Gosekiのアメリカ徒然探訪録:Day 21

Gosekiのアメリカ徒然探訪録:Day 21

アメリカ・ツアーの2日目を無事成功させたAwesome &roid一行。アメリカで丸1日過ごすのも、この日が最後となる。名残惜しさを振り切るように食べて、買って、食べる!

主な登場人物

ゴセキ
Awesome &roid ベース、musitライター

タツル
Awesome &roid ヴォーカル/ギター

ショータロー
カメラマン

タカヒロ
Awsome &roid サポート・ギター

ケイシー・デイツ
The Velvet Teen ドラマー/Awsome &roid アメリカ・ツアーのサポート・ドラマー

* * *

8月21日

モーテルで目を覚ます。ここ数日、ケイシー宅のふかふかのベッドに慣れていたため腰を痛めた。最初の10日間は毎日こんな生活だったはずなのに、慣れは恐ろしい。明日は朝一の飛行機に乗って帰るため、アメリカでの生活は実質今日が最終日となる。

まずは昨日のうちにモーテルにしまっていた楽器などの機材を車に積み直す。アメリカでは機材盗難が頻繁にあるため、どこかに泊まる時は貴重品を車に残すことはまずないそうだ。特にモーテルなどは治安も良くないため、部屋に置けるものは全て置いた。少々面倒だったが大切なことだ。実際、日本でも車上荒らしなどはたまに聞く。海外となればその危険度はさらに増すのだろう。

機材を積み直し、我々はサンディエゴからロサンゼルスへ出発した。途中で朝ごはんを食べようとケイシーおすすめのカフェに行く。そこはカフェというよりはパンケーキが有名で、行列ができるほどのお店らしい。ケイシーが事前に予約してくれていたらしく、すぐに入れた。

アメリカ人はとにかくパンケーキが好きだな。もしくはケイシーが特別パンケーキ好きなのだろうか。せっかくなので私も店自慢のフルーツと生クリームがふんだんに乗ったパンケーキを食べる。とても美味しかったが朝に食べるものではなかった。2口目にはもうお腹がいっぱいになっていたが、朝からこんなに甘いものを食べることも日本ではもうないと思い、気合いで食べ切った。今日はもう何も入らないかもしれない。

パンケーキのトッピングだけでこの量…

ロサンゼルスに戻る途中、アウトレットに寄る。これが今回の旅で最後のアウトレットになる。ショータローとタツルは最後まで掘り出し物を探すために奮闘するようだ。タカヒロはタツルに連れられ、ケイシーは車で休んでいた。

私は相変わらず服や靴に関してはあまり欲しいものがなかったので、1人でフラフラ歩くことにした。途中アメリカらしいおもちゃ屋さんがあったので入ってみる。中には所狭しとおもちゃが陳列されている。私は特別フィギュアやおもちゃが好きなわけではないが、おもちゃ屋のような子供の夢が詰まった店は大人になった今でもわくわくしてしまう。子供が母親におもちゃを買ってとせがんでいる。こういった光景はどこの国でも変わらないのだなと微笑ましく思う。

それ以外のお店で特に見るものがなかったためすぐに一周してしまった。ちょうどVANSの前を通ったところでショータローに遭遇したので、このまま行動を共にすることに。実はタカヒロの誕生日が8月らしいという情報を掴み、せっかくなので彼の誕生日プレゼントをサプライズで用意することにした。何ヶ所か巡り、彼がよく愛用している《Ripndip》のパンツを買ってあげた。喜んでくれるだろうか。どうせならサプライズにしようということで後で渡すことにした。

買い物を終えてケイシーとショータローとコーヒーを飲んでいると、タツルとタカヒロも帰ってきた。みんな最後の最後で欲しいものが買えたようで良かった。私はおもちゃ屋で見つけたレゴが気になり買おうかギリギリまで悩んだが、帰りの荷物に入るか分からないのと、レゴなら日本でも大概は手に入るのではないかということで諦めた。実際、帰りの荷造りをまだなにもやっていなかったが、来た時よりも圧倒的に増えた荷物を全て持って帰れるか疑問だったため、この選択は間違えてはいなかっただろう。

その後もゆっくり帰り、ケイシー宅に着いたのは15時頃だった。正直かなり疲れてはいたが、もうアメリカにいる時間もわずかだ。私たちは荷物を軽く片し、すぐに自分たちの車に乗り換え出かけることにした。

