【インタビュー】4人組アイドルとしての再スタートを──新体制ロング・グッドバイが紡ぐ「さよならまでの時間」

【インタビュー】4人組アイドルとしての再スタートを──新体制ロング・グッドバイが紡ぐ「さよならまでの時間」

2022年12月16日、大塚Hearts Nextにて開催された『ロング・グッドバイ デビュー1周年記念ワンマンライブ』で2人の新メンバーを迎えたアイドルユニット、ロング・グッドバイ。「清純を基調とした王道アイドル」というコンセプトにぴったりな可憐で儚い4人のパフォーマンスは、観る者に心躍る幸せな時間を与えてくれる。

今回が初となるロング・グッドバイ(通称:ロンバイ)のインタビューは、彼女たちの運営事務所を兼ねた株式会社ラスファクトリーのオフィス内で実施。個性豊かな4人のメンバーが集うまでの道のりと、彼女たちがそれぞれの胸に抱く活動への想いをお届けする。

* * *

取材/文=すなくじら
写真=井上恵美梨
編集=星野

オーディションを受けたことは、家族にも秘密

──お疲れ様です! 実は私、ロング・グッドバイの楽曲の作詞を一部担当しているのですが、本日はこうしてインタビューでご一緒できて本当に嬉しいです。まずは、改めてそれぞれの自己紹介からお願いします!

八木:お久しぶりです! 自己紹介ですね。じゃあ皆で! みーんな私のこと好きになってく♡

全員:(息を合わせて)れいちぃ〜!

八木:ロング・グッドバイのスノーブルー担当、「れいちぃ」こと八木玲衣です。よろしくお願いします!

──可愛い〜! そのまま皆さん続けてもらっても良いですか?

小町:じゃあそのまま行っちゃおうか!笑 ちゃんと見てくれないと、小町…? 

全員:困っちゃう〜!

小町:ロング・グッドバイのピーチピンク担当、「こまちま」こと小町茉莉です。よろしくお願いします!

久保:えくぼの〜?

全員:久保りかー!

久保:ロング・グッドバイのミントグリーン担当、久保りかです!

旭奈:あさひ〜?

全員:きら〜ん☆

旭奈:ロング・グッドバイのすみれパープル担当、旭奈ももです!

──この自己紹介、「可愛い」が詰まっていて本当に好きです! 先日行われたデビュー1周年記念のワンマンライブで、新メンバーが加入して4人体制になったロング・グッドバイですが、まずはここまでの経緯を教えてもらえますか?

八木:ロング・グッドバイは2021年の2月に3人で活動をスタートさせたグループなんですが、2022年の5月に1人脱退してしまい…しばらくは2人で活動を続けていて。今年の秋頃に新規メンバー募集のオーディションがあって、書類審査やダンス審査、面接を突破した2人(久保と旭奈)が来てくれました。

──そうだったんですね。オリジナルメンバーの八木さん、小町さんも最初はオーディションを受けたんですか?

小町:はい! 私の場合、確かその日ちょうど大学で結構重い課題に取り組んでて、実は大学を抜け出してオーディションを受けに行ったんです…。笑

八木:それ知らなかったんだけど!?笑

小町:そもそもオーディションを受けることを誰にも言ってなくて。書類審査が通った時に、一番仲の良い友達には言ったかな。でも親に言ったのは正式に合格通知をいただいたあとでした。

──ええっ! ちなみに八木さんはご両親には伝えましたか?

八木:私もオーディションについては受けたことすら話してなくて…。結局家族に打ち明けたのは最終審査の時だったような。最初の書類審査の合否を聞いて、出身が新潟なので、家の周りの両脇田んぼの畦道で立ち尽くしましたね。笑

──皆さん秘密主義ですね。笑 旭奈さん、久保さんはその辺りどうでしょうか?

旭奈:私は家族にだけ言いました! 友達には内緒にしてたかな。

久保:まりさんと一緒で、ちゃんと合格が決まってからお母さんに話しました!

──ありがとうございます! 新規メンバーのお2人の人柄を知りたいファンの方も多いと思うのですが、八木さん・小町さんと新メンバー2人の出会いはどんな形でしたか?

八木:(久保を見ながら)最初一緒にボードゲームしてたよね。

久保:そうそう。最初事務所に来た頃はゲームばっかりしてました。

小町:その時から「良い子だな」って思ってた!

久保:私、元々人と話すのが好きで、結構明るいタイプなんですけど、早速(ゲームを通して)仲良くなれた気がして嬉しかったです!

