【金曜日の編集部】2022年3月25日/Roll with it

【金曜日の編集部】2022年3月25日/Roll with it

musit編集部による今週の振り返り。フライデー・ナイトに繰り広げる内省以上/酔いどれ未満。

PLAYBACK

編集部・翳目より

4月も目前のこの時期に…雪……!? みたいな寒の戻り(最悪)を経て、ようやく都内の週間天気予報が2桁揃いになってきました。暖かいと私生活がアクティヴになるので最近は時間が全く足りません。

先週末はclub asiaの26周年記念イベント『FFF』へ。ゲストにパソコン音楽クラブとVaVa、だけではなくMaltine Recordsの主宰・tomad氏がメインフロアのオープンを務めたり、急遽(いや、確信犯…?)『泳ぐ真似』から「冥界」「果てにて」を生ヴォーカルで披露するKabanagu、先月EPをリリースしたばかりのunlucksi…と身体がいくつあっても足りないような布陣に終始大興奮でした。1年振りに会った友人は明け方渋谷の路上で爺と化しており馬鹿にしていましたが、私も昼に起床してそこから3日間は身体が動かず床を這いながら連休を送っていました…圧倒的運動不足。

今週編集を担当した、すなくじらによるアイドルユニット・じゅじゅのアーティスト評。個人的に信頼を置いているライターであり友人であることは言わずもがなですが、やはり長年自分の目で追い続けた存在を言語化することへの姿勢、初稿の段階からひしと伝わり震えました…。「ステージの上に立つ存在」は必ず自分より早く姿を消してしまうのを理解していながらも、自分の貴重な10代、20代の時間を奪ってほしいと心から思える存在に一生涯の中で出会えること、普段は盲目になるあまり気に留めないかもしれませんが、ふと立ち止まって周囲を見渡してみるとそれは非常に希少性が高く尊いことだな、と彼女のレビューを読んで改めて思い、没入するならばそれを恥じるのではなくいっそどっぷりと浸かりたい、そんな気持ちになっています。

長くなりましたが、『musitTV』Vol.2の制作に向けて準備が始まっています。こちらも続報をお楽しみに。

WEEKLY COLUMN

Roll with it

◯文=Kaede Hayashi

はじめまして。今週の「金曜日の編集部」のコラムを担当させていただくKaede Hayashiです!

編集部の翳目に誘っていただき、今月のBig Thiefのライブレポからmusitに参画させていただいております。学生時代に知り合った彼女とは切っても切れない腐れ縁で、かれこれ7年近い関係になるのですがまさかこんな関係になるとは。帰国した時にはまたお互い浴びるように酒を酌み交わそうと思います。

かく言う僕は先月イギリスに到着しました。ビザが切れるまで2年間、イギリスの音楽シーンを現地在住という貴重な機会を活かしてお届け出来たらいいなと思っています。何卒。それもあって様々なアーティストの登場で面白いことになっているサウスロンドンに住居を構えました。単純に音源をディグっているだけでもまさに沼で楽しいです。

話は変わりますが、すっかりこちらはコロナ禍以前の世界に戻ったような雰囲気になっています。道ゆく人の9割はマスクを着けていないし、4月からは自主隔離などの規制も全面解除になりいよいよコロナがただの風邪の世界になってしまうみたいです。そんなイギリスですが、僕は人生で二度目のコロナに感染してしまいました。ロンドンに到着した時から「これはいずれコロナになるな…」と覚悟はしていたのですがこんなにも早くなるとは思ってもいなかった…。早速の洗礼を浴びています。一昨年に初めて感染した時よりも症状はだいぶ軽いのですが異国の地で体調を崩すことがこんなにも心細いとは。自炊もままならず、日本から持参したカップヌードルの味噌味を食べたら美味し過ぎて文字通り昇天しかけました。日本の食に対するクオリティは凄まじいなとひたひた実感しています。

ただでさえ天気が悪くまだまだ寒いロンドンで、珍しく1週間を通して春のように暖かく天気も良い確変週にコロナで隔離しなきゃいけないのはツイて無さすぎて泣けてしまう…。仕方がないので部屋から気持ち良さそうな外を眺めて音楽ばかり聴いています。すっかり春の曲が聴ける季節になりました。ド定番ですがくるりの「春風」ばかり聴いています。知名度的にはベスト・アルバムに収録されている「春風 (Alternative)」ですが、ぜひともシングルver.で聴いていただきたい。個人的にはジャケットもアレンジもこちらの方が好きです。より素朴でいびつながら優しい雰囲気があるので。

しばらく自宅に引きこもっていたせいかすっかり曜日感覚がなくなってしまったのですが、金曜日という文字を見るだけで嬉しいのは変わっていませんでした! 皆様も良い週末をお過ごしください!

musit編集部