Gosekiのアメリカ徒然探訪録:Day 16-18

Gosekiのアメリカ徒然探訪録:Day 16-18

アメリカでの滞在もいよいよ最終フェーズへ。チーム・Awesome &roidのメンバー5人が集結した3日間を振り返る。どうやらミュージック・ビデオを撮影したらしいが、まだ詳しくは語れないという。公開を心待ちにするとしよう。

主な登場人物

ゴセキ
Awesome &roid ベース、musitライター

タツル
Awesome &roid ヴォーカル/ギター

ショータロー
カメラマン

タカヒロ
Awsome &roid サポート・ギター

シバ
Awsome &roid スタッフ

* * *

8月16日

今日はついに日本から彼が来る。サポートでありながらもAwesome &roidを愛しAwesome &roidに愛された男。ギタリスト、タカヒロ!

本当ならシバと同じタイミングで来る予定だったのだが、急遽出国が遅れてしまい、今回が初海外にも関わらず1人で飛行機に乗りアメリカまで来てくれた。本当に感謝しかない。

朝一で彼を空港に迎えに行くために早起きをする予定だったが、全員見事に寝坊しケイシー宅を出発した時にはタカヒロは既に空港に着いていた。ごめんね。ロサンゼルス空港に着きタカヒロを探す。きっと1人で心細くしているだろうと心配していたが、彼は喫煙所で余裕そうにタバコを吸っていた。知らない人に話しかけられタバコをあげたりもしていて驚いた。メンタルが強い。タバコミュニケーションというやつは国境を超える。ちなみに彼は私と同じ、いや私よりも英語が喋れないノットイングリッシュスピーカーだ。どうしてそんなに威風堂々としていられるのか、見習いたいところだ。

そもそも彼1人で入国審査を通過できたことに全員が驚いた。一体どうやってあの怖い検査官の質問に答えたのかと聞くと、「全く言葉が分からないって顔してたら向こうが翻訳機使ってくれてなんとかなった!」と言う。検査官の心を折るタカヒロ。強い。検査官がかわいそう。ともかくこれでオーサムのメンバーが全員揃った。旅も終盤に迫っていたが、ここからもっと楽しくなる予感がした。

まずはお腹を空かせたタカヒロに朝ごはんを食べさせるため、空港近くのチェーン店《Dunkin’ Donuts》へ向かった。またドーナツかと思うかもしれないが、その時は全く思わなかった。この頃にはもう脳みそが小麦粉に侵されていたのだ。

《Dunkin’ Donuts》はアメリカ最大のドーナツ・チェーン店で、これぞザ・アメリカといえるような甘いドーナツと味の薄いコーヒーが飲める。その昔、コーヒーが熱すぎて舌を火傷した人が裁判を起こし勝訴したという、アメリカン・ジョークの鉄板のような逸話を生み出した意味でも世界的に有名なドーナツ屋なのだ。シバと一緒に是非とも火傷級のコーヒーを飲んでやろうと意気込んでみたものの、真夏の炎天下で熱い飲み物は無理だと判断し、妥当にアイスコーヒーとサンドイッチを食べた。私は前日の暴食を引きずっており絶賛胃もたれ中だったためドーナツは食べれなかった。

タカヒロの初の英語注文。私がホットドックの洗礼を浴びたように苦しんでしまえ!と思いきや、彼はタツルに注文を全て任せていた。ずるい。私はホットドックを何度も何度も言い直されたのに。タカヒロは英語を話せるようになりたいという気持ちは全くないらしく、ほとんど全ての注文をタツルに任せていた。タツルもタカヒロについて回り、全力でサポートをしていた。何か金銭的な取引があったに違いない。

外のテラスで食事をしていると、ホームレスがお金と食べ残しをくれと絡んできた。ダウンタウンにも空港にも近いファストフード店の治安が良いわけがないため覚悟はしていたが、やはりアメリカのホームレスはグイグイ来る。そしてロサンゼルスには若いホームレスも少なくなかった。まだ30代の働き盛りに見えるが、どういう経緯でこのような生活を選んだのだろうか。アメリカに来て2週間以上が経ったにも関わらず、ホームレスを見るといろいろなことを考えてしまう。

腹を満たした私たちは、せっかくアメリカに来たタカヒロが行きたいと言っていたハリウッドへ向かう。《メルローズ・アベニュー》はファッション系のショップが多く立ち並んでおり、日本でいうところの竹下通りのようで、若者の流行の最先端となっている。前回ハリウッドに来たときはレコード・ショップしか見なかったので気が付かなかった。こんなところに来たがるとは、タカヒロは実はお洒落さんなのか。

《Ripndip》のショップでさっそく買い物をするタカヒロ。私たちが一番最初に作った曲の由来となったブランドでもあるので、なんとなく愛着はあった。この曲は最初期からAwesome &roidを知っていないと知らないかもしれない。気になる人は探してみてほしい。

店を出るとタツル、シバ、タカヒロの3人は謎のカメラに囲まれていた。何事かと近付くと、どうやらYouTuberに取材を受けているようだ。頭にバンダナを巻いたアジア人3人組は目立つのだろう。流暢にインタビューに答える様はさすがと言える。私とショータローは他人のフリをしながらそれを眺めていた。

