私を構成する9枚【寄稿/いや、参ったよ。編】

私を構成する9枚【寄稿/いや、参ったよ。編】

#私を構成する9枚--その文言通り自身の音楽遍歴を語る上では決して切り離せない音楽作品を9枚選ぶハッシュタグ。musitでは書き手自身を掘り下げるべく個人の音楽的嗜好に迫る企画としてお送りしている。

アーティストからリスナーに音楽が手渡される。その過程で物語が生まれ、同じ作品でも受け手の数だけドラマがある。そういった「音楽は個人史である」という側面を、より読者の皆様に広く共有し楽しんでいただきたいという思いから、本企画の寄稿を募集。今回はその公募分から掲載する。選出した9枚の中から、特に思い入れの強い3枚について語っていただいた。

* * *

ザ・スターリン『GO GO スターリン』(1983)

初聴は多分15歳、1986年。廃盤だった『trash』を探しに、西新宿のインディーズ店、ブート店を何軒も回りましたが当然見つからず、まだ定価で売っていた本作を購入しました。しかし、余り物などではなく、予想を数倍超えてすごかった…。絶好調のミチロウのヴォーカル、強靭な演奏、「共産党」が歌詞になるんだという衝撃は、唯一無二でした。左翼にこそなりませんでしたが、私が何かとモノを斜めから見る原因の1つになっております。なお、本作を聴いた翌年、ミチロウによりビデオスターリンなるバンドが結成されまして、何というか、うつむいて見て見ぬ振りをするしかない状況に陥るのですが、それはそれ、これはこれ。

Sex Pistols『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』(1977)

初聴は14歳、1985年。これも後追いです。言わずもがなの超有名盤、中二病真っ盛りの自分も、案の定、瞬殺されました。最初は、ジョニー・ロットンの巻き舌+悪意の塊みたいなヴォーカルにやられ、その後は、やはりその内容。輸入盤を持っているのに、初めて歌詞カードを見るために国内盤を買った作品でもあります。今でも、鬱に入りかけの時は本作を聴いて力にしているし、ああ、ハード・ドラッグはやるもんじゃないな、という勉強にもなりましたし、まさに自分を構成している1枚です。

Kiroro『長い間〜キロロの森〜』(1998)

本作は発売当時に聴いています。細かいことは避けますが、当時は俄然無職で、鬱も頻発しており、精神的にかなり追い詰められていた時期で、そんな時に出会ったのが本作。あまりにクリアな沖縄の風景と直球の青春模様の歌詞に、ゲームと自慰しかしていなかった自分がほとほと嫌になって、「何とかしなきゃ…」と思い知らされた次第です。その後、ふとしたきっかけで社会復帰し、今に至るので、いわば恩人のような作品。つまり、今の自分のかなりの割合を構成している作品なのであります。

* * *

◯執筆=いや、参ったよ。
Twitter:@liarkm

musit編集部