【音楽ファン必飲!】ポップなシードル、FRUKTSTEREO(フルクステレオ)を飲んでみた
こんにちは、酒屋勤務の仲川です。
これまで音楽愛溢れるラベルの日本酒や《Island Records》社長がプロデュースしたラム酒など、音楽好きなら思わず飲んでみたくなるであろうお酒を紹介してきました。
今回は、名盤レコードやCDのジャケットをオマージュしたポップなラベルが話題の、スウェーデンのシードルメーカー・FRUKTSTEREO(フルクステレオ)をご紹介します。
「シードル」ってどんなお酒?
まずは、シードルというお酒について簡単に説明します。
「シードル(Cidre:フランス語)」は、リンゴを原料に酵母で発酵させた醸造酒です。イギリスではサイダー(Cider)、アメリカではハード・サイダー(Hard Cider)と言います。発酵中に発生する炭酸ガスを含んだ、シュワシュワとした発泡性のものが主流ですが、微発泡や発泡してないものもあります。
アルコール度数は8度以下のものが多く、同じように果実を発酵させたワイン(11〜13度)と比べて度数が低いため、アルコールに強くない方にも飲みやすいお酒と言えるでしょう。
味わいはトロッとした甘口からドライな辛口まで多彩。副原料としてほかのフルーツやスパイス、ハーブを加えたものもあります。
また小麦など穀物を使用していないグルテンフリーのお酒なので、欧米では健康意識が高い層を中心に近年人気が出てきています。
日本でも、長野や東北など、リンゴ栽培が盛んな土地でのシードル醸造所が増えており、香料や酸味料などの添加物を使用しない本格的なシードルが続々とリリースされていることもあり、今後より一層注目されるであろうカテゴリーのお酒です。
注目のシードルメーカー、FRUKTSTEREOとは?
FRUKTSTEREOとは、スウェーデンのシードルメーカーです。

‘‘Fruktstereoは、2014年にカール・ショストロムとミカエル・ニペリウスが、ヨーロッパの何人かの友人からナチュールワインの輸入を開始。輸入と同時に、自分たちで何かを作りたいとの思いを抱き、2016年にマルメから30km離れたHällåkravingårdで、シードルの生産をスタート。果物や野菜はスウェーデンで生産されたものを使用することにこだわり、原料の栽培から製品化まですべての工程を手作業で行なっている。’’--DIG THE LINEオンラインショップより抜粋
原料にリンゴだけでなく、洋梨やワイン用のブドウを使い、変幻自在なシードルに仕上げているのも彼らの魅力の1つ。その独創的な製品に、売り場で目を引くポップなラベルデザインを施して販売しています。
なので、レコードのジャケ買いのようにラベルで選ぶのもOKですが、実際のレビューがあれば皆様も更に手に取りやすく、自分の好みに合ったものを選びやすくなるかと思い、今回は2種類をテイスティングしてみました。
「Punkquett」を飲んでみた

色鮮やかなラベルデザインに見覚えはありませんか? イギリスのパンク・バンド、セックス・ピストルズが1977年にリリースした『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols(邦題:勝手にしやがれ!!)』をオマージュしたデザインが施されています。
「Punkquett」の特徴は下記の通り。
‘‘洋梨/リンゴ95%、赤ブドウ5%のシードル。リンゴと洋梨にほんのりとブドウの皮のような風味。甘酸っぱくても、酸味がやはり強めで、赤ブドウのちょっとした渋みも感じられる。度数の割にはボディーがしっかりある。’’--DIG THE LINEオンラインショップより抜粋
仲川のテイスティングコメント
- シャープな酸味が楽しめる、すっきりとした辛口。
- 舌の上で味わうと確かにブドウの風味も感じられ、パンを連想させる酵母の風味も相まって、ナチュラルワイン(自然派ワイン)にも似た飲み心地。
- 料理は何でも合わせやすい。特にチーズやサラミ、サラダなどと相性が良い印象。また、キュンとくる酸味はフルーツタルトなど、スイーツにもよく合うと思う。
「Cider Maybe」を飲んでみた

このラベルの元ネタもお分かりでしょうか? こちらは、オアシスの名盤1stAL『Definitely Maybe』をオマージュしたデザインとなっています。
「Cider Maybe」はこんなシードルです。
‘‘洋梨87%、白ワイン用のブドウ13%のシードル。最初は洋梨をブドウと一緒に発酵させて、オレンジワインの様に3ヶ月皮と共にふやかして、最後にリンゴを加えた。ベースは洋梨が強いが、ブドウがいいバランスで絡み合うことで、シードルとワインのいいとこどりをした新しい飲み物が生まれた。力強いボディながら飲み口はドライ。’’--DIG THE LINEオンラインショップより抜粋
仲川のテイスティングコメント
- 様々なフルーツが入っていて、まるでミックスジュースのようなまろやかさのある甘みと果実感。後味のシャープな酸味がバランスをとっている。
- まったりとした口当たりとトロピカルフルーツのような風味はHAZY IPAを彷彿とさせる味わい。クラフトビール好きにもおすすめ。
- サンドイッチやハンバーガーなど、パン+野菜+肉に酸味がよく合うと思う。
あと、これ注意点。ガス圧が強くて滓(にごり)が舞っている状態だと吹きこぼれやすくなります。買ったらまず冷蔵庫で1日以上、ボトルを立てた状態で保管しましょう。しっかり冷やしてから、ゆっくり抜栓すると開けやすくなります。不安な方はボウルなどを下に置いて抜栓してください。
終わりに
今回は「Punkquett」「Cider Maybe」の2種類のシードルをテイスティングしましたが、どちらもナチュラルなテイストで飲みやすく、個性も感じられる仕上がりでした。
このほかにもダフト・パンクをオマージュした「Daft frukt」、N.W.A.オマージュの「F.W.A. Dalby」など、音楽好きなら思わずクスッとしてしまうようなラベルのシードルがたくさんあります。
ホームパーティーの手土産に持っていけば、盛り上がること間違いなし。飲み終わったボトルをオーディオ周りに飾れば、オシャレなインテリアにもなります。是非皆さんも飲んでみてください。
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◯DIG THE LINE 《FRUKTSTEREO》:https://digtheline.sakahachi.jp/breweries/frukstereo
◯DIG THE LINEオンラインショップ:https://dig-the-line-store.com
仲川ドイツ