Awesome &roidは今日から3日間かけて新しいミュージック・ビデオを撮る予定となっていた。今日が1日目だ。まず最初にサンタモニカへ向かう。

サンタモニカはロサンゼルスの北側にある港町で、あの有名な道路《Route 66》の終点にある街だ。観光地らしく陽気な雰囲気はあるがカリフォルニアよりは寒く、海水浴というよりはサーフィンが盛んなようだ。オーシャンサイド、ロングビーチ、ベンチュラ、サンタモニカと、同じ州にある港町でも場所によって全く違う雰囲気を出している。サンタモニカのふわっとした陽気さが私には心地よかった。

街を歩いていると、なぜか壁一面にBlink-182の「What’s My Age Again」の全裸ダッシュシーンが描かれた壁を発見する。テンションが上がり記念撮影をしていると、現地のおばあちゃんから「これ何の絵なの? 結構前からあるんだけどいたずらじゃないの?」と聞かれたので、これは僕らにとってはとても大切な絵だよと教えてあげた。おばあちゃんは変な人を見る目をしていた。全裸の男が3人で走っている絵を大切だと言うアジア人はよほど変な人に見えただろう。変な誤解をされていないといいが、、、、

《Route 66》の終点に行くと遊園地があった。みなとみらいにある遊園地くらいの規模感だったが、そのローカル感にわくわくする。チュロスを食べて、ジェットコースターに乗る。ここに来たのは撮影のためであったのだが、そんなことも忘れて遊んでしまった。

遊園地から少し行った所のヴェニス・ビーチはWeezerの名盤『White Album』のジャケットの撮影に使われており、Awesome &roid的には聖地のような場所だったが、撮影の関係で時間がなくゆっくり見ることはできなかった。次に来た時には写真を撮りたい。

その後、タカヒロがお腹が空いたというので、我らのお馴染みバーガー屋《In-N-Out》で食事をとる。アメリカに来て何回目だろうか。何度食べても美味しいが、だんだんとパンの食感に嫌気が差してきた。

その後もいくつかのシーンを撮影し、本日の撮影は終了した。タカヒロは入国して早々にいろんな場所に連れ出されクタクタになっていた。申し訳ない。撮影の様子についてなどは、これから発表するミュージック・ビデオのネタバレになってしまうため、割愛させていただく。なかなか面白いこともあったのでどこかで番外編として書けたらいいな。

* * *

8月17日

17日、18日は1日中撮影だったため、今の段階で書けることがかなり少ないがご了承いただきたい。

まずは20日に控えた2回目のライブに備えて、4人でのリハーサルをした。ついに4人揃ったAwesome &roidはやはり違う。ケイシーから「今まで腕のパーツが足りなかったアンドロイドがついに全てのパーツが揃ったな」と言われ、20日のライブが待ち遠しくなる。

これまでは遅れて入国したタカヒロがいなかったため3人でしばらく練習していたわけだが、悪いことばかりではなく良いこともあったと思う。3人で練習することによって今まで気付かなかったフレーズの粗や改善点が見つけられたし、タツルのギターとベースを合わせる意識を今まで以上に持つことができ、より強固なサウンドになった気がする。そこにタカヒロのサウンドが合わさるのだから、良くないわけがない。

タカヒロはギターをケイシーに借りていたが、エフェクター類は自前のものを日本から持ってきていた。かなりの量だったのでどうやって持ってきたのか聞くと、ポケットに入れられるだけ詰め込んだと言うので驚いた。爆弾テロ犯と間違えられなくて良かった。

リハーサルは順調で予定していたよりも早く終わり、その後はミュージック・ビデオの撮影となる。

* * *

8月18日

この日も早朝から撮影だった。

詳しくは言えないが、この日は気温122°F(50℃以上)を超える砂漠で撮影をし、全ての撮影が終了したのは21時だった。死の危険を感じ私はアメリカで初めてゲータレード(日本でいうポカリ的な飲み物で着色料をガンガンに使っている)を飲み、引くほど甘いし体が拒否しそうなくらい青い色をしていたが、汗で奪われた塩分と水分を補給することができた。さらに道中で買ったビーフジャーキーを噛み、タンパク質も補給。気分はもののけ姫に出てくる死にかけのアシタカだ。

文字通り命をかけて作ったミュージック・ビデオは、いつか発表されるはずなので是非観てほしい。かなり良いものになったはずだ。

そして早いもので、この日はスタッフとして来てくれていたシバのアメリカ滞在最終日となる。彼は仕事もある中で時間を割いて私たちのためにアメリカまで来てくれてサポートしてくれた。感謝しかない。

撮影の打ち上げも兼ねてシバのお別れ会を開催した。場所は最近アメリカで流行っているというチキンの店《Cane’s》。内装がかわいい。犬を推しているのか、至る所に犬の写真や絵が飾られており、犬派の私にぴったりなお店だった。店のグッズに犬がプリントされたかわいいTシャツがあったので、現在メイン・サポーターとしてドラムを叩いてくれているイヌイチへのプレゼントとして購入した。自分用にも買っておけば良かった。ちなみにイヌイチがこのTシャツを着ているのをまだ見ていない。気に入らなかったのか。悔しい。

チキンは美味しかった。気がする。正直撮影が疲れすぎて何を食べたのかも覚えていなかった。

5人揃った期間は短かったが、全員がAwesome &roidのためにこんな遠く離れた場所まで来てくれたということが嬉しかった。シバはこの日モーテルに泊まり、朝一の飛行機に乗るためここでお別れとなる。本当にありがとう。また日本に帰ればすぐに会うことになるはずなのに、アメリカでの別れはやたらと寂しく感じてしまう。

そして私たちは、知らず知らずのうちに気づかないふりをしていたことをシバの帰国で思い出してしまった。自分たちのこのアメリカ旅行の終わりが近いということを。

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Goseki