本日7月22日はアベフトシの命日 / TMGEを忘れない! ミッシェル・ガン・エレファントの名曲10選

本日7月22日はアベフトシの命日 / TMGEを忘れない! ミッシェル・ガン・エレファントの名曲10選

本日7月22日はアベフトシさんの命日です。

ロックバンド「ミッシェル・ガン・エレファント(TMGE)」のギタリストであるアベフトシさん。僕(中澤)は、今年2020年で38歳になりましたが、いまだにアベさんのギターを初めて聞いた時の衝撃は忘れられません。

これがロック──。そんな音。

アベさんが亡くなって11年、今もその衝撃は胸の中で生き続けています。本記事では、そんなアベさんのギターが鳴り響くTMGEの名曲10選をお贈りしたいと思います。

TMGEの名曲その1「アウト・ブルーズ」

アベさんのギターと言えば、マシンガン・カッティング。高速ブラッシングのガツガツ豪快な音でそう呼ばれていました。そんなマシンガン・カッティングが思う存分味わえる曲が「アウト・ブルーズ」です。リフでもソロでもマシンガン打ちまくり。

おまけに、ソロパートの後半はフリージャムのようになっており、全楽器がステゴロで殴り合ってるようなヒリついた雰囲気が漂っています。

学生時代の軽音楽部でTMGEをコピーした際、このフリージャムパートの雰囲気が出せずに選曲から外したのは苦い思い出。そんなジャムパートがシングル曲に入っているところに、バンドの勢いを感じにはいられません。

TMGEの名曲その2「サタニック・ブン・ブン・ヘッド」

Vo.チバユウスケさんが “サタニック・ブン・ブン・ヘ~ッ!” しか言わないこの曲。3分以内と短いですが、アベさんの弾きまくりギターを堪能できます。特に、ゆるやかな展開から爆発に転じる部分は、シンプルかつダイナミックなロックバンドの開放感があり最高。

あと「サタニック・ブン・ブン・ヘッド」って声に出して呼びたくなるタイトルも最高。言葉のリズムの良さに、これしか言わないことの説得力を感じます。ちなみに、上記の動画を選んだのは、アベさんが珍しい金髪スタイルなのと、若頭みたいなチバさんが面白いからです。

TMGEの名曲その3「ゲット・アップ・ルーシー」

TMGEには色んな側面がありますが、ハードボイルドな雰囲気を感じるのが「ゲット・アップ・ルーシー」です。ライブの照明の中、スーツスタイルで演奏されるこの曲の映え方たるや。

楽器陣のコーラスとチバさんの声が絡む曲構成もバンド感があって良いですね。軽音楽部のコピーバンドだったら、楽器弾きながら歌えないメンバーが集まってしまうと詰む曲です。

TMGEの名曲その4「ダニー・ゴー」

疾走するベースから切なさあふれるコード感が爆発する「ダニー・ゴー」。キャッチーなリフにアベさんのポップセンスを感じます。ソロの入りにはスイッチングも披露していてアイデア豊富な1曲。

ライブでもクライマックスで演奏されることが多く、この曲が来ると「終わりですよ!」という感じが出る締めの曲の1つでした。この曲が最後に入ってるからこそ、アルバム『ギヤ・ブルーズ』はTMGEを代表する名盤となったのかもしれません。

TMGEの名曲その5「ドロップ」

TMGEには珍しくゆるやかな3拍子の「ドロップ」。それだけにチバさんの割れるような声が印象的に響く曲でもあります。歌詞もやはりチバユウスケ節。ほとんど “夜になる” “夜をゆく” しか言ってないんですが、行間から虚無感が漂っています。

解散ライブでこの曲が1曲目だったのは震えましたね。しかし、改めて『LAST HEAVEN』の映像を見ると、かき鳴らすコードが、ライブ開始のファンファーレのようにも聞こえるから不思議です。

TMGEの名曲その6「リリィ」

TMGEのポップセンスが爆発してる「リリィ」。AB構成にもかかわらず、バッチリ “サビ!” という感じを作っているところがさすがです。

ロックのカッコ良さだけではなく、こういったポップなメロディーラインが同居しているのがTMGEの良いところ。「PV暗くね?」とは思いますが、それも狙いに見えるのもTMGEの良いところ。そういう意味で、このPVにはTMGEが詰まっていると言えるでしょう。

