが強かったんです。ようやく始まった、って感じ。最後のステージから2年半も経ってしまっていたので、初心にかえって迎えたライブでした。

新菜:ライブの最後、泣いてたもんね〜!

八神:泣いてない。

七々瀬:またまた〜。笑 ライブの最後、今みたいにメンバーから一言話す場面があって、その時にコノヨが既に感極まった感じだったので、コノヨのファンを煽ったんです。そしたら「コノヨー!」ってあったかい声援が会場に響いて…崩れ落ちちゃって。笑

新菜:そうそう。コノヨとコノヨのファンって絆が半端じゃなく強くて。(八神のファンが)私の所に挨拶に来るんですよ。「2年半、ずっとコノヨの再スタートの舞台を心から待ってました」って。それを聞いて、コノヨってすごく愛されてる存在なんだなって思いました。

──心温まるエピソードをありがとうございます。新菜さんはプロデューサーとしても、アンチテーゼのフロントマンとしても初のデビュー・ライブ、いかがでしたか?

新菜:運営としては初めてのことだらけで、もういっぱいいっぱいでした。ただその分改善点も見えてきて、学びの場としてはすごく良かったんじゃないかな。自分でプロデュースできるからこそ、自分が本当にやりたいライブをどこまでも突き詰めることができたことは純粋に楽しかったです。

既存の思想に囚われない「反逆者」として

──まこさんの作りたいものに対してとことん追求していく姿勢がアンチテーゼのステージを支えているんですね。最近では「Antithese」のMVとサブスクの解禁もありましたが、「Antithese」にもまこさんの想いが込められているのでしょうか。

新菜:実は一番最初に来てた楽曲の中に「アンチテーゼ」っていう言葉が入ってて、そのあと違う作曲家さんに頼んだ発注した楽曲のタイトルも「アンチテーゼ」だったんですね。全く示し合わせていないのに2曲とも「アンチテーゼ」というワードが入ってて、運命を感じたことがタイトルの決め手でした。私たちは明るいタイプの楽曲を歌うアーティストではないので、グループ名もそこは一貫したかったんです。「アンチテーゼ」って「ある主張に対してそれを否定する内容の主張」っていうニュアンスの意味なんですけど、まずグループのコンセプトである「既存の思想に囚われない反逆者」にすごく合っているなと思って。

──最近では「Antithese」のMVとサブスクの解禁がありましたが、MV撮影で印象に残ったエピソードはありますか?

八神:(柊を指差して)衣装のベルトがなくて拗ねてたよね。

柊:あはは、そうだったわ!笑

──ベルト事件の詳細を聞いてもいいですか?

八神:アンチテーゼの衣装ってすごく凝ってて、その分小道具をどうしても忘れやすいんです。あおの衣装はベルトが特に変わった形をしているんですけど、当日肝心のベルトを忘れてしまって。

柊:ベルトがないとイマイチ決まらなくて…完全に萎えてました。でも、ここでもまこさんが助けてくれて。自分の私物の高いベルトを衣装に合わせて簡易リメイクする形でなんとかカバーしてくれたんです。

新菜:何とか形になってよかったよね。笑 でもこの件も含めて、直前までバタバタしててもカメラを向けられると全員表情が切り替わるんです。普段はおちゃらけてるけど、ちゃんとできるプロだなっていう印象を改めて皆から受けました。

──ありがとうございます。「Antithese」を聴いて感じたことでもありますが、アンチテーゼはメンバー皆さんの高い歌唱力がグループの持つ武器なのかなと思いました。皆さんの音楽的なルーツを教えてください。

茉宵:私はももいろクローバーZさんです。2012年ぐらいから好きなので、もうファン歴は10年になりますね。推しはあーりんです。

──もかさんの「あーりんのここが好き!」というポイントを教えてもらえますか?

茉宵:私はさっきも話した通り、「誰がどう見ても圧倒的なアイドル」みたいな女の子が好きで。私にとってはそれがあーりんなんです。あーりんを見てると、なんだか不思議と元気が出てくるんですよ。楽曲も含めてももクロが大好きだし、パフォーマーとしてもあーりんみたいな人でありたいです。

──もかさんのプロ意識の根源があーりんにあるのは納得です。リタさん、コノヨさんはどうですか?

