私を構成する9枚【寄稿/許してください編】

私を構成する9枚【寄稿/許してください編】

#私を構成する9枚──その文言通り自身の音楽遍歴を語る上では決して切り離せない音楽作品を9枚選ぶハッシュタグ。musitでは書き手自身を掘り下げるべく個人の音楽的嗜好に迫る企画としてお送りしている。

アーティストからリスナーに音楽が手渡される。その過程で物語が生まれ、同じ作品でも受け手の数だけドラマがある。そういった「音楽は個人史である」という側面を、より読者の皆様に広く共有し楽しんでいただきたいという思いから、本企画の寄稿を募集。今回はその公募分から掲載する。選出した9枚の中から、特に思い入れの強い3枚について語っていただいた。

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Galileo Galilei『PORTAL』(2012)

人生で初めて自分の意志でハマり、音楽にのめり込むきっかけとなったアルバム。元々父親がGalileo Galileiのファンで、自分が小学校低学年の頃にカーステで「夏空」をずっと流していたのがきっかけで興味を持った。父親にCDを貸してもらい聴いてみたが、1曲目の「Imaginary Friends」のイントロから流れてくるシンセの音に開始早々衝撃を受けた。1stアルバムからは打って変わって、電子音を基調とした実験的な作品だったからだ。今思い返してみれば、初めて聴いたアンビエント・テクノも「Swimming」というインスト曲である。今の自分における音楽の価値観の根底になる部分を作った作品だ。

HATTORI Takashi『UNBORN』(2013)

初めて聴いたのは中学生の時。エクスペリメンタル系や電子音楽、ポスト・クラシカルの右も左も分からない時に初めて聴いたので、最初は意味が分からなかった。しかし「Humanity」という10分を超えるポスト・クラシカルの大作に惹かれ何度もアルバムを再生し、エイフェックス・ツインやシルヴァーノ・ブッソッティ、アタリ・ティーンエイジ・ライオットや私を構成する9枚で挙げたアルバムなど様々なジャンルの名盤とされる作品を聴き漁り、さらにこのアルバムを好きになりたいと思った。自分の世界を広げ、自分の好きをより深く掘り下げていくきっかけになった作品だ。

Lovesliescrushing『Bloweyelashwish』(1993)

音楽にハマったきっかけがGalileo Galilei『PORTAL』とポーター・ロビンソンとマデオンの共作『SHELTER』である自分は、電子音楽に傾倒していたが故に広くロック・ミュージックと距離があった。その距離感をなくしたのがこのアルバムだ。シューゲイザーの名盤の1つに数えられる今作は、その範疇に収まらずノイズ・ミュージックやアンビエントなど様々な要素を持っている。轟音のギターの気持ち良さ、Melissa Arpin-Duimstraの美しい歌唱に惹かれた。この作品を勉強中に聴くと眠くならず集中できるので、好んで何度も繰り返し再生した思い出の作品だ。テスト前に終わっていない課題の山と向き合っている時の記憶が蘇り、今でも胃がキリキリすることもあるが。

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◯執筆=許してください
Twitter:@onakasuitaippai

musit編集部