TMGEの名曲その7「武蔵野エレジー」

パリに降るのはマティーニの雨──

しけたタバコはオリーブの味──

「武蔵野エレジー」の歌い出しはいつ聞いても痺れます。歌謡曲のようなメロディーなんですが、やはりヒリついたロックとなっているのはアベさんの荒々しくも哀愁漂うギターの力も大きいでしょう。

シングル『ベイビー・スターダスト』のカップリングでオリジナルアルバムに未収録の曲ですが、ファンにも人気だった名曲。

TMGEの名曲その8「ジェニー」

シングル『スモーキン・ビリー』のカップリングだった「ジェニー」は、ライブで盛り上がる名曲の1つでした。TMGE流ロカビリーとでも言うべき嵐のようなビートに乗る、海賊のロマン的なヘンテコでユーモラスな歌詞が最高。聞くと少年心を思い出すような歌です。ライブではメンバーみんなノリノリ。基本仁王立ちのアベさんもぴょんぴょんジャンプしてたりします。

TMGEの名曲その9「世界の終わり」

TMGEと言えばこの曲という感じの代表曲。1stシングルであり、ライブでもクライマックスに演奏されることが多かったです。

疾走感あふれるギターから爆裂するビート。そこに乗っかるのは、“僕” と “君” と “世界の終わり” を歌う歌詞。当時、めちゃくちゃエキセントリックな “君” が好きでした。絶対、谷川俊太郎の『二十億年の孤独』とか読んでるだろ。

しかし、こうして時が経って改めて読み直してみると、この歌詞の彼女、綾波レイみたいですね。「世界の終わり」にはセカイ系の雰囲気を感じます。

セカイ系とは、アニメ界隈で使われる言葉で、『新世紀エヴァンゲリオン』的なジャンルを指すもの。僕と君の間に世界の終わりが唐突に出てくる感じとかが、90年代後半からのセカイ系ブームを思い出します。

当時、今の社会を映していると言われた『新世紀エヴァンゲリオン』のテレビ放送が1995年10月4日から96年3月27日まで。TMGEがこの曲でメジャーデビューしたのが1996年2月1日。ほぼ同時なので、偶然の一致でしょうが、逆に言うと、この歌詞は時代の最先端をクリティカルに捉えている内容と言えます。TMGEの登場は音楽業界のセカンドインパクトだったのかもしれません。

TMGEの名曲その10「GIRL FRIEND」

9曲聞いてきて、今、最後に聞きたいと思ったのが「GIRL FRIEND」でした。ゆったりとしたリズムでアンビエントっぽいピアノが入るこの曲は、TMGEの中でも異彩を放つ曲です。

原曲は、最後のオリジナルフルアルバム『SABRINA HEAVEN』のラストを飾るインスト「NIGHT IS OVER」。その後リリースされた対をなすミニアルバム『SABRINA NO HEAVEN』でも「夜が終わる」という別アレンジで最後に収録。

そこに歌を乗せたのが「GIRL FRIEND」で、ラストライブのドキュメント映画『THEE MOVIE -LAST HEAVEN 031011-』のエンディングもこの曲でした。ちなみに、ピアノを弾いてるのはチバさんとのこと。

明らかにバンドの新境地を示唆していますが、TMGEはこのシングルを一般発売した約3カ月後に解散を発表します。個人的には、最後まで転がり続けたところがTMGEらしいと思う曲。なお、事実上のラストシングルは解散ライブと同時に発表された「エレクトリック・サーカス」です。

最後に

以上、TMGEの名曲10選をお贈りしました。

いやいや! 「リボルバー・ジャンキーズ」がまだ出てないよ! 「スモーキン・ビリー」はどこいった! 「GT400」は? 「ベイビー・スターダスト」は? 「赤毛のケリー」は? 「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」は? 「ピストル・ディスコ」は!? 正直、全部入れたかったです。それほどに曲が粒ぞろいなのがTMGE。人によって10選は全然違うことでしょう。

ただ、何より大切なのは忘れないこと。

TMGEのことを。

アベフトシというギタリストのことを──。

そんな気持ちでこの記事を書かせていただきました。本日7月22日、アベフトシさんに捧げます。Thank You Rocker! I Love You Baby!!

中澤 星児