【金曜日の編集部】2021年11月19日
musit編集部による今週の振り返り。フライデー・ナイトに繰り広げる内省以上/酔いどれ未満。
PLAYBACK
編集部・翳目より
極度の末端冷え症により猫背に拍車をかけながら業務に当たる日々が続いています。寒。
以前からお知らせしていた「musitTV」ですが、今週月曜、企画スタッフ数名で初回収録を予定しているライブハウスへ下見兼打ち合わせに行きました。THURSDAY’S YOUTH(ex.Suck a Stew Dry)の篠山浩生がよく出ている箱、といえば分かる方には分かるはず。イベント制作、右も左も分からないまま進めているので現時点でもかなり不透明で正直不安もありますが、演者の皆様や協力いただくmusitライターの方々の顔に泥を塗らないよう頑張ります。師走は私が走る───。
話は変わりますが、先日行われた下北沢Garageでのthe Stillとシバノソウノバンドの共催企画「9月になる前に」、ここ最近観た中で一番記憶に残る素敵なイベントでした(実は別々ですが編集部2人とも足を運んでいました)。念願のcolormal、終始暖かい空間ながらも技巧的で熱意に満ちた演奏が非常に心地好かったです。ライブ、今年はあと何本行けるかな。
WEEKLY COLUMN
昭和歌謡が教えてくれること
◯文=安藤エヌ
こんにちは、musitライターの安藤エヌです。今週の「金曜日の編集部」コラムを担当させていただくことになりました。よろしくお願いします。
私はもっぱら記事を書くとき、現代のJ-POPについて書くことが多いのですが、音楽が好きな両親の影響で80~90年代の邦楽も聴きます。今はサブスクという便利なものが登場し、ピンクレディーやキャンディーズなど、一世を風靡したグループの曲も気軽に聴けるようになりました。音楽に触れるという面において、現代は過去に類を見ないほどに便利な時代になっていると実感する昨今です。
そんなサブスクで最近、美空ひばりの「愛燦燦」をよく聴きます。存命の頃を知っている年長者の方にとっては、スマートフォンから流れてくる彼女の歌声というのはまた、当時テレビやラジオから聴いたものとは違って聴こえるかもしれないですが、それでも彼女の歌声が持つ力というのは何年経とうとも健在です。美しく澄んだ声で歌われる人生の深みに耳を傾けていると、自然と胸がすっと落ち着く心地がします。
昭和という時代に多くの聴衆を惹きつけた曲は、どれも温かみがあって、確かに人々が市井の中で、日常の狭間で生活をしているのだということが感じられる曲ばかりだと感じます。もちろん令和を席巻する楽曲たちにも良さがあり、それは比べるものではなく、別々の魅力があると思うのですが、どうしてもその懐かしさや温かさに惹かれてしまいます。
きっと、音楽の向こう側に人の存在が感じられることが好きなんだなと思います。
ここで私が好きな曲のワンフレーズを紹介しましょう。
「上手でも味がなくちゃつまんない」
これは音楽だけに限らず、全てに言えること。
まるで歌うように奏でられるギター。語りかけてくるピアノ。心のこもった歌声。そんな音楽に、私はこれからも惹かれるのだろうなと思うこの頃です。
musit編集部