まずは、ロサンゼルスのダウンタウンにある『ターミネーター』の撮影地でもあるLAリバーへ向かう。以前ショータローとは行ったが、せっかくならみんなで来たかったのだ。ロサンゼルスへ向かうハイウェイはまるで迷宮のように入り組んでいる。しかも標識が英語のため、これまで何度も道を間違えてきた(いまだに夢でダウンタウンへ向かうハイウェイが夢で出てくるのだからよっぽどだろう)。そんな迷宮ハイウェイも、今となっては難なくクリアできるほどになった。もはや日本に帰ってからの運転が不安になるほど、私たちはアメリカの運転に慣れていた。

LAリバーに着くと、既に日は傾いていた。相変わらず治安が悪く、不穏な格好の人がうろついていたが、気にせずにアーティスト写真の撮影をする。

その後、9日目に行ったリトルトーキョーにあるレコードショップ《Going Under Ground Records》へ別れの挨拶をしに行く。リトルトーキョーということもあり、私たちに親身に接してくれて、オススメのバンドなどもたくさん教えてくれたため、愛着があったのだ。私たちは自分たちのCDを渡し、お別れを言う。またすぐに来いよと言ってくれたスタッフと写真を撮り、店を後にした。次に来る時は、自分たちのレコードを持ってここに置いてもらおうとタツルと約束する。必ず叶えたい。

最後に、私たちはハリウッドに向かうことにした。これまで2回ハリウッドに行ったが、肝心のハリウッド・サインをまだちゃんと見れていなかった。せっかくなら夕日の見える時間に行こうということで、私たちは車を急がせた。

ハリウッドに着いたのは19時頃だった。日本ではもう日没に間に合わなかっただろうが、アメリカではちょうど良かった。カリフォルニアの綺麗な夕日が、ハリウッドの看板を赤く照らしている。この太陽が昇る頃にはもう空港に向かって車を走らせているのだろう。そう思うと寂しくなってくる。この景色を目に焼き付け、みんなで写真を撮る。残念ながらシバは一足先に帰ってしまったため全員の集合写真とはならなかったが、今いる4人で写真を残そうと近くにいた観光客にお願いして写真を撮ってもらう。また一生の思い出になる1枚が増えた。

ハリウッド・サインを後にして、アメリカでの最後の晩餐を食べることに。実は1日目から「最後のご飯は何を食べようか」と何度も話し合っていたのだが、今日まで決まらなかった。ハンバーガー、ステーキ、ブリトー、タコス、思い入れのあるご飯はたくさんあった。だが、いざその時が来るとなかなか決まらない。

悩みに悩んで決めたのはピザだ。ハリウッドにある《Prime Pizza》が私たちの最後の晩餐となった。ロサンゼルスに4店舗展開している《Prime Pizza》は、カリフォルニアでは珍しくニューヨーク・スタイルのピザを出している。まさか最後にニューヨークのピザを食べるとは思わなかったが、薄生地のペパロニピザは美味しかった。

さらに《Prime Pizza》はグッズが豊富でどれもデザインが秀逸だった。私とショータローは「最後だし!」という謎のテンションでキャップ、Tシャツ、スウェットからピンバッチまで様々なグッズを買った。これが最後の自分用の買い物かもしれない。

ピザを食べ終え、お腹はいっぱいだったが、これで最後の晩餐を終わらせるには少し物足りない気持ちがした私たちは、「最後の晩餐(二次会)」を行うことにした。場所はハリウッドの老舗ホットドッグ屋《Pink’s》だ。ハリウッド俳優や映画監督、ミュージシャンまで名だたる著名人が来訪しており、壁一面にサイン色紙が飾られている。もう夜も遅いというのに店には行列ができている。よほどの人気店なのか、アメリカ人は深夜にホットドッグを食べたくなるものなのか。正直、私はもう何も食べれないほどお腹いっぱいだったが、ハリウッドに来たら一度は食べなくては、というほど有名な店ということで、ショータローとシェアさせてもらうことにした。

自分たちの順番になり注文をする。私はホットドッグには大きなトラウマがある。それはアメリカに来てすぐのこと、ユニオンステーションの売店でホットドッグを注文したが意地悪な店員が私の英語を聞き取ってくれず、何度も何度も「ホットドッグ」と連呼させられるという屈辱的な記憶が蘇った(詳しくはDay1を読んでいただければ)。

だが、私も今日までダラダラとアメリカで過ごしていたわけではない。いつホットドッグを注文する日が来ても良いように、発音の練習は完璧だった。そして注文口の店員に向けて渾身の「Can I Get A Hot Dog?」をお見舞いする。もちろん1発で聞き取ってもらい、難なく美味しいホットドッグを手に入れることができた。私が最も成長を実感した瞬間だろう。