八木:それは感じてる!笑 ももちゃん(旭奈)は歌唱審査終わりにちょっとお話したよね。人見知りするタイプなのかな?って印象だったな。

旭奈:元々YouTubeでロンバイのMVを観てたから、2人(八木と小町)を前に「本物がいる!」ってつい緊張しちゃいました…。第一印象は大人しいって言われることが多いんですけど、慣れるとよく喋ります。笑

──新メンバーお2人は性格が正反対なんですね。個性豊かなメンバーが揃ったロング・グッドバイですが、グループ名の由来をお聞きしてもいいですか?

小町:さよならまでの時間の長さを惜しみたくなるような…ファンの方に「まだまだ一緒にいたいな」って思ってもらえるようなアイドルでありたい、っていう想いが込められています。

八木:元々はレイモンド・チャンドラーっていう人の小説に同じタイトルの本があって。その本は結構ハードボイルド系の(笑)お話らしいんですけど、そこからタイトルだけ借りてグループ名にした、って運営さんから聞きました。

──ありがとうございます。では、そんなロング・グッドバイの皆さんがアイドルになった理由やきっかけをそれぞれ教えてください!

旭奈:私は元々アイドルが好きだったんですけど、特に=LOVE(イコールラブ)の大谷映美里さんに憧れがあって。ありきたりな理由かもしれないんですけど、私もみりにゃみたいになりたい!って思ってアイドルになりました。だから、同じ紫担当なんです!

──メンバーカラーはご自身で選べたんですね!

旭奈:れいさん、まりさんと被らなければOKでした!笑

──ほかの皆さんはどうですか?

久保:私にとってのアイドルの原点はAKB48ですかね。15期生の湯本亜美さん推しです! そこからアイドルになりたい気持ちが強くて、色々オーディションを受けたり…。

八木:48グループはやっぱり良いよね! 私も同じくAKB48が好きで、前田敦子さんにすごく憧れがあって…それこそ48グループのオーディションも受けたことがあるんです。ただ、色んなアイドルさんを観る機会が増えるにつれて、大きい集団のアイドルグループ、というよりは、自分自身の表現を細部まで見てもらえるような場所を望むようになって。それでロング・グッドバイのオーディションを受けて、今に至ります。

小町:私の場合は3次元のアイドルじゃなくて…テレビアニメの『プリパラ』(プリティーシリーズ)がきっかけでした。高校生の時からアイドル自体に憧れはありつつ、人前に出る勇気がなかったんです。けど、大学生になってから『プリパラ』熱が再熱しまして…。笑 「やっぱり諦めたくないな」って思って、今いるロンバイに落ち着きました。

──ロング・グッドバイの皆さんは、アイドルと学業・お仕事との両立を公表されていますよね?

八木:私は今年の4月から社会人になったんですけど、あとは皆大学生だよね。大学との両立はどう?笑

小町:運営さんもスケジュールは配慮して組んでくれるから、そんなに無理はない感じかな。課題の期限が重なったりするとキツいけど……。

八木:(課題を)楽屋でやってたこともあったよね!笑

小町:あったあった。笑

久保:私たち(久保・旭奈)はまだ本格的な両立はこれからなので、安心しました。

──八木さんは学生時代、新潟からレッスンに通っていたということでしょうか?

八木:そうです。大学に通いつつ、レッスンのためだけに片道2時間かけて東京へ向かっていました。大変といえばもちろん大変だったんですけど、やっぱりアイドルになりたい気持ちが強くて。大学の勉強も頑張ったので、看護師と保健師の資格を持っている所はちょっと自慢できます!笑

久保:さすがですよね…。私も資格取得は頑張りたいと思ってて、今は教職の資格の勉強を頑張ってます!

「1周年記念ワンマン」に込められた2つの意味

──ここからは、12月16日に行われたデビュー1周年記念ワンマンライブの率直な感想ついてお伺いさせてください。では、今度は旭奈さんからお願いします!

旭奈:ダンスも歌も未経験で始めたので、当日のことは緊張しすぎて記憶が飛んでいる部分もあります。笑 でもステージに立ったことで、自分がアイドルになったと改めて実感できたし、何よりファンの人の存在のありがたみを感じました!