七々瀬:僕は昔から特定のアーティストというよりは、音楽そのものが好きで。小学生の時とか、漢字ドリルの文字に自分で考えた音程を乗せて歌ってましたね。それをお姉ちゃんに録音されてて、あとで「あんたそれ恥ずかしくないの?」って言われたこともあって。笑 もう少し具体的に言うと…ボーカロイドが好きです。ピノキオPさんとかsyudouさんとかが作るような、少し皮肉めいた音楽に触れてきた機会が多かったかも。好きなことを仕事に昇華している人に強い憧れがあるんですよね。だから、「歌ってみた」を初めとした動画シーンで活躍する人の作品は結構チェックしてます。

八神:私もどちらかというとリタに近くて、音楽そのものが好きかな。歌うことも好きだし、幼少期からピアノも習っていたから自分で演奏することも好き。それこそ、学生時代にボカロが流行り出した頃はまだ全然曲がカラオケに入ってなかったので、自分で歌いたい曲のインストが入ったMP3を持ち込んでカラオケの機器に繋いだりとか…。

──MP3からカラオケ機器に繋ぐ発想はすごすぎますね…。笑 コノヨさんが好きだなと思う曲に共通点ってありますか?

八神:うーん…歌詞に意味のある曲を好きになる傾向はありますね。そういう意味ではSound Horizonさんとか、天野月子さんに影響を受けているのかも。アンチテーゼの曲はきちんと歌詞に意味があるから、自分の想いを乗せて歌うことができて嬉しいです。

──ありがとうございます。まこさん、あおさんは?

柊:生き方やルックスの面で影響を受けてるのはゆるめるモ!のあのちゃんです。でも、音楽だったらAcid Black CherryとかJanne Da Arcが好き。激しくてちょっと大人な魅力のある曲…。笑 小さい時にyasuの音楽を聴いて影響を受けたから今こんな感じになったんじゃないですかね?笑

新菜:アニソン歌手のLiSAさんをリスペクトしています。昔いじめられてた頃、トイレで泣きながらご飯食べてたんですけど、その時ずっとLiSAさんの曲を聴いてて。明るくて前向きな楽曲に何度も心を救われました。過去に一度だけご本人のライブにゲストで行かせていただいて「頑張ってね」ってご本人からCDを受け取ったことがあるんです。その時に「もう死んでも仕事頑張ろう!」って思いました。それぐらい私にとってずっと特別で、憧れの人です。

──ありがとうございます。では最後に、アンチテーゼが目指すゴールをお聞きしてもよろしいでしょうか。

新菜:武道館! もうこの3文字で終わる。笑 「アーティストとしての頂点だから」っていうのはもちろんなんですが、私個人としても紆余曲折ありながらずっと目指してきた舞台で、だからこそ「行かなければならない」っていう意地もあります。武道館のステージの景色を見てからじゃないと、私は活動が終われない。完全なプロデューサーとして、この子たちを大きく育てていく側に回ることもできない。だからきっと、武道館にようやく辿り着いた時が私の新しいスタートなんだと思います。だからこの先もメンバーと死ぬ気で武道館を目指していきます!

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個人的に、アーティストには2つのタイプが存在すると思っている。1つは、圧倒的な個の力が光るタイプ。そしてもう1つは、グループとして真価を発揮するタイプだ。

今回、アンチテーゼの取材を行ってまずそのキャラクターの濃さにシンプルに驚かされた。もちろん、アーティストとは概してキャラクター性の強さをもった存在ではあるが、彼女たちのパワーには実際に目にした人しか分からないような非常に強い個の力が宿っている。しかし、5人は全くタイプが異なるにもかかわらず、不思議と調和が取れていて、それは楽曲の持つ安定感にも繋がっている。個の力でも十分に舞台で戦える5人が背中を互いに預け、互いの弱さを曝け出しながら紡ぐ強いメッセージこそがファンの心を打つのだろう。

反逆者としての役割を預かった彼女たちが代弁するのは、世の中の理不尽や悲しみ、不条理の類だ。その強い想いは多くの人々を虜にし、これからの音楽シーンに新たな風を吹かせ始めている。暗澹としたニュースが続くこの時代だからこそ、彼女たちの存在を光として日々を歩むファンはこれからも増え続けていくのだろう。アンチテーゼが残す革命の軌跡を、この先も追っていきたいと心から思う。

※なお、現在musitでは今回登場したアンチテーゼほか、現行グループ4〜5組の撮り下ろし写真とインタビューの未公開部分を収録したオリジナルZINEを制作中。販売時期及び値段等、詳細はmusitのTwitterアカウント(@musit7)にて発表予定。ご期待ください。

すなくじら