the scentedが1st EP『sent』で描く、痛みのアーカイヴ
抽象的な言葉と特徴的な声で「記憶に残る」をコンセプトに活動す
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the scented(ザ・センテッド)は、ミヤ(Vo. Gt.)によるソロ・プロジェクト。空間的残響と日々の摩擦により生まれた言葉を駆使し、scent=匂い=記憶に残る、音と声を武器に東京で2021年1月より活動開始。3名の固定サポートメンバーを迎えたバンド編成となっている。

3月17日にリリースする1st EP『sent』は、既に先行配信されている「明滅」「残る跡、揺れ
全ての記憶は生活に付随し、音や匂い、声、感触といった様々なき
どうしようもない感情もいつかはどこかに終着するが、そのことが
人間らしいそれらを私たちの音楽でごく普通に体験してほしい。

その言葉通り、空間系のエフェクトやシンプルながらも印象的なギター・フレーズ、そして切実なエモーションの発露で惹き込むミヤのヴォーカルによって、the scentedの楽曲は嗅覚や触覚といった、聴覚以外の部分にも訴えかける。そして、日々の生活の中で生まれるやり場のない負の感情を、否定することなくそっと肯定し、どうにか昇華しようとする。そこにあるのは、ミヤが「痛み」を共有しようとする過程そのものだ。
アコースティック・ギターの弾き語りから幕を開ける「moon down」では、“知らない誰かが言った言葉を 私たちは無視できないはずだろう ”と歌い上げ、余計なものまで可視化されるSNS時代を憂いながらも受け入れようとする。
“君が苦しむなら 僕も苦しむから 靴擦れが痛い まるで君の傷のよう ”と、まさに苦しみを共有しようとする「残る跡、揺れる日々」は、小気味良いギターのリフレインとキャッチーなサビが印象的で、早くもアンセムとなる予感さえあるナンバーだ。
そして、ギターの残響が美しく、シューゲイザーにも通ずる音像で聴かせる渾身の1曲「明滅」で、“指を咥えたまま ただ観ていた 今はどうしようもないことばかり ”という、諦念にも似た感情の吐露に胸を打たれるだろう。
the scentedの楽曲は、日々の生活からこぼれ落ちた五感の記憶を閉じ込め、アーカイヴしようとしている。それは、聴き手が楽曲を<再生>することで現実のものとなる。そうして共有された記憶は、どうにも生きづらさを感じるこの時代への、ささやかな迎撃となるのだ。
羊文学、リーガルリリー、クレナズム、文藝天国といったリリシズムあふれる国内のオルタナティヴ・ロック・シーンのバンド群と共鳴しつつ、新たな風を吹かせる存在として、今後も注目していきたい。
また、the scentedは『sent』のリリースを記念して、3月19日に有観客と無料配信でのリリ
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RELEASE
the scented 『sent』(CD)

Label – Self Released
Release – 2021/03/17
¥1,000(tax in)
song list:
1. moon down
2. 残る跡、揺れる日々
3. 明滅
取り扱い店舗:
・the scented Official web store
https://thescented.official.ec/
・アンダースコアレコーズ
https://urerumaekara.com/items/602b3c3c2438604a021f206f
・LONG PARTY RECORDS
https://longpartyrecords.com/product/27527
MV
「moon down」Music Video
「残る跡、揺れる日々」Lyric Video
「明滅」Music Video
※サブスクリプション他、各種リンクはこちら
https://linktr.ee/thescentedjp
LIVE

2021/03/19
レコ発&活動開始記念ワンマン@西永福JAM
Open 19:30 / Start 20:00
ticket ¥2500+1D
PROFILE
the scented(ザ・センテッド)
空間的残響と日々の摩擦により生まれた言葉を駆使し、scent=匂い=記憶 に残る、 音と声を武器に2021年1月より東京で活動開始。 Vo.ミヤによるソロプロジェクトで、他3人は固定だが、サポートメンバー。 2021年1月4日から3週連続でシングルをリリース。3月には3曲まとめたEPを発売し レコ発&活動開始記念ワンマンを⻄永福JAMにて開催する。

Vocal,guitar:ミヤ
Guitar:佐々木理久(the pullovers / Cynical Animal Youth / 空前の灯火)
Bass:鴨下支音(さよなら眼乱こりぃ / 空前の灯火)
Drums:小林仁弥
(執筆:對馬拓)
musit編集部




