【スクリーンで君が観たい Vol.5】世界を魅了する次世代のプリンス・オブ・ハリウッド、ティモシー・シャラメ
映画ライター・安藤エヌの「推し」を思うがままに語る不定期連載。今回は現在開催中のヴェネツィア国際映画祭で背中を大きく開けたド派手な衣装姿で出席し、ますます世界を魅了する存在へと昇りつめる「プリンス・オブ・ハリウッド」こと、ティモシー・シャラメの魅力を改めて考察する。
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ルーヴル美術館の所蔵品と同じレベルの芸術を簡単に鑑賞する方法がある。Googleで「ティモシー・シャラメ」と検索するのだ。画像欄を見ると、そこにはビョルン・アンドレセンと肩を並べられるほどの絶世の美青年が現れる。今回綴るのはその、次世代のプリンス・オブ・ハリウッドとの異名を持ち大ブレイク中の洋画俳優、ティモシー・シャラメだ。

彼の名前を世間に知らしめたのは、2018年公開の映画『君の名前で僕を呼んで』だ。夏の北イタリアを舞台に、少年エリオと青年オリヴァーが惹かれ合い魂のつがいとなっていく様を圧倒的な芸術美で描いた本作で、ティモシーは主人公のエリオ役を務めたのだが、映画界隈では公開当初からどこもかしこも彼の話題で持ちきりだった。
なんといってもその美貌である。フランスとアメリカのハーフで彫りの深い顔立ち、透き通った瞳、長いまつ毛にすっと通った鼻……と、日本でいえば『ト―マの心臓』の萩尾望都が作画したのではないか、と思うほどの耽美なる美しさなのだ。

唯一無二の美しさに加え、『君の名前で僕を呼んで』での繊細で若々しい演技が評価されたティモシーは、そこから一気にスターダムを駆け上がっていく。グレタ・ガーウィグ監督『レディ・バード(2017)』から『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)』、ウディ・アレン監督『レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019)』、ウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』……と、著名な監督が手がける作品に次々出演。2021年に公開されたSF巨編『DUNE/デューン 砂の惑星』では主人公のポールを演じ、2023年公開予定のパート2を絶賛撮影中とのことだ。

名実ともにすっかりハリウッドスターとなったティモシー。ファンサービスの旺盛さ、俳優キャリアを始めた当初には自分で着る衣装を選んでいたという彼がプレミアや授賞式で着こなすファッション、飾らない人柄……などなど、周囲から愛される所以が満載な俳優でもあることは特に推していきたい。
最近では、『君の名前で僕を呼んで』を監督したルカ・グァダニーノの最新作であり、ティモシーにとって彼と再びタッグを組む作品となった『Bones and All(原題)』の上映が行われるヴェネツィア国際映画祭に出席。レッドカーペットでは背中が大きく空いた真っ赤な衣装で登場し、攻め攻めのルックに思わず「何着ても似合っちゃう推し、好き……」と天を仰いだ。

また、自身のInstagramではルカ監督とのツーショットをポストし、「僕の人生を変えた人」とルカを紹介。

コメント欄には「私の人生も変わったわ、ティモシー」と女性ファンからの熱烈なラブコールが。かくいう私もその1人なので、そのポストは後生大事にコレクションにしまっておこうと思う。
いつか彼のキャリアを振り返られる&大判サイズで彼の美貌を堪能できる写真集などが発売されないかな……と妄想しながら、若きハリウッドの星の活躍を楽しみに見守っていきたい。

安藤エヌ
