赤道の音色に焦がされ〜《Island Records》とラム〜

赤道の音色に焦がされ〜《Island Records》とラム〜

突然ですが、あなたはラムが好きですか?

そうそう、北海道に旅行した時に食べた。え? 道民は生ラムしか食べない?
そっちじゃない。

ラム酒の話です。

* * *

ラムってどんなお酒?

‘‘ラムとは、西インド諸島が原産地と考えられている、サトウキビの廃糖蜜または絞り汁を原料として作られる蒸留酒である。サトウキビに含まれるショ糖を酵母でアルコール発酵させてエタノールに変えた後、蒸留、熟成することで作られる’’--Wikipediaより抜粋

元々はサトウキビを栽培している地域で作られていたので、カリブ海やアフリカの島々などが主な原産国です。

有名な銘柄で言えば、マイヤーズやバカルディなどがあります。比較的風味が強い蒸留酒なので、そのまま飲むだけでなくカクテルにもよく使われます(例:モヒート、ラムコーク、ダイキリ)。

Blackwell Rum

今回取り上げるのは、この「Blackwell Rum」というジャマイカ産のラム。

突然ですが、あなたはレゲエは聴きますか?
そうそう、タオル振り回したり…そっちじゃない。

あ、そっちじゃなくないか。それもレゲエなんだけど、なんか違う。

A「どんな音楽好きなんですか?」
B「パンクです」
A「僕も昔聴きましたよ! ハイスタとか!」
B「(…そういうんじゃないんだけど)良いですよね」

とか、音楽に関してはそういうやり取りは日常茶飯事。…それは置いといて。

Island Records(以下アイランド)というレゲエを世界中に広めたレコード会社(現在ではレーベル)があります。

Blackwell Rumは、そのアイランドの創業者であるクリス・ブラックウェルという人物の監修によるラムなのです。ラベルには若かりし頃のブラックウェルの顔がちゃっかりプリントされています。

このクリス・ブラックウェルという人物。Wikipediaなどで調べてみると様々な功績がありますが、いくつかトピックスにまとめてみましょう。

  • 1937年イングランド生まれ、アイルランド人の父と、ジャマイカに先祖を持つユダヤ人の母の間に生まれる。
  • 1959年、ジャマイカでアイランドを設立。1962年にイギリスに移転。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズを売り出してレゲエを世界中に広める。
  • クリスの母、ブランチは小説家イアン・フレミングの恋人だったこともあり、フレミング原作の映画《007 ドクター・ノオ》のジャマイカでのロケーションハンティングを担当して資金を得る。

で、ここからが本題です。

グレイス・ジョーンズの名盤『Nightclubbing』

グレイス・ジョーンズ『Nightclubbing』

このかっこいい人物はグレイス・ジョーンズと言います。今では音楽ファンの間でも話題に上がることはほとんどありませんが、50歳以上の方にはかなり知名度があるようです。

どうしてそう思うかって?

グレイス・ジョーンズのTシャツを着てると、魚市場だろうが居酒屋だろうが「兄ちゃん、良いTシャツ着てるね。懐かしいな〜」っておっちゃん連中に話しかけられるんですよ。これ本当。

白い方は着倒してボロボロ。黒い方はZARAから出たやつでレディースなのでコレクション用。 白い方は着倒してボロボロ。黒い方はZARAから出たやつでレディースなのでコレクション用。

このグレイス・ジョーンズという人物、ヴォーカリストでありパフォーマー。モデルで女優。女優としての代表作は007シリーズ「美しき獲物たち」でしょうか。1983年にはTOYOTAセリカのCMにも出演していたようです。

そしてヴォーカリストとして、アイランドからレコードを多数出しています(ここで007→ブラックウェル→グレイスジョーンズが繋がります)。

特に有名なのがこの、1981年にリリースされた『Nightclubbing』。最高にクールでスタイリッシュなレゲエ/ディスコアルバムです。

Blackwell Rumを飲みながら…

Blackwell Rumはダークラムと言われる、その名の通り濃い褐色のラム。

まずはストレートでテイスティング。

香りはサトウキビ由来の甘い香りに、内側を焦がした樽熟成由来のスモーキーなアロマ。ただし実際に飲んでみると骨太でコクはしっかりとありつつ、意外にも甘みは少なくドライな味わい。それが癖になって1口、もう1口と飲んでしまう。

『Nightclubbing』の1曲目 「WALKING IN THE RAIN」は、まるで終電近くに繁華街のクラブに繰り出す時のような、気怠さの中に高揚感がある。そんな曲だと思います。カラッとしたタイトなリズムにUKの湿度。Blackwell Rumをストレートでボチボチやるのによく合う。

2曲目の「PULL UP TO THE BUMPER」

ここら辺から段々とヒートアップしてくる。今度はBlackwell Rumをキューバリブレ(ラムを使った簡単なカクテル。ラムをコーラで割ってライムを絞る。ラム30mlに対してコーラ90mlが標準だが、Blackwellでは45mlくらいで少し濃いめのドライに作るのがおすすめ)なんかにしたくなる。

4曲目のタイトル曲「Nightclubbing」はイギー・ポップとデヴィッド・ボウイによる同曲のカバー。原曲の怪しいギラギラ感も良いですが、都会的だけれど薄気味悪さも漂うグレイス・ジョーンズ版は最高にカッコイイです。是非アナログをゲットして聴いてみることをおすすめします。

ラムを飲むならおすすめしたいお店

京王新線・幡ヶ谷の《LUG hatagaya》(https://lug-hatagaya.com/)という店がおすすめです。

夕方以降のバータイムでは、約200種類のラムを比較的リーズナブルな価格で楽しめます。メニュー表のラム愛溢れる説明を読んでるだけで楽しくなる。ランチ営業ではバーテンダーがいないのでラムは飲めませんが、ナイスなクラフトビールが楽しめるのでこちらも是非。

何より雰囲気が最高です。

それと、ラムの主な原産はカリブ海やアフリカ…と書きましたが、現在では日本にも沖縄や小笠原などにラムの製造所があります。どれも美味しいのでバーで見かけたら是非飲んでみてください。

 

では良き晩酌を。

仲川ドイツ