【インタビュー】「私のままで」アイドルになれる場所──青山Rabnessが目指す「あなたらしさ」に共鳴する存在
2020年1月24日デビューの正統派王道アイドルグループ・青山Rabness(青山ラビネス 通称:青ラビ)。何にも染まらない「あなたのままで」をコンセプトに活動しており、第3期メンバーの新規加入も合わせて注目を浴びている。
エレクトリック×王道メロディーラインの「懐かしいけど新しい」をテーマにした楽曲に合わせて、翻る淡い色のスカート。王道の可愛らしいアイドル像を掲げる彼女たちだが、コロナによる活動の自粛や体制変更による活動休止など、ここまでの道のりは決して煌びやかなだけではなかった。
今回はそれぞれ1期生・2期生・3期生を代表して、花村ほのか・近瀬零・来栖みりあを招き、青山Rabnessのこれまでの歩みについて語ってもらった。

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取材/文=すなくじら
写真=井上恵美梨
編集=星野
「面接のみ」のオーディションだったんです
──まずはそれぞれの自己紹介からお願いします。お名前と最近ハマっていることを教えてください。 では、1期生の花村さんから…!
花村:青山Rabness1期生の花村ほのかです。最近はゲームが自分の中のブームで、特に『ドラゴンクエスト』にハマっています。アプリゲームとかパズルゲームとか、好きなんです…!
──ちなみに、なぜ今ドラクエ…?
花村:ドラクエ自体が元から好きで。ただなぜ今再熱しているのかと言われると、自分でも分からないかも。笑

──ありがとうございます。笑 では2期生、3期生のお2人も続けてお願いします!
近瀬:青山Rabness2期生、リーダーの近瀬零です。ハマっていることは…お洋服かな。海外の服を見るのも好きだし、自分でコーディネートしたものをSNSに載せたりもします。青ラビの衣装が可愛い系だから、プライベートでは黒を中心としたモード系のコーデが多いです。
来栖:青山Rabness3期生、来栖みりあです。最近は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に夢中です! ちなみに最初のポケモンはニャオハで、今溺愛してます。笑
──皆さんのお人柄が分かる自己紹介をありがとうございます! 青山Rabnessは、2020年1月にデビューしたグループですが、まずはデビューから2期生の加入に至るまでの歩みをお伺いしてもよろしいでしょうか?
花村:青ラビはデビューから1年間は1期生のみで活動をしていたんですけど、何人か辞めてしまった背景もあって、1周年のタイミングで2期生が加入してくれて。でもデビューして1週間くらいで、コロナの影響を受けて自粛の期間を挟んだりもしてたんです。
近瀬:そうだよね。ネットで2期生の募集を見つけたの、今でも覚えてるもん。私はこのタイミングでオーディションを受けました!

──そうだったんですね! ちなみに2期生のオーディションはどんな内容だったんですか?
近瀬:それこそコロナの影響で、完全リモートで選考が進んだのが印象的でした。ダンスも歌も動画で送ったんです。そのうえで、雑談ベースで目指すアイドル像を聞かれたりして、「こんな感じなんだ!」って拍子抜けしました。笑
花村:リモートだったんだ! 私たちの時はギリギリ対面だったから…。どっちがいいんだろう?笑
──3期生は2022年6月のお披露目ライブからの参加ですよね。ちなみにこの時のオーディションはどんな感じだったんですか?
来栖:それが、私は面接のみだったんですよ。笑
近瀬・花村:えっ…?!
──歌やダンスの選考はなかったんですか?
来栖:そうなんです。一次も二次も全部面接で。「これは本当にアイドルの面接なのかな?」って若干不安すらありました。笑 ただ、その時聞いた話によると私以外のほかの3期生は(歌やダンスの審査を)やってたらしくて。何があったんだろう?
近瀬:一目見て採用って運営さんが決めてたんじゃないかな。何聞かれた…?
来栖:うーん…「どんなアイドルが好き?」とか「今後青ラビの活動を通してなりたいアイドル像は?」とか。
花村:質問の軸は一緒だね。
近瀬:来栖がめっちゃ質問の返しうまかった説出てきた。笑

