【金曜日の編集部】2022年5月13日/ニホンオオカミの起源の定説が覆った!

【金曜日の編集部】2022年5月13日/ニホンオオカミの起源の定説が覆った!

musit編集部による1週間の振り返りと、所属ライターが週代わりでお送りするウィークリー・コラム。

PLAYBACK

編集部・對馬より

実は『musitTV』Vol.2の収録が来週に迫っています。程良い緊張感を抱いている次第ですが、なんと今年1月に公開したVol.1の再生数が、おかげさまで1,000回を突破しました! ご覧いただきありがとうござます。Vol.2はあらゆる面でさらにレベルアップできるよう、引き続き泥臭く頑張って参ります(現時点では既にレベルアップしています、とハードルを上げておく)。

さて、取って付けたように個人的な話をすると、GW中に念願だった江ノ島へ行きまして。「江ノ島エスカー」ってご存じですか? ASIAN KUNG-FU GENERATIONが江ノ電沿線をモチーフにしたアルバム『サーフ ブンガク カマクラ』でそのまま曲名にもしていますが、僕は何かケーブルカーとかロープウェイ的な楽しい乗り物なのかな〜と長い間勝手に思い込んでたんですよ。ところがどっこい、実物を見たらただのエスカレーター(しかも有料!!!!)だったんですよね…。衝撃的すぎて、信じたくなかったのか目の当たりにしたのにさっぱり実感できなくて、逆に衝撃的じゃなかったくらいです(?)。あ、でも江ノ島自体は最高でした。

WEEKLY COLUMN

ニホンオオカミの起源の定説が覆った!

◯文=仲川ドイツ

本日5月13日は、特撮ファンが待ちに待った『シン・ウルトラマン』の公開日ですね。私も有休を取って初日の初回に観に行きたかったんですが、酒屋仕事のスタッフに欠員が出てしまって休みが取れずでした。ちくしょう、コロナめ。このコラムがアップされた頃には既に観てる人もいるんだろうな。羨ましい!

ところで、今週は日本の生物史において大きな前進となる研究結果が発表されました。

ニホンオオカミの起源を解明|国立大学法人 山形大学

ざっくりいうと、これまでニホンオオカミ(学名:Canis lupus hodophilax)はユーラシア大陸と北アメリカに生息するハイイロオオカミ(学名:Canis lupus)の亜種とされていましたが、化石に含まれるDNAの解析を行ったところ、5万7000年前~3万5000年前に大陸から日本列島に入ってきた古い系統の巨大な更新世オオカミ(世界最大級らしい!)と、3万7000年前~1万4000年前の間に大陸から渡来した新しい系統が交雑していた痕跡が確認できた、ということらしいです。従来想定されていなかった更新世オオカミとの交雑が判明したということは、つまりこれまで大陸のハイイロオオカミの亜種とされていたものが、独立した種となる可能性もあるわけです(※いちニホンオオカミファンの読解なので多少の違いはご容赦ください)。

みなさんは、ニホンオオカミというと怖い獣をイメージしませんか? 例えばもののけ姫に出てくる山犬のモロみたいな。しかしですね、国立科学博物館に残っているニホンオオカミの標本はこんな感じです。

ワンちゃんじゃん!! Wikipediaによると中型日本犬くらいの大きさだったそうです。

そう、ニホンオオカミは大陸のハイイロオオカミと比べると小型なんですね。一般的に島に棲む生物は「島嶼化(とうしょか)」といって矮小化、もしくは巨大化するとされていて、ニホンオオカミは古代に大陸から渡ってきたハイイロオオカミを起源とする祖先が日本列島で陸封され、島嶼化で小型になった亜種とされてきました。それが今回の研究で少し流れが変わってきたわけです。

更新世オオカミは世界最大級、と書きましたが、その血を引くニホンオオカミがなぜとっても小さくなったのか。今後ここら辺が解明されていくと面白くなってくるわけですね。そもそも顔つきだってハイイロオオカミと全然違うように見えますしね。

そしてニホンオオカミの起源が分かってくると「じゃあエゾオオカミの起源はどうなんだろう?」「そもそもイヌは?」となってくるわけで、今回発表された解析結果はそういった次なる謎の解明に繋がるヒントもあるのかもしれない、と考えるとさらにワクワクしてきます。

…ところでふと思い出したのですが、musitは音楽情報サイトでしたね。申し訳程度に音楽の話もしておきます。ニホンオオカミといえばやっぱりこのバンドでしょう。

いやー、カッコいいMVですね。残念ながら私はこれまでライブを観たことないので、今年こそはなんとか観たいものです。そもそも彼らがモチーフとして使っている狼信仰というのはですね…。

え? 文字数オーバー? では、その話はいずれするとしましょう。それでは皆さん、良い週末を。

musit編集部