【スクリーンで君が観たい Vol.6】 昔も今も変わらない純朴な瞳──あどけなさの残る癒し的存在、キット・コナー

【スクリーンで君が観たい Vol.6】 昔も今も変わらない純朴な瞳──あどけなさの残る癒し的存在、キット・コナー

映画と音楽をこよなく愛するライター・安藤エヌがこれまで鑑賞した作品の中でも特に自身の胸を射止めた「推し」を語る不定期連載。今回は、以前特集した『ファンタスティック・ビースト』でテセウス役を演じたカラム・ターナーに引き続き、「犬系俳優」を紹介。その人物とは、ぷっくりとした赤い頬と愛しさ溢れる瞳が映画ファンの心を撃ち抜く若干18歳の若手俳優、キット・コナーだ。

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推し洋画俳優のファンアカウントや本人のアカウントをInstagram見ている時が一番幸せだ。役柄とは違うプライベートな素顔を見せたり、気ままに弾き語りライブを始める推しを見られることは健康に良い。どんなに現実が辛くても、悪いことが重なっても、推しが健やかに過ごす姿を見るだけで幸せな気持ちになれる。

そんな私が最近もっぱら追いかけている俳優とは、エルトン・ジョンの自伝映画『ロケットマン』(2019)で子役として出演、堂々と力強い歌声を披露し瞬く間に「あの子、一体誰?!」と映画界隈で話題を呼んだキット・コナーだ。

むろん、私も彼を知ったのは『ロケットマン』で、名曲「Saturday Night’s Alright For Fighting」のあまりに成熟した完璧な歌いっぷりに度肝を抜かれ、「この子は絶対に大物になる」と確信していた所、ついに運命の再会を果たしてしまったのだ。そう、Netflixで配信中のドラマ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』で再会した、メインキャラクターのニック演じる彼の姿に、物の見事にハートを撃ち抜かれてしまったのである。

いつの間にそんなトレーニングを、というくらい筋肉のついたがっしりした身体。しかしながら、少年時代の面影をふんだんに残した優しい顔つき。クリームブラウンのさらさらの髪から覗く純朴な瞳……。『ロケットマン』ぶりに出会った彼は驚くほど成長していて、だけど確かに目元の柔らかさや頬の丸さは変わっておらず、ヴィジュアルから私の心臓を鷲掴みにしてきた。

ドラマにハマり、Instagramで公式アカウントをフォローして、食い入るようにキットを見つめる毎日。ああ、私があと15歳若かったら……と思うが、そんなこと構わない!と強気な自分もいる。三十路の女がティーンの俳優に夢中になることは、何ら珍しいことではないのだ。

インスタのポストを片っ端から見ていると、「Nick Nelson as golden retriever」というものを見つけた。キット演じるニックが、ゴールデン・レトリバーの写真と交互に並べられ、動画にされているポストだった。

私はそれを見て満面の笑みを浮かべ、速攻でお気に入り(コレクション)に保存した。

辛い時にはこれを見返して乗り切ろう──そう真剣に思ったのである。そしてやはり、私は大型犬タイプの俳優に弱いということも再確認した。好きな大型犬(のような俳優)を集めてドッグカフェを開きたい……なんて馬鹿げた妄想を繰り広げるのもご愛嬌。そんな感じで、今日も笑顔の優しいゴールデン・レトリバーのような彼にときめきながら過ごしている。

金色の毛、もといブラウンの髪をくしゃくしゃにしたい衝動を抑えながら。

安藤エヌ