──フルリモートにパフォーマンス審査なし…と独特なオーディションを通過して集まった皆さんですが、お互いの第一印象を教えてください。
花村:じゃあ、私から! 近瀬は委員長タイプの子だなって思って緊張していたんですけど、意外と向こうから話しかけてくれて…。一緒に活動してるうちにおっちょこちょいな所も見えてきて、どんどん好きになりました。
──近瀬さん、おっちょこちょいなんですか?
近瀬:自覚はあります。笑 物を忘れたり、電車の時間を勘違いして1時間早く着いてしまったり…。
花村:早い分にはセーフ!笑 その点、私は2期生で人見知りを発揮してしまったので、3期生とは自分から積極的に仲良くなろうと思っていました。来栖は初めて会った日がアー写撮影だったんですけど…。
来栖:それ覚えてる。笑 身長の高さを比べ合った記憶が…。
花村:そう! 積極的に行きすぎて、変な距離感の詰め方をしちゃいました。笑
来栖:元々ネットでメンバーの存在を知っていての加入だったので、花村さんへのイメージは「本当にこんなに可愛い子が現実にいるんだ」でした。あとは、「この子、結構距離詰めてくるタイプなんだ!」って嬉し恥ずかしな気持ちでしたね。

──近瀬さんは、花村さんの「距離感を縮めたい気持ち」を感じてましたか?
近瀬:ひしひしと伝わってはいました。ただ、人見知りなんだろうなっていうのも同じくらい感じていたので、それでも頑張ってくれている姿が可愛いなって思いました。笑 みりあは、同じくアー写撮影の時に会ったんですけど、最初は運営さんにまだ見ちゃダメだよって言われてて。それでもスタイルの良さと髪が綺麗な後ろ姿が印象的で、「美少女が来た!」って思いましたね。
来栖:近瀬さんは…ごめんなさい。アー写撮影の日の記憶はちょっと薄くて……。笑
近瀬:あれ?笑
来栖:でもその後、3期生だけの練習の時に近瀬さんがダンスを教えに来てくれたことがあって。頼れるめっちゃいい先輩だなって思いました。青ラビは優しい先輩しかいないです。