久保:出る前はお腹痛くなるくらい緊張していたはずなんですけど、あっという間の時間ですごく楽しかったです。ステージから見えた来てくれた方の楽しそうな顔が忘れられないです。

小町:2人体制になったタイミングで、意図的にかなりライブの本数を増やしていたのでライブには慣れたと思ってたんですけど…あの日は思いの外緊張してて。笑 「4人体制としての再スタートを切る」というのと、「2人で頑張ってきたことの集大成」という2つの意味で大事にしたい日だったからこそ、成功させたい想いが本当に強かった。結果的には楽しくできたと思います!

八木:私は普段あんまり緊張しない方なんですけど、さすがに幕が上がった時のお客さんの数には圧倒されました。「こんなに人がいる!」って思った途端心臓バクバクでした…。笑 実はデビューライブとワンマンは同じ会場(大塚Hearts Next)でやらせていただいたんです。だからこそ、フロアの景色が良い意味で全く違うことがすごく嬉しかった。デビュー・ライブからのこの1年の活動が頭を過ぎりましたね。

──ワンマンでの4人体制発表に合わせて衣装も変わりましたよね。

旭奈:そうなんです。私、アイドルになりたかった理由の一つに「可愛い衣装を着てみたい」というのもあったので、こんなに素敵な衣装を作ってもらえて本当に幸せです!

八木:ね、本当に皆気に入ってるよね! ベースは似たようなフェミニンなデザインなんですけど、衣装さんが本当にこだわりを持って作ってくださって、一人ひとりに合わせたアイテムを盛り込んでくれてて。可愛い系だけど明るさもある、2人の時とはまた違ったデザインでテンション上がりました!

──ありがとうございます! 私は今回のライブで歌ったいただいた「君恋シークレット」と「Holy Night Gift」に作詞で参加をさせていただいたのですが…。笑 特に「君恋シークレット」は学生時代の淡い恋がテーマの楽曲ということで、皆さんの学生時代の過ごし方を教えてもらってもいいですか?

久保:私は高校が女子校だったんですけど、毎日お菓子食べて歌ったり…。

小町:えっ、高校だよね?笑 校則的にはお菓子いいの?

久保:いや、ダメです。笑 でも先生が理解ある人で、目を瞑ってくれて。ハロウィンには皆で勝手に仮装したりもして、毎日めちゃくちゃ楽しい高校生活でした!

小町:良い学校…なのかな?笑

久保:携帯は持ち込み禁止だったので、記憶の中の思い出なんですけど。笑

小町:いいな! 私は学生時代、部活頑張ってたかな〜。

──小町さんは何部だったんですか?

小町:吹奏楽部です。とはいえ、頑張ってたのは中学で。アルトサックスをやってたんですけど、高校はマーチングが強すぎる学校でちょっと気が引けてしまい…。笑 あとは、お家のお手伝いをしてお小遣いをアップしてもらってました♡

全員:可愛い〜!

八木:私は中高の6年間、茶道部に入ってました。でも、お手前ってお客さん含めて1回に6人しかできないんですよ。だから暇な部員は宿題やったりしてましたね。笑 茶道部か華道部と迷って、茶道部を選びました。

旭奈:私も吹奏楽部で、担当はフルートとクラリネットでした。定期演奏会で「レ・ミゼラブル」を演奏した時は本当に楽しかったな。ちなみに小学校の頃はトランペットもやってましたよ!

──旭奈さんは楽器がお好きなんですね!

旭奈:そうですね! 一番最初はピアノを習っていて、そのあと小学校に上がった時にフルートをどうしてもやってみたくて。で、吹奏楽にハマり始めたんです。けど、当時入った楽団が金管バンドだったんですよね。それで、トロンボーンを受けてみたけど身長が小さくて手が届かず…。笑 最終的にトランペットになりました。

──本当に多才ですね。楽器が好きな旭奈さんですが、アイドルといえばやはり「歌」ですが、歌うことは元々お好きでしたか?

旭奈:それが歌はすごく苦手で…。中学とか高校とかって合唱コンクールがあるじゃないですか? だからその時はほとんど伴奏に回って、歌うことから逃げていた学生時代でした。合唱コンクールの伴奏はほぼ担当してたかな。

久保:逆に!? それすごくない?

旭奈:そうかな?笑 もちろん、今はだいぶ歌も好きになりました!

──す、すごい…。まだまだ掘れば色々出てきそうな雰囲気ですが、お次は久保さんいかがでしょうか?

久保:私はピアノじゃなくて、エレクトーンを12年くらいやっていて。ほかの人と被らないような珍しい楽器が好きなんです。最近だとカリンバを始めました!笑

──カリンバ……?

久保:存じ上げないですよね。笑 あとはギターもやってましたし、歌うのも好きですし、とにかく音楽全般が好きですね!