こうして私たちの最後の晩餐は幕を閉じた。時間は22時。明日は10時のフライトのため、6時には家を出なくてはいけない。そろそろ帰って明日の準備をしなくてはいけないのだが、まだ帰りたくなかった。

「最後にアメリカっぽい場所に行こう!」と向かった場所は、アメリカ最大級のスーパーマーケット・チェーンのウォルマートだ。思い返せばこのアメリカ滞在中、ウォルマートには何度も通った。価格も他のスーパーに比べて安価だったし、何より品揃えが豊富で、食品はもちろん衣服、家具、おもちゃ、レコードまでなんでも揃えられる。日本でいうコストコのようなものだろう。とにかく広い敷地にたくさんの商品が所狭しと並んでいる様は、日本のスーパーとは全く別のものに見えてテンションが上がった。私たちは最後にお土産用として、ウォルマートの閉店ギリギリまで粘り、とにかく甘いチョコレートや着色料をふんだんに使った甘いグミなど、アメリカらしいお土産をたくさん買った。もう思い残すことはない。ケイシー宅に着く頃には日付も変わっていた。

ちなみに帰国後、それらのお土産を日本の友達やライブに来てくれたお客さんに配ったのだが、あまりにも甘すぎ&着色しすぎのため不評に終わった。帰国後3ヶ月以上が経った今でもまだ残っているのだから、相当まずいのだろうか。ちなみに私は甘すぎるお菓子が苦手なので食べていない。

LAリバーの夕日

ケイシー宅に着いて、私は大切なことを忘れていたことに気が付いた。帰りの荷造りを全くしていなかったのだ。部屋は私とタツルの荷物で溢れ、まだあと数十日はここに滞在するんだっけ、と思い違いをしそうになる。帰りたくないあまり荷造りを後回しにし続け、ついに最終日の夜になってしまった。悲しい気持ちを押し殺し、嫌々ながら荷造りを始めた。アメリカに来てから買ったお土産や衣服、レコードなどがあまりに多く、全て入るのか不安だったが、スーツケース2つに何とか押し込んだ。

その後、私とショータロー、タツルもお互いに用意していたプレゼントを交換した。アメリカについてすぐに、3人でお互いにプレゼントを用意し、最終日に交換しようと約束をしていたのだ。私は19日にオレンジカウンティーへ行った際に寄ったアメコミグッズの店で、ドラマ『ストレンジャー・シングス』に出てくるモンスターのフィギュアを買っていた。日本では売っていないらしいので自分がほしいくらいだ。

3人で適当にプレゼントを交換し合う。私のプレゼントはショータローの手に渡った。おそらく3人の中で最も『ストレンジャー・シングス』が好きなのはショータローだったので、彼の手に渡って良かった。

私はタツルから『スター・ウォーズ』のボードゲームをもらった。エピソード4でルークとチューバッカが遊んでいる3Dチェスをモデルにしたゲームで、『スター・ウォーズ』ファンなら誰もが喜ぶだろう。もちろん私も嬉しかったのだが、とにかくでかい。今の状況でもかなりギリギリなのに、スーツケースに入るだろうか。いや、入れるしかない。私はせっかくまとめた荷物を開けて再び荷造りを開始した。

タツルはショータローからコロンビアのリュックサックをもらっていた。普段から持ち物にこだわっているタツルにぴったりだろう。彼も気に入ったらしく、帰国後よく使っている。

私たちのプレゼント交換をタカヒロが羨ましそうに眺めている。仕方がないのでさっき買っておいたサプライズのプレゼントを渡す。タカヒロはまさか自分がプレゼントをもらうと思っていなかったらしく、「Oh…」と謎の欧米スタイルで喜んでいた。

地獄の荷造りが終わった頃には、既に3時近くになってしまっていた。ロサンゼルス空港までは車で1時間ほどかかるため、少しでも寝ておかなければ。寂しい気持ちはずっとあったが、私たちは眠ることにした。

これでアメリカでの最後の夜が終わる。

ベッドで寝ていると、アメリカに来て最も仲良くなった友達のマル(犬)がやってきた。最近では一緒に眠るほどの仲だ。彼と眠るのもこれで最後だと思うとやはり寂しい。私は眠りに落ちるまで彼のことを撫で続けた。

* * *

アメリカ旅行の中でGosekiが感じた現地のCD事情は、musitのZINE『(W)AVE』Vol.2にて。発売中!
*商品URL:https://store.dandy-music.com/product/musit-wave-vol2/

Goseki