「1人のアイドル」としての自分を見つめ直した活動休止期間
──来栖さんが入る前の活休期間での様子については、YouTubeで花村さん、近瀬さんがお話されていますよね。当時の活動状況や考えていたことについて、少し詳しく聞いてもよろしいでしょうか。
花村:ファンの方と会う機会がなくなることが寂しくて、私は活動休止期間は個人活動に力を入れていました。人気曲の『踊ってみた』に力を入れたりとか。もちろん、青ラビとしての活動は大切ですが、それ以前に「1人のアイドルとして、自分はファンの方に何ができるんだろう」ということを考える時間になったと思います。
近瀬:3期生のオーディションも含めて、明るい未来が待っていることが分かっていたのは救いでした。私がリーダーになることが決まったのも活動休止期間だったので、これから先、グループを背負ってどう行動するべきかをずっと考えてましたね。ただ、自分1人の責任というよりは「皆で今あるものを良くするために、自分はリーダーとしてどうあるべきか」という視点を捨てないようにはしていました。
──そうだったんですね。近瀬さんは今までの人生の中で、比較的リーダー経験が多いタイプだったのでしょうか?
近瀬:はい。ただ、メインのリーダーよりは副リーダーとか、人を補佐するポジションでの立ち回りが多かったかなと思います。
──なるほど。来栖さんはこの期間はまだお披露目前だったと思うのですが、この時期に考えていたことで印象的だったことはありますか?
来栖:活休からのお披露目っていう、大事な場面を任されることの責任について不安に思った時期はありました。でも、この時期だからこそ注目してもらえるチャンスでもあると考えるようになってからは、だいぶ前向きになったかな。それこそ当日は手が震えながら舞台に上がって、死ぬほど緊張しました。笑 動画を見比べると今はあの時より少しは成長できたのかなって思います。
──ありがとうございます。せっかく1期・2期・3期から皆さん集まってくださったので、それぞれの特徴があれば教えてください!
近瀬:3期はとにかく明るいよね。パフォーマンス見てると元気出る。
花村:確かに。入ったばかりだからこそ、一生懸命な所も応援したくなる感じがする!
──1期・2期はどうでしょう?
花村:2期は個性が強いんです。でも、不思議と3人がいい感じにまとまっているんですよ。笑
来栖:1期はほんわかしてますね。花村さんの雰囲気そのままです。笑 青ラビの雰囲気に本当合ってる。
「あなたのままで」アイドルになれる場所だからこそ
──青ラビの皆さんが大切にしているコンセプトとして「あなたのままで」というワードがあると思います。自分の個性について、教えてもらえますか?
花村:こんなことを皆の前でいうのもあれなのですが…。さっき来栖も言ってくれたんですけど、青ラビのコンセプトに一番合っている自信があります。元々、王道のキラキラしたアイドルが好きで、だからこそ青ラビを通じて、そんなアイドルになりたいとも思ってます!
近瀬:花村は本当にそうだよね。それでいうなら、私は正直青ラビのコンセプトとは真逆だと思ってて。格好良いものとか、スタイリッシュなものが好きだから。でも、青ラビの「あなたのままで」というコンセプトは、それでもいいよって包んでくれる気がしています。
私、昔から人が好きで。だから、応援してくれるファンの方もメンバーも大好き。人が好きで、格好良いものが好きな飾らない自分でアイドルができる。それが青ラビです。
来栖:私はよく、「ギャップがあるね」って言われることが多くて。見た目から、結構冷たい感じに見られることがあるんですけど、心はギャルマインド。笑 「私のままで」アイドルになれる場所だからこそ、ギャルマインドでもいいかなって。でもその分、誤解されないように自分の心の内を人になるべく伝えるようには心がけています。
──ギャルマインド。笑 花村さん、近瀬さんは来栖さんのギャルマインドを感じることはありますか?
近瀬:戯れてふざけている時とかだけど、「も〜嫌い!」みたいなのよく言うよね。笑 冗談だって分かってるから別に全然いいんだけど、私入った時1期生にそのノリで話しかけられなかったもん。なんていうか、肝が座ってるとこある。
来栖:…すいません!(照れる)
──来栖さんのギャルマインドがあるからこそ、メンバー皆さんが自然体で関わり合えるのかもしれないですよね。続いてはMVについて質問です。青ラビのMVはメンバーだけでなくエキストラも起用するなど、大々的な演出のイメージがありますが、MV撮影で印象的だったことはありますか?
花村:「シンデレラサマー」のMVで屋上でチラシを配るシーンがあるんですけど、風向きが微妙で全然チラシが綺麗に飛ばなくて。笑 カメラの位置を調整してもらって、上手く「飛んでる」ように見せてもらったりしましたね。
近瀬:「シンデレラサマー」は2日間かけて撮ったよね。私は「マイアミ・ブルー」の撮影で、夜の3時に日の出を待ってスタンバイをしたことが印象的でした。最後は皆顔が疲れてないかなって不安がってたので、監督さんがキラッキラのラメのアイシャドウを塗ってくれました。笑
──MVのイメージとかって監督から指示があるんですか?
近瀬:あるにはあります。でも「自分の中で膨らませてみて」と言われることもあって。そういう時は、MVの中の設定やコンセプトに沿わせることはもちろん考えているんですけど、最後はやっぱり私たちの自然体の良さが伝わるように意識しています。
──そうだったんですね! 青ラビにも様々なカラーの楽曲があると思いますが、皆さんの好きな音楽やルーツについても聞かせてください。
来栖:私は山本彩さんが好きで。毎回シングルを出す度に曲の雰囲気が全然違うんですよ。そこが音楽を好きになった理由です。ちなみに弾くのも好きだったりします…!
──楽器は何を弾かれるんですか?
来栖:ギターとか、元吹奏楽部だったのでトロンボーンとホルン…楽器じゃないですけど、合唱団にも入っていましたね。
──多才ですね! 花村さん、近瀬さんはどうでしょう?
花村:私は=LOVE(イコールラブ)の野口衣織ちゃんがずっと憧れです。私も誰かの憧れになれるようなアイドルになりたいなって思ったきっかけがイコラブ。あとは音楽だとアニソンをよく聴きます。実はあんまり歌うことが好きではなかったんですけど、アイドルになって歌が好きになりました。昔はカラオケも正直そんなに好きじゃなくて……今ではノリノリで行きますが。笑
近瀬:私は音楽的な意味でアイドルにハマったのはAKB48さんがきっかけです。格好良い曲も可愛い曲も皆で歌いこなす姿に影響を受けましたね。あとは両親が昭和歌謡が好きだったので、幼い頃からよく聴いていました。山口百恵さんの圧倒的な歌唱力に憧れます…! 歌って届けることの難しさと楽しさを知った分、これからは特に歌を頑張っていきたいなって思っています。
──ありがとうございます! 最後に1期生・2期生・3期生を代表してファンの方にそれぞれメッセージをお願いします。
花村:私たち1期生は、来年でデビューしてから3年目になるのですが…色んなことがここまであったし、ファンの方が出会ったタイミングもそれぞれだと思います。それでもいつも思うのは、応援してくれている方のおかげで、青ラビがどんどんと次の世代に受け継がれていることかな。本当にいつもありがとう。言いたいのは、それだけです。
近瀬:まずはメンバーの誰か1人でも、見つけてくれてありがとう。ここの1年間は、ずっとバタバタと走ってきたけれど、ここからはもっと青ラビらしい色を模索して前に押し出していけると思う。だから、これからもずっとよろしくお願いします。
来栖:3期生はまだ入って半年だからこそ、「これから」に期待して欲しいです。3期だけでのライブもあるので、先輩たちの背中を追う、いつもとは違う青ラビにぜひ会いにきてください!
──ありがとうございます! それではリーダーの近瀬さんから、青ラビの目指すゴールについて教えてください。
近瀬:まだまだ長い道のりではありますが、武道館に立ちたいです。大きいステージに向かう1つの気持ちは、私たちは誰にも負けません。私たちのサイリウムカラーが一面に広がる武道館の景色をいつかファンの方と一緒に見たいです!

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青山Rabnessのメンバーの話を聞く中で、先輩・後輩の関係性が垣間見えるアイドルの魅力を改めて強く感じた。
もちろん社会に出て働く身として会社での上下関係は私の日常生活にもあるものの、青山Rabnessの持つ関係性は全く異なる。爽やかで少し切なくなるような、まさに少女たちの青春が閉じ込められた「先輩と後輩」の響きは既にここにしかない何かを孕んでいる。
グループでのアイドル活動の中で、1期生・2期生・3期生がそれぞれ違う環境の中でアイドルを目指し始める。それでも皆で辿り着きたいゴールと、グループを大切にしたい想いは同じ。話を聞く中で、青山Rabnessのキラキラとした純粋さは、アイドルだからではなく、「青山Rabnessだから」生まれるものであることが強く伝わってきた。
先の見通しが立たない世の中で、活動休止と言うリアルな部分の声も交えた今回のインタビュー。「推しは推せるうちに推せ」という言葉がある通り、青山Rabnessの「今」は、過ぎてしまえばもう二度と訪れない。彼女たちが全力で青春の1ページを綴っていく姿を、これからも見守り続けていきたい。
青山Rabness

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すなくじら