──あとで勉強しておきます!笑 このお2人のあとだと話しにくいかもしれないのですが、小町さんと八木さんはどうですか?

小町:私もピアノはずっとやっていました! あとはさっき話した吹奏楽部のアルトサックス。軽音楽部ではなかったけど、バンドを組んで文化祭にも出させてもらったりしたな〜。

──ピアノができるとキーボードでも対応できるから有利ですよね!

小町:いえ、バンドはベースで出てました!

八木:なんで!?笑

小町:単純にかっこいいなと思って。笑 あと色んな楽器をやりたくて、新しい楽器に触りたい気持ちが強かったんですよね。

八木:ここにもいたね…(久保を見ながら)。

小町:もちろん私も歌うのは大好きです! 普段の声は小さいかもしれないんですけど、結構歌うと声張れるタイプです。

八木:私は特にガッツリ楽器をやっていた訳じゃないんですけど、皆のおすすめの曲を聴いたりとか、音楽を聴くこと自体は好きです。それこそ、まりが勧めてくれた曲もよく聴くよね?

小町:そうだね。私が「めっちゃ良い!」って思ったものを勝手に押し付けてる。笑

──ありがとうございます。新メンバーのお2人を加えてさらに賑やかになったロング・グッドバイの皆さんですが、それぞれの展望を一言ずつ教えてください。

八木:まだ立ったことのない大きなステージに立ちたい。活動を始める中で存在を知った素敵な会場もたくさんあるので、そこに4人で立ってみたいです!

小町:個人の目標で言えば、まずはパフォーマンス力をもっと磨きたいです。ダンスも歌も、ファンの方を魅了できるような武器を増やしていきたいですね。

久保:私は目標に関してはただ一つです……有名になりたい! オーディションでも言ったんですけど。笑 私という存在を色々な角度から表現することで、皆を笑顔にできる人になりたいです!

旭奈:そうですね…たくさんあるんですけど、まずは応援してくれる人に「旭奈を応援していて良かったな」と思ってもらえるアイドルになりたいです。

──皆さんそれぞれ異なる理想を掲げながら、同じグループとして活動するにつれてこれからもっと花開いていくのではと期待が膨らみます。最後に、ロング・グッドバイがグループとして目指す目標をリーダーの八木さんに伺ってもいいですか?

八木:今4人がそれぞれ挙げたものが、現状グループで目指すべき全てかなと。全員の目標を叶えることが、ロンバイをもっともっと大きくしてくれるんじゃないかな。個人の目標を、皆の目標に。そういうグループでありたいと思っています!

* * *

ロング・グッドバイのデビュー1周年記念ワンマンライブで「なんて綺麗なものを観たんだろう」と心から感じたことを覚えている。何かと忙しない師走にもかかわらず、会場は満員。ずっと前から彼女たちのファンであったのだろう男性が涙ぐむ姿や、ペンライトを嬉しそうに振る女の子のファンの姿に、アイドルを推すことの楽しさ、そして何よりアイドル現場の尊さを改めて感じさせられた。

この子たちが大切にしているものがずっと輝き続けて欲しい。実際のパフォーマンスを観て、そう願わずにはいられなかった。作詞をする際にメンバーからざっくりと曲のイメージをもらうことがあるのだが、その内容からも「ファンと一緒に楽しめる」ことを意識していることがロング・グッドバイからはひしと伝わってくる。4人のファンへの想いがしっかりと実った瞬間を見届けることができたあのライブは、2022年の最後を飾るに相応しい時間だったと思う。

今回のインタビューでは、新メンバーのパーソナリティに触れる機会も多く、これからの活動がますます楽しみになった。新体制になった彼女たちは、我々にどのような「さよならまでの時間」を与えてくれるのだろうか。

ロング・グッドバイ

〈L→R〉
八木玲衣@dmp_rei
小町茉莉@dmp_mari
久保りか@dmp_rika
旭奈もも
@dmp_momo

HP:https://the-long-goodbye.info/
Twitter:@dmp_long
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCZs-Hjae1VBUMUFrSwJh3_Q/featured

◆ライブやメディア出演のお誘いはこちらから

※なお、現在musitでは今回登場したロング・グッドバイほか、現行グループ5組の撮り下ろし写真とインタビューの未公開部分を収録したオリジナルZINEを制作中。販売時期及び値段等、詳細はmusitのTwitterアカウント(@musit7)にて発表予定。ご期待ください。

すなくじら