【musitTV 出演アーティスト紹介】Vol.1:killmilky / sheeplore

【musitTV 出演アーティスト紹介】Vol.1:killmilky / sheeplore

各地のライブハウスを巡りながら、様々なアーティストによる演奏とミニトークをお届けする配信番組『musitTV』。ここでは事前に記入いただいた各出演者の履歴書を元に、アーティストのルーツや音楽性に迫るほか、映像の見所を解説する。

killmilky

MEMBERS ※L→R:
中野ち子(Gt.)
小森まなこ(Vo. Gt.)
★(Dr.)
わだ(Ba.)

文=對馬拓

1組目は、2020年に始動した4人組バンド、killmilky(キルミルキー)。ミスiD2021で「お守り賞」に輝いた小森まなこを中心に結成、東京を拠点に活動中。

これまでに発表した作品は「誘蛾燈」と「白昼夢」のMVのみだが、歪みきったギター・ノイズと浮遊するヴォーカルがひそかに注目を集め、2021年7月、アジアのシューゲイズ・シーンを代表するイベント「Total Feedback」にて初ライブを敢行、11月にも再度出演。Optloquat、sugardrop、For Tracy Hydeらと共演した。

今回は、バンドの始まりを告げた「誘蛾燈」に加え、既にライブでも演奏している新曲の中から「メロンソ」も披露。現在、クラウドファンディングで集めた資金をもとに制作を進めている1st EPへの期待に胸を膨らませながら、貴重なパフォーマンスを存分に楽しんでいただきたい。

履歴書:小森まなこ

Total Feedbackに出演、と聞けばシューゲイザー・バンドと認識するかもしれないが、BUCK-TICKやP-MODEL、さらにはサブカルチャーなどから多大な影響を受けている小森を筆頭に、メンバーは決してシューゲイザーに明るい訳ではない。「メロンソ」「誘蛾燈」の作詞/作曲を手掛けたギターの中野も例外ではなく(好きな音楽を尋ねた際にでんぱ組.incを挙げていたくらいだ)、あくまで自分たちが美しいと感じる音楽を追求した結果、ノイジーなサウンドや退廃的な雰囲気に行き着いたというのだ。

音楽性自体は必ずしも影響源を感じさせるものではないが、表出する美意識は小森が志向するニューウェーブ、あるいはヴィジュアル系とも通ずる部分がある。そもそもコクトー・ツインズやザ・キュアー、Plastic Tree、THE NOVEMBERS、さらにはLUNA SEAなど、先に挙げたジャンルとシューゲイズ的な音像の親和性は(ジャンル成立の前後関係や意識的/無意識的な部分を考慮する必要は多少あれど)先人たちが既に立証済みだ。そうした視点からkillmilkyのサウンドを捉え直してみると、また違った聴こえ方がしてくるかもしれない。

「人生をなんとかできるかもしれないと思った」──バンド結成のきっかけについて、小森はそう語る。淡々と、しかし着実に刻まれるドラムとベース、そして悲鳴にも似たギターが織りなすアンサンブルの中で、彼女は歌う。あなたはそこから、何を感じ取るだろうか?

sheeplore

MEMBERS ※L→R:
金子タカアキ(Dr.)
三浦エミル(Vo. Syn. Gt.)
Cookie(Gt. Syn.)
IZVV(Ba. Syn. Per.)

文=翳目

2組目は、2011年結成のオルタナティヴ・ロック・バンド、sheeplore(シープロア)。

映画や文学から着想を得た芸術性の高い楽曲と、個々のクリエイティブな才能が光るプロモーションで人気を集めてきた彼ら。都内のライブハウスをメインに活動を展開し、これまでMaison book girlやMUNIMUNI、ドミコらと共演。ヴォーカル・三浦エミルの透明度の高い歌声と、楽曲のイメージを投影した映像が各方面で話題を呼んでいる。

コロナ禍においても2作品のシングルをリリースしたsheeploreは、現在制作中のEPの中から新曲「Children of Disaster」も披露。これまでほとんどメディアへの露出をしなかった彼らのパフォーマンスは必見。

履歴書:三浦エミル

オルタナティヴ・ロックやサイケデリック、エレクトロなど多要素を自身の音楽性に落とし込みながら楽曲を作り出す彼らのキャリアは長く、これまで4枚のフル・アルバムをリリースしている。彼らは年ごとに異なるテーマを決める独自のスタイルが目を引くが、2022年はトーク内でも語られている通り「高い城」をテーマに掲げることを明かした(すでにリリースされている新曲「The Human in the High Castle」からもそのコンセプトが明確に窺える)。

musitでは収録の約1ヶ月前にフロントマン、三浦エミルへインタビューを実施。楽曲を「音」として届けるだけではなく、様々な手法で再現する実験的な活動を見せていたsheeploreだったが、パンデミック下で自身を見つめ直すに当たり、改めて「言葉で伝える」ことの大切さに気づいたと言う(詳しい内容については該当のインタビュー記事を参照してほしい)。今回披露した2曲においても彼らがリスナーと共に語らい、踊るような印象を受けるほか、パフォーマンス面でも優しく幽玄で包み込むような印象が見て取れる。また制作に専念するため、昨年後半はライブ活動を休止していた彼らにとって本企画が数ヶ月振りのライブとなったが、シンセパッドやキーボードを巧みに使い表情豊かに見せるパフォーマンスは健在どころかさらに強度を増していることが画面越しにも伝わるだろう。

活動体制を整え、「高い城」を作り上げる最中で生まれたライブ映像の中で、彼らは軽やかに踊り、手招きをしている。あなたもどうかこの場所で、彼らと共に限りある時間を楽しんでほしい。

musitTV Vol.1

musit